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「言いたいことを言う 言うべきことを言う」。10年にわたる新聞投稿から学んだ心身の自由とは。

京都在住の著者が、沖縄の新聞をはじめ、全国紙やブロック紙へ投稿を続けている文章をまとめました。2012年〜2022年、各紙に掲載された約500本から厳選して300本近くを収録しています。

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投稿のテーマは歴史認識、基地問題、地域づくり、そして読書評などと幅広く、沖縄の話題も数多く収録されています。著者の語る「憲法語による言論」とは何か。遠く離れた京都からこうした言葉が聞こえること、沖縄へ寄せる思いに勇気づけられます。

「困難を抱え、苦しんでいるのに表現できない人がいる。いやさらに自分が抱えている困難さえ分からないで、あいまいに暮らしていて、自分を表現できないために、自分がどうしたいのかさえ考えられない生活を送っている人がいる。今振り返ってみると自分がそうだった。人生なんてそんなものだと思っていたが、自分はそれに耐えられなくなった。
 書き始めるきっかけは、日本人の歴史認識問題。歴史教育はいかにあるべきかの新聞社説を読んで反応した。私立中高で歴史教師をしていたが、教師としての反応ではなかった。歴史教育は大人(自分)の問題じゃないか。大人は日本近現代史を語れるのか。自分が歴史を知らないで、尖閣や竹島の領有問題なんて語れるのか。それで紛争になったらどうするのか。ぶつぶつ口をついて出てきたことばが文章になった。それは教師の声ではなく自分の声だった。自分は知らない大人でいいのか。
 そこから、歴史認識、立憲主義、沖縄、教育、SDGs型地域創生、新聞を読んでの感想などが、自分が「言うべきこと」「言いたいこと」として次々と出てきた。そして言いたいことが言えたとき、自分が何に関心を持っているのか分かると同時に自分を肯定できるようになってきた。
(中略)
 投稿文を続けたことによって、自分、自分の生きる場、現実を受け止める場として今の自分を支えてくれている。言いたい放題の投稿文によって少し人生が変わった。私の自由な発言がだれかの心身の自由につながれば、こんなにうれしいことはない。」(「はじめに」より)

「言いたいことを言う
言うべきことを言う」

新聞を愛し、新聞から声を届け、そして新聞を支える「投稿者」の存在に目を向ける一助にもなってほしいと思います。