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地名の語源や成り立ちから、歴史と文化が見えてくる。新書シリーズ最新作。

身近な地名が面白い!

「難読地名「仲村渠(なかんだかり)」の語源は?」「なぜ西のつく地名が多いのか?」「基地で消えた地名」「川でないのに川がつく地名の謎」ほか。

『南島の地名を歩く』南島地名研究センター編 ボーダー新書22

 本書の初版は、『琉球新報』に1990年の1年間、南島地名研究センターの会員が中心となって、毎日曜日に連載された「地名を歩く」を基に、補筆・追加を行い、翌年の10月にボーダーインクから発行されたものである。
 初版の完売により、新たに増補改訂版が2006年10月に発行された。これもすでに完売とのことである。地名を研究する者にとって、多くの方々がこれらの「地名を歩く」を手に、地名を歩いていることを想うとたいへんうれしくなる。
 今回は、新書版として提供するため、紙面が限られていることから、これまでの図表を割愛するなど内容を再編するとともに、前回の増補改訂版で指摘のあった「埋立地の地名」を加えた。

南島地名研究センター代表 金城善、新書版あとがきより抜粋


目次
Ⅰ 南島の地名を考える
1 沖縄の地名の特徴/全国的視野からみた琉球弧の地名/北方を「上」と見る思想/村(ムラ)と村(ソン)/東江は日があがるところ/なぜ西の付く地名が多いのか/沖縄の山は「〜岳」/数多くある沖縄のグスク/山原の地名バーリ、バール/東恩納説にみる二村落の連称/古代の沖縄の集落「マキヨ」/宮古・八重山の集落「ハカ」/地形図にみる集落名の変遷/島の方言としての地名を守る/1下地島の地形・地名・人 

Ⅱ 島の名称
文献にみる「沖縄」と「琉球」【沖縄と琉球】/サンゴの美しい島【うるま島】/サンゴ礁段丘の島【ききや(喜界島)】/各地にある「鳥島」【鳥島】/葉壁山と呼ばれた島々【伊平屋島、伊是名島】/ベイジル・ホールの地図にも掲載【伊江島】/海中道路の走る島【平安座島】/イザイホーの島【久高島】/中国人のつけた名前「馬歯山」【慶良間諸島】/ボロジノ島として知られた島【大東諸島】/ミャーク・麻姑山・太平山【宮古】 

Ⅲ 集落の地名
全国にも多い「なご」地名【名護】/地名が巻き起こす珍事【恩納の伊武部】/「チンヤンバル(金武山原)」【金武】/二つあった具志川村【具志川】/米軍基地のため戦後独立【嘉手納】/基地の街の象徴【コザ】/かつては越来の中心地【嘉間良】/各地にあった中城地名【中城】/第一尚氏出生の地【佐敷(サシチ)】/「村渠」は村別れの意味【仲村渠】/白銀堂が発祥の地【糸満】/沖縄戦終焉の地【摩文仁】/北のあたりとグスクのあたり【西辺と城辺】 

Ⅳ 地形・水に由来する地名
波之上宮はハナグスク【「鼻」は岬角名】/蛇の意からきた岬名【平安名崎(ピョウナ・ザキ)】/宜野座村のシンボル【ガラマン岳】/八重山の峠【越地】/語源は小坂かくびれか【クビリ】/難読地名「大工廻」【「サク」地名】/八重山で谷や割れ目の意味【バリのつく地名】/名称は似るも地形は別もの【トー原とドー原】/『古事記」にも出てくる地名【ヒラ・坂】/小盆地の谷地地名【幸地・垣】/ハンタから生まれた地名【坂田】 /川でない川【井泉由来地名】/地下水が湧き出る泉【八重山の「ナー」】/樋が掛けられている井泉【ヒージャー】 

Ⅴ 海岸・海地名
海浜地名「ユナ」【与那覇・与那原】/砂地の地名・兼久【カニク】/奄美の「カニク」地名のルーツ【金久】/流されて溜まった土砂【イーフ】/石になった浜【板干瀬】/海の出入り口の澪・津口【ヌー】/港の昔の名前【津・津口】/船のとまるところ【港・湊・泊】/オモロに歌われ琉歌にない言葉【イノー】/瀬戸地名が由来【「シル」地名】/幻の大陸へのロマン【八重干瀬】/海底の地形的高まり【スニ】 

Ⅵ 歴史・民俗を伝える地名
琉球弧のみに残存する地名【オボツ山】/神の足がかりの地【キョウ】/各地の海岸・海に立つ【立神・トンバラ】/「寺」でない「テラ」/王府時代の主要道路【宿道】/競馬だけでないイベントスペース【馬場(ウマーウイ)】 /道路が交差するところ【ツンマーセ】/切り通しの生活道路【ワイトゥイ】/門は門にあらず【ジョウ】/分村・移住の歴史を物語る【宮古島の「添」地名】/全国70%余の米軍専用施設【米軍基地】/基地で消えた地名/市町村合併にみる地名/戦後の埋立地、新たな地名「〜崎」

目次