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【記事応募】吾輩は留学生である

前書き

 吾輩は留学生である。お笑い大学・海外専攻に在籍している。ここの教師は、私の「同僚」である先輩方で、ここで習得できる知識は、「芸人」という領域の知識である。他の大学と違い、ここで留学するため、留学ビザではなく、就労ビザが必要とされている。

 今年の春、この大学の四年目生徒になった。今まで受けた授業を抜粋し、以下授業別のレポートを提出する。

必修科目 マネジメント研究――私は、同期の皆と真逆だった

 私は、大学に入学する前、日本の芸人はあんまり知らなかった。ただ、母国のお笑いが好きで、日本のお笑いがどういうものなのか興味あるから、この大学を志望した。こういう理由を1次面接の面接官に伝えた時、面接官から「へええ」という反応をもらった。「これは不合格だな!」と思ったが、面接官が間違えたかもで、一緒に受験した4人で唯一次のステップに行けて、その後の3回の面接で、面接官それぞれの間違いにより、私は内定された。

 理由は何であれ、入学してから最初に受けた授業は、マネジメント研究だった。いきなりお笑い芸人を担当する私は、彼らのことが全然知らなかった。だが、芸人の皆はすごく頑張っていることをだんだんわかっていた。今までずっと研究してきた彼らのおかげで、日本のお笑い芸人を好きになった。

 私には、同じ時期に入学した仲間たちがいる。皆は大体、日本の芸人が好きなので、芸人のために頑張っていきたい。だが、私は同期の皆と真逆だった。私は、日本の芸人が頑張っているので、芸人を好きになった。

専攻科目 オンラインコンテンツ研究――こういう企画だったら、おもしろいかも

 マネジメント研究という授業は、お笑い大学の必修科目である。あらゆる専攻が様々な授業を設けているが、どんな授業であれ、マネジメントがないと成立できるわけがない。海外専攻が開設したオンラインコンテンツ研究は、主に海外に向けたお笑いコンテンツの展開を中心としている。最近私の研究テーマは、旅行会社とのオンラインコラボである。
 
 旅行することが難しい今、世界中の旅行好きにとっての災難だった。それに伴い、旅行会社も新しい試しをしている。その試しの一つは、オンライン観光である。お笑い大学として、旅行会社とコラボすることで、オンライン観光をもっと面白く視聴者にお届けすることができる。それぞれの領域に詳しい芸人をキャスティングし、視聴者に現地の魅力をお笑いとうまく融合してお伝えすることは、今の研究のピンポイントである。

後書き

 お笑い大学の留学生として誇りを持っていると言いたいところ、私の母校が「異議あり」と言いそうなのでやめた。今在籍しているところは大学ではなく、企業である。今の私は、留学生ではなく、会社員である。それでも、こういうレポートを書きたかった。

 4年目社員になって、あることに気づいた。今の私にとって一番重要なのは、自分がなにをやりたいのではなく、今やっていることを通して、なにを習得できることである。いつか、様々な経験から習得したことを通して、やりたいことがやれるのを言えるため、学生という身分はまだまだ捨てられないものであろう。

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