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性癖語り:おまえもロボットになるがいい

 twitterの方では「あまりロボットアニメには関心ないよ」的なツイートをたまにするけど、正直な話、ロボットは嫌いじゃない。格好良い。強い。ガチャガチャ動く。変形とか合体。それ自体はとても良い。

 しかしロボットがどれだけ格好よく動き回っても、おれの脳内にはそれとは別の覚めた視点がある。すなわち「でも意思主体であるパイロットはコックピットに座ってレバーとか動かしてるだけだよね」という。コックピットに座ってレバーとか動かすのが良いんだという人もいるだろう、というかロボットアニメ好きな人にはそういう人の方が多いと思う。でもおれの感性はそうならなかった。

 人間であるおれがどれだけ望んだとしても、自分自身が格好いいロボットになれる訳ではない…… その諦観におそわれるのが苦手で、ロボットアニメにあんまり興味が沸かないのだ。

 ではトランスフォーマーのようなロボット生命体はどうか? やはり違う。我々はセイバートロニアンではなく、変形とか出来ないので感情移入には断絶がある。

 ここまで読んで「でも人間がロボットになるアニメもあるじゃないか」と思う人もいるだろう。

 そう、それだ。おれが好きなのはそういうアニメだ。

 鋼鉄ジーグ。超神マスターフォース。勇者指令ダグオン。最近ではダリフラが少しだけそれに近い描写をしていた。ロボットを操縦なんてヌルいことは言わない、おれがロボットになるべきなのだ。

 おれがロボットになって背中ロケットで空を飛んだり頭からバァァルカンを撃ったり変形合体したりするのだ。なんという心地よい妄想だろう! 多分こういう感情移入の仕方は変身ヒーロー番組のそれに近く、おれはロボットを変身ヒーローの一種と認識しているのだろう。

 なので、そういうロボットアニメが増えてほしい。人間がロボットになると明確に設定されている作品を。マスターフォースやダグオンみたいにロボットに融合する感じでもいい。ガンダムなんかそろそろ変り種を出してもいい頃じゃないか。

 映像描写として大事な点は、ロボットになってる最中はあまり人間としての姿を画面に出さないことだ。イメージ映像として重ねるぐらいならいいが、あまり人間の姿だけを見せすぎるとロボットとパイロットが物理的に別であるかの様に見える。

 近い話として最近のウルトラマンは「中の人」がアイテムを操作するシーンが多く、まるでロボットを操縦している様だ。「変身している」という感覚が削がれてしまう。その点、ダリフラは女性パイロットの意思がフランクスの顔で明瞭に表現されており、変身ではないがロボットと操縦者の一体感がつよくて良かったです。

 そして、もうひとつ大事なことを挙げよう。ヒロインだ。

 ジーグもダグオンもヒロインはロボットにならなかった。マスターフォースにはミネルバがいた。ミネルバのなんと素晴らしいことか。

 初めてロボットになったヒロインは硬質な体の感触に驚き……機械仕掛けの視界に戸惑い……やがて悦びを覚える……そしてロボットになるということは大抵敵と戦う直前なので、彼女は訳が分からないながら正義感に突き動かされ戦う。

 そして必要に迫られ「変形」を果たす。ヒロインは人間では有り得ない変化の感触に驚き……乗り物とか動物型になった自分の体に戸惑い……やがて悦びを覚える……それはともかくとしてやはり戦う。

 最後には「合体」が待つ。ヒロインは人間では有り得ない変化の感触に驚き……他のロボット(場合によってはそれも人間が変身している)と一体になる感覚に戸惑い……やがて悦びを覚える…… そういうことだ。わかったか。

 覇界王みたいにダグオン続編小説やらないかなー。

 なお「おまえはガルパン好きではないのか」という声もあるかも知れないが、戦車はロボットではない。戦車は格好いいがそれはあくまでWEAPON……感情移入の対象は操縦する人間に絞られシンプルだ。ペパロニかわいい。

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