マイ逆噴射ヒーローズ

第2回逆噴射小説大賞に投稿した800文字小説の解説と主人公とか

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タピオカ侍、殴りて候

 ペリーが来た時に開国しないでいたらみんな呆れて帰ってしまい21世紀にもなって幕府が続いているガラパゴスジャパンの物語。江戸時代みたいな文明が広がっている一方で諸外国から先端機器が密輸されてたりもする。

 タピオカ侍こと主人公は山田 輝星(やまだ きらぼし)。親から貰った名は輝星(シャイニングスター)だったが流石にどうかと思い改名した。しかし輝星(きらぼし)という名を「キラキラしてて良い」と思っているのでセンスは五十歩百歩。
 侍と呼ばれているが刀は持たず、夢倣流(むほうりゅう)という徒手武術を駆使し荒事を切り抜ける。どこからか手に入れた自販機大のタピオカミルクティー製造機を背負って旅をしており、多少なりと関わった相手には敵味方問わずタピオカミルクティーを振る舞う。本人もタピオカミルクティー中毒であり、しばらく飲まないでいると死にそうになる。


呪導鎧ベニテング

 呪科学と呼ばれる技術が世界的に発達したパラレルワールド。どこからともなく現れる正体不明の怪物クラビキが人類の恐怖となって百余年、若き士(サムライ)・迅駆丸は巨大な呪導鎧ベニテングを駆って今日も戦い続ける。

 主人公は迅駆丸(じんくまる)。本文の通り幼少期にクラビキの襲来に遭って母を失い、復讐心と使命感を燃やして士に志願した。しかしタイトルにもなっている呪導鎧に興味があった訳ではなく、たまたま素質があった為に纏装者として選ばれた。

 呪導鎧はいわゆる巨大ロボット。大型のクラビキと戦う為に人類が開発した「呪術で動く鎧」。日本だけでなく世界中で製造されており、各地で相応の呼び名がある。
 呪導鎧の全身には震血(しんけつ)と呼ばれる液体が流れており、人間の精神波に反応して動きを変える性質を持つ。震血を感応させられる精神波長を持っていることが纏装者の素質にあたり、ざっと千人に一人か二人といった割合である。
 この震血の働きによって呪導鎧の手足は纏装者の思考や癖を再現する様に動く。つまりクラビキとまともに戦うには纏装者自身が高い戦闘技術を見につけなければならず、その点では小型クラビキと戦う生身の士と変わりは無い。

 クラビキは「沼」と呼ばれるタール状のわだかまりから這い出る様に出現し、主に人間と文明を狙ってひたすら破壊を繰り返す。殺めた死体を沼に引き摺り込む習性があるため、犠牲者数の特定は難しい。(尚、クラビキという呼び名は「暗いところに引き摺り込む」ことが由来とされている)
 固体のクラビキは単純に体の大きさから小型・中型・大型に分類され、小型は(相応の犠牲を覚悟すれば)歩兵で討伐可能、兵士の練度や作戦次第で中型にも対処できるが、大型は純粋にその質量から生身で太刀打ちするのは不可能である。呪導鎧の簡潔明瞭な目的は、対等の大きさを持つ兵士として大型クラビキと戦うことである。
 クラビキは通常の生物と同じく、体を大きく損傷すれば活動停止に至る。”死んだ”固体は即座に沼と同じタール状に液化、「どこか」に吸い込まれる様に消失するため死骸を調査研究することは不可能である。しかし体の損傷に伴って噴出した体液(=生き血)は沼と異なる物質であるらしく、本体が消失してもこの世に残り続ける。この体液がクラビキ研究の唯一の足掛かりである。(呪導鎧の震血もクラビキの体液を加工したものらしい)


大和正伝紀 ~教科書が絶対に載せない真実の歴史~

 トンチキ江戸時代。史実とか時系列とか関係なくメチャクチャな登場人物で送る貴種流離譚。トップ画像が桜だとなんか偏ってる感じするよね。
 平将門(江戸時代にはいない)に討ち取られた徳川吉綱(いない)の子供がなんやかんやで将門を倒し幕府を復興するストーリー。

 主人公は劉備(りゅうび)。三国志の劉備とは微塵も関係ない。貿易都市・長崎の中国拳法道場にて修業に励む少年。ある日、父から自分が徳川吉綱の子供であることを知らされ、将門に支配された日本を解放するために戦うことになる。戦闘スタイルは中国拳法(気とか飛ばす)が基本だが、場面のノリでどんな武術・格闘技でも習得する。

 ラスボスが将門なのはイメージできるので、応募作品のうち一作を最後まで書けと言われたら完結可能性が最も高いのは大和正伝紀だと思う。

 なお、noteカウントではこれで1807文字。

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