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騎手の成績 2023年5月

いろんな意味で衝撃的なダービーから数日経ちましたが、未だに落ち着かないですね。なんであんな結果になったんだろう。前週のオークスと比べると2秒近いタイム差が付いた近年稀に見る低レベルなダービーでしたが、原因を作ったのは坂井瑠星の落馬かなぁと思います。外枠でしたし、逃げて粘るのは得意な騎手ですから、田辺と一緒にレースを引っ張る役だったハズでしたが落馬で田辺が自由にペースを決めれたのが大きかったかなぁ。それに加えてレーンが勝ったことも、スキルヴィングが亡くなったこともショックですし、今週末までに立ち直れるでしょうか・・・


■5月期リーディング&通算リーディング


5月期はやはり東京大好きルメールの独擅場となりました。2月期の大爆発には及ばないものの19勝を挙げ、3着内率0.553は騎乗数を絞らない騎手としてはかなり優秀です。ここ数年は2018年の3着内率0.580をピークに徐々に数字を下げており、『馬券に絡む』という点から見れば川田にトップの座を譲って久しいですし、年間重賞勝利数も昨年ついに川田の後塵を拝することとなりました。

しかし、今年はまだまだ道は明け渡さないとばかりにリーディングでも重賞勝利数でも肉薄しており、策を弄して数字を良く見せている某とは格の違いを見せているように感じます。


リーディングトップの川田を交わして5月期2位に浮上したのが推しの坂井瑠星です。米国遠征で1週無駄にしたものの、一日複数勝利を重ねた結果、ここまで勝利数を稼いだわけですから立派です。土日で競馬場が違うことも多いですし、信頼されてあちらこちらで依頼されていると思いますが、重賞勝利がフェブラリーSのみと寂しい点はこれから頑張っていきましょう。


3位の川田は調子こいた結果、成績を落としましたね。5月期は他の月と比べて2週多いのですが、数字的には減速した4月期と変わらず、0.773もあった3着内率は0.463まで落としました。4割減ですよ?4割減。一時が凄すぎたからと言い訳することもできますし、落としてもなおこの数字だとも言えますが、ドバイまでの3ヶ月間とドバイ後の2ヶ月間を比べると落差が激しすぎます。

オークスでの発言がアホなマスメディアなどで持て囃されていますが、ああいう八百長紛いのことをしないと勝てないんでしょうか。馬のためだとか、出遅れの無い公平な競走を、とか色々言われますが、オークスよりかなり静かだったダービーは、綺麗なスタートどころかチャカチャカした馬あり、出遅れあり、落馬あり、接触ありのバラバラのスタートでしたよね。歓声を静かにする意味がどれだけあります?たまたまリバティアイランドが強くて、たまたま上手いことスタートが切れたオークスだけを見て、彼の発言が正しかったというのは短絡的過ぎますし、木を見て森を見ずになってませんか。上半期はあと2戦GⅠがありますが、そこでも同じようなスタートなら川田の発言は自分の馬のための発言と捉えられても仕方ないと思いますよ。

中日スポーツによれば、

ゲート内は競馬を行う上で最も危険な場所。そこで大歓声が耳に届けば、興奮して立ち上がったり、くぐり抜けようとしたりする馬が出てくる。大きな事故が起こるかもしれないので、JRAとの話し合いを重ね、その上で日本騎手クラブ会長である武豊に相談を持ちかけ、許可を得て、あの発言に至った。

とのことですが、これも後付けで出した言い分っぽいですよね。だったら騎手会からのお願いという形で、武豊会長の名前で要請するのが組織として、一般社会としての筋ではないでしょうか。しかも、これまで100年を超える長い日本競馬の歴史の中でも、ゲート内で立ち上がったり、くぐり抜けたりする馬居ましたけど、騎手も調教師も「それも競馬だから」と発言してきたじゃないですか。いつから考えがガラリと変わったんですか。

だいたい川田の発言の中に『3歳牝馬の繊細な女の子たちが~』という部分がありましたが、事前にJRAや騎手会に相談していたのであれば、オークスに限定した言い方はおかしいですよね。それなら牡馬ならセーフなんですか?古馬GⅠはどうですか?重大、かつ異例の発言である以上、一言一句、慎重な言い回しをするのが普通ですが、たまたまそうなったんですか?

それに静寂の中から発走した直後に急に大歓声が来たら馬は驚くでしょう。それによって急に斜行したり、落馬に繋がったら大事故に繋がりますよね。馬を興奮させたくないと声高に叫ぶのであれば、レース中に歓声を送るなと言うべきです。直線でもウイニングランでも一切喋るなと言うべきです。でなければ大きな事故が起こるかもしれないのでしょう?

というか『大事故が起こるかもしれない』なんて言い分は、まるで野党や活動家の言い分ですよ。それほどゲートが危険だと言うなら曖昧な感情論で要請せずに、騎乗者の意に反して発送委員が鞭を打つ行為も、ゲートボーイの非導入も、年間でゲートをくぐり抜ける馬やゲート内で立ち上がった馬の数も、危険だと思われる事象について数字を示して、理解、検証、検討をJRAやファンに求めていくのが最適解でしょう。

まったく叩けば叩くほど埃が出る感じですね。日本競馬の歴史・文化・伝統を蔑ろにし、社会通念上まったく筋が通っていない上に、公正競馬を抵触するような発言だと個人的には思います。もう既に川田個人の問題ではなく、JRAや騎手会も巻き込んだ問題になってないかな。マスメディアも短絡的な報道に終始せず、様々な角度から議論を重ねるような報道にしてもらいたいですね。


なんだか長くなりましたが、閑話休題、4位へと続きます。


4位に入ったのが4月期未勝利だった菅原です。3月18日に勝利して後、次の勝利が4月22日とは誰も思わなかったでしょうね。完全にスランプだったのに、開幕週で5勝した勢いで13勝(内重賞2勝)を挙げる活躍を見せました。いやぁ~長かったなぁ。先月は私が推したからこんなになったのか・・などと落ち込みましたが、復活してくれてよかったです。夏競馬が始まる前にきちんとリズムを整えてもらいたいですね。


5位に入った武さんも何気に復活した組の一人です。4月期はGⅠこそ勝ったものの5勝のみで心配になりましたが、今月は重賞を含む13勝とさすがの腕前を見せつけました。重賞でも人気馬に乗れば3着内率0.714とルメール並みの数字ですし、川田の同0.524と比べてもその優秀さが分かります。こうやって様々な数字を集めていると、なんだか川田の化けの皮が剥がれたような気がしますねぇ笑


最後に9・10位の佐々木、菱田ですが、この二人は新潟リーディングを争った2人ですね。それぞれ7勝、8勝を挙げて菱田がリーディングを獲りましたが、佐々木は最終週の東京で16番人気を勝利に導いていた分、なんとか菱田に追いついて2着の差で上回るという大接戦でした。しかも、3着までに入った数まで同数であり、2着の数だけが1回上回っただけですからねぇ。稀に見る接戦に陰ながらワクワクしました。猛蔵と同じく関東に面白い新人ですし、注目していきたいですね。


■重賞成績

今月も相変わらず上位騎手が良く勝ちましたが、その中でも驚きが内田ではないでしょうか。また5・7番人気で2勝を挙げた菅原や、高松宮記念に続いて福島牝馬Sを勝利して勢いに乗りたい団野大成など面白い面子が揃っています。逆に横山武や松山、坂井瑠星などのリーディング上位組が未勝利に終わり、奮起を期待したいところ。

また、さきほどちょこっと書きましたが、1~3番人気という人気馬に騎乗した際の成績を出してみました。

とりあえず2勝以上している11人をピックアップしてみたのですが、これを見るとルメールの凄さが良く分かります。勝率はともかく馬券に良く絡むので人気馬の場合は狙いやすいですよね。武さんもそこまで騎乗回数が多いわけではないものの、強い馬に乗せればさすがの勝率です。

しかし、リーディングトップである川田は人気馬を飛ばしまくりという印象がありますねぇ。騎乗数が21回とルメールの22回に次ぐ回数であることを差し引いても、3着内率が6割を切るのかぁ~というのが第一印象です。1番人気のみではなく2・3番人気を含むとはいえ、負け過ぎという感じもしますし、浜中の方がマ・・・シかもしれません笑 まぁルメールには完敗という数字を見ると、やはり川田は策を弄して数字を挙げてやっと体裁を保っているように見えますねぇ私には。


■記録

幸英明 『史上最速の通算2万3000回騎乗』
津村明秀『JRA通算600勝』

幸が更新した最速記録はもともと武さんが持っていた記録で、詳細はこんな感じです。


デビューからの掛かった日数
・武さん 34年5ヵ月7日
・幸   29年2ヵ月9日(約5年3ヵ月更新)

達成時の年齢
・武さん 52歳4ヵ月24日
・幸   47歳4ヵ月2日(約5年更新)


普通に考えて早いですよね。ただでさえガンガン乗れるトップジョッキーの記録を抜くわけですから、毎週結構な量を乗らないと追いつくこともできませんが、彼は年間最多騎乗数の記録(1081回、2012年)を持っている上に、2010年、15年、17年にも年間1000回を超える騎乗数を記録しているため、気が付いたら追い越してたくらいの感覚なんでしょう。

というか、この2003年から昨年まで20年間連続年間50勝以上という記録も地味にヤバイです。数乗っているから勝ち星も多いのは分かりますが気が付いたら毎年のように重賞勝って、たまにGⅠ勝って、気が付けばリーディング10位くらいに居るんだから怖い存在ですよ。彼が居なくなったらその分の乗鞍はどこに割り振られるんでしょうかね。考えただけも混乱しそうです。

それから津村は今年20年目を迎えるベテランで、川田の同期です。同期の中では一番技術があったと言われているものの、気が付けば関西2人と関西に拠点を移した1人に大きく差を付けられています。しかし、関東リーディングでは上位10人に入りますし、なんと言っても14勝している重賞全てがGⅢという面白い記録も持っています。下手すりゃ三浦や北村宏、丸山などが引退しても乗ってそうですし、まだまだ記録を伸ばしていってほしい存在です。


■騎乗停止

酒井学   4月23日京都で5月6・7日の開催2日の騎乗停止
小沢大仁  5月20日京都で6月3~11日まで開催4日の騎乗停止


酒井学は、鞭の使用でも制裁食らっているように、直線での鞭の使い方がよろしくありませんでしたね。人気薄で先頭だったので必死に鞭を振るうのは良いにしても、それで馬がフラフラしちゃイカンでしょう。良く言われるのは『競り合いになったら鞭を打つより追え』ですが、それはこういう部分もあるからなんじゃないかなぁと勝手に思っています。


それから小沢は結構前をカットしていて、被害馬の鮫島克は完全に鐙が外れて落馬寸前でしたから騎乗停止も止む無し。カットしておいて後ろを気にする様子が一切ないのも余裕がないのかなぁと思います。同期の猛蔵と2年連続で競り合うライバル関係ですが、どうも最近はGⅠにも乗れるようになった猛蔵との関係に焦っているのでしょうか。もう少し精進して欲しいです。


また、騎乗停止ではありませんが、大久保友雅騎手が5月21日新潟で斤量超過のため、斤量を変更の上騎乗しました。これにより過怠金10万円が課せられました。背の高い子とはいえ、さすがに木曜に地方で乗っていた斤量に日曜の朝一で乗れないというのもどうかなと思いますねぇ。岩田Jrとかもそうですが、近年は特に軽斤量に乗れない若手が増えており、そうした対策のために今年2023年から斤量を増やしたんですが、それでも足りないというのでしょうか騎手である以上、斤量を守るのは最も守らないといけないルールですから、原因はひとえに慢心でしょう。


なお、例のスマホ不正使用の6名については別記事を上げていますので、そちらをご覧ください。


■その他

そういえば岩田Jrが5月4日付で藤原英先生を離れてフリーになりました。何かあったような噂はチラホラ聞きますが真相は分かりません。4月23日以降に弟子を一切乗せていませんし、不穏な空気が無いわけではない微妙な空気なんですよね。

転向時の成績は43-36-28-199で重賞1勝、通算では347-323-315-2308で重賞3勝でした。5月期までの成績は49-43-35-244ですので、ひと月で6-7-7-45ですか・・・何とも言えない数字ですね。影響が無いようにも見えますし、徐々に見えてくる点もありそうですし・・・まぁ元々実力に疑問符がある騎手だと思っていますから、フリーになって支援してくれていた人が居なくなった時に実力が分かるのではないでしょうか。


また、4月21日付で鮫島良太がフリーから安田翔厩舎に、大久保友雅が池添学厩舎からフリーに、それぞれ所属変更しました。鮫島兄はそろそろ引退でしょうか。翔伍先生のところで調教助手になるのかな。もうちょいできそうな感じもあるんですが。


大久保友雅は、祖父がブライアンを育てた私の嫌いな大久保正陽先生、叔父は大久保龍志調教師、遠縁に大久保洋吉先生、父は調教助手という競馬一家の5代目なんですが、単純にアホなボンボンってイメージなんですよね。悪い噂は結構流れてきますし、2年目の春にフリーになるって師匠から破門言い渡されるみたいなもんでしょう。同期の角田河、今村がやらかしているのもあって、この世代の印象は良くないですね。猛省してください。


最後に竹之下銀行頭取の竹之下智昭騎手が5月20日をもって引退されました。う~ん・・残念という言葉しかないですね。いつも応援しているというわけではないのですが、四半世紀の騎手人生で100勝にも届かないのに現役を続ける姿勢には感服という他ありません。後世の人たちには知られる事すらない騎手かもしれませんが、騎手であるあなたを長く見続けた者としては忘れられない騎手の一人であることは間違いありません。どうか安らかに・・・って死んでねぇんだ!!!!危ねぇ危ねぇ、ダービーであんな事があったからついつい・・・いけませんね。引退後は千田厩舎で調教助手になる予定とのことです。どこかの競馬場でチラッと見れるかもしれませんね。その時は元気な姿を見せて下さい。


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