「物思いにふける」には最適な月

こんにちは。ぼーんぐんです。

みなさんはＮＨＫの番組「ドキュメント７２時間」をご覧になった事はあるでしょうか。ある1つの場所で７２時間にわたり取材を行い、その場所で見られる人間模様を定点観測している番組なんですけど、それぞれの人間臭いドラマが一瞬だけ切り取られるんです。

その番組を見ていますと、人は生きて行く上で何が大切なんだろうかって感慨に耽ってしまうんです。

みなさんは、ご自身の今まで歩んでこられた人生を振り返る事がおありでしょうか。社会情勢が目まぐるしく変わる現代です。生き方に正解は無いとしても少しでも先に思いを残さない為に今こそご自身を振り返る時間を持つべきではないでしょうか。そのように感じてしまいます。

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「ドキュメント７２時間」では毎回名もない一般の人たちが、懸命に生きている姿を映しています。病気を患っていたり、離婚歴があったり、複雑な生い立ちの方や、無職の方など偏見を持たれやすい人がカメラの前で自分の置かれた状況をポツリポツリと話し出します。

決して上手に話す方ばかりではありませんが、そこには嘘がないため、すっと気持ちに寄り添えるんです。男も、女も、大人も、子供も自分の世界で懸命にもがいています。ですから、毎回、胸が締め付けられるように切なくなり、社会の片隅にこんな光景があるんだと感動するのです。

そして我が身を振り返ります。

決して立派とは言えない凡庸な自分の姿を。

番組の登場人物と大差のない自分に気づかされ、自分はみんなの様に素直に飾らない言葉で話せるだろうか、適切に自分をとらえているだろうかと。また、人前に無防備な自分を晒せる勇気があるだろうかと。

そして「幸せの源泉」について考えます。

うーん

番組の終わりには、松崎ナオさんの歌声で、テーマ曲の「川べりの家」が
流れるんですけど、それがまたいいんです。その曲を本当は聴いてほしいんですが、ここでは歌詞だけ紹介します。

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大人になってゆくほど　
涙がよく出てしまうのは

1人で生きて行けるからだと
信じて止まない

それでも淋しいのも知ってるから
あたたかい場所へ行こうよ

川のせせらぎが聞こえる
家を借りて耳をすまし

その静けさや激しさを覚えてゆく

歌は水に溶けてゆきそこだけ水色
幸せを守るのではなく分けてあげる

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せつない曲調と声で、じわっと心に染みてきます。そして番組を見たあと、ぼーと何も考えず大袈裟じゃなく泣きそうになる回もあります。この番組は関西では毎週金曜日の２２時４５分から視聴できますが、今はコロナの影響から中断しているときも多いですね。

私が好きな過去放送３選を紹介しますから、NHKのアーカイブを視聴できる方は是非確認してみてください。

【選１】「赤羽 おでん屋エレジー」

気取らない居酒屋が建ち並ぶ赤羽の一角「立ち飲みおでん屋」が７２時間の舞台。ひとり朝酒を楽しむ夜勤明けの警備員から、家族におでんを買って帰る母親、居酒屋をハシゴして赤羽の夜を楽しむサラリーマンまで。寒風吹きすさぶ空の下、肩を寄せ合っておでんを頬張る男女たちのドキュメント。

【選２】「秋田 真冬の自販機の前で」

突風が吹き荒れる1月の秋田港の片隅。古びた1台のうどん自販機が舞台。そのぬくもりを求め24時間客が絶えない。吹雪の中で麺をすする親子。深夜星空を見上げる運転代行業の男性。極寒の中で食べるうどんから、数々の人生が浮かび上がるドキュメント。

【選３】「京都、静かすぎる図書館」

秋の京都。私語厳禁の図書館が舞台。ただひたすら静寂を守りブースに向かう人々。その事情はさまざま。変化が激しい業界で生き抜こうとする人。再就職を夢見る人。明確に将来の目標を掲げる小学生も。見知らぬ者同士なのに不思議な連帯感がある。“現代人の孤独との距離感”を考えるドキュメント。

他にも、
・「駄菓子屋 子どもたちの小さな宇宙」
・「それでもバイクで走る理由」
・「宮崎 路上ピアノが奏でる音は」
・「大阪・西成 24時間夫婦食堂」
・「“サバゲー”を生きる人たち」
・「東京・阿佐ヶ谷 金魚の池のほとりには」
・「熊本・阿蘇 10年に1度のバイク撮影会」
もいいですよ。

人は感謝の気持ちを忘れがちです。自分ひとりで生きていると錯覚するのです。でも決してそうではありません当たり前なんてないんです。

自身の健康、家族の支え、ペットの癒し、仲間の存在など。また職やお金もそうです。失ってみて初めてその有難さに気付くものなのです。

「ドキュメント７２時間」に限らず人の生きざまに触れることは、「幸せの源泉」について考えるキッカケになります。大切なのは、自分で感じ自分で考える事です。誰かのお仕着せであってはなりません。

幸い９月は「長月」。「物思いにふける」には最適な月ですね。さあ、みなさんは如何お考えでしょうか。