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DJ Boonzzyの選ぶ2022年ベスト・アルバム:30位~21位

さてDJ Boonzzyの2022年ベスト・アルバムランキング、いよいよ年も押し詰まってきたのでどんどん行きましょう。次は21位から30位です。

30.Renaissance - Beyoncé (Parkwood / Columbia)

毎年そうですが、「A. その年の音楽シーンを文化的に代表するアルバム」と、「B. 作品としてその年のアルバムの中でも傑出したと多くの人に評価されるアルバム」と、「C. 個人的にその年のアルバムの中でも好きでよく聴いて作品として評価できるアルバム」、というのはどれも違うわけでして。このDJ Boonzzyの2022年ベスト・アルバムランキングはご存知の通りこの中ではC.のランキングですので、もちろん作品としてのクオリティの高さというのは一定以上選択の基準にはしていますが、A.やB.で挙げられる作品でどうもC.の観点からは上位にはランキングできないよね、というのは毎年あるわけです。今年でいうとビヨンセのこのアルバムがその典型。もちろん楽曲やアレンジも一流のスタッフによる作品で、ビヨンセも歌は巧いので、一般的なR&Bアーティストの作品としては標準以上であることは間違いないです(だから一応自分のランキングにも入れた)。ただね、自分にはなぜビヨンセが今、四つ打ちのハウスっぽいダンスミュージックをやるかの必然性がさっぱり理解できなかったんです
Cuff It」なんてダンスビートがカッコいいから、ビヨンセでなければ今年の年間シングルランキングの上位に入れたと思うんですけど、なぜビヨンセがこれやらなきゃいけないかがよくわからない。黒人の歴史と文化を取り巻く状況を歴史的、哲学的、宗教的かつ一般のアフリカン・アメリカンの視点から見事に描いて見せた2016年のアルバム『Lemonade』は、おそらく80年代以降のブラック・アーティストによる作品としてはトップ10には絶対入る名盤だと思うのだけど(そしてあの年のグラミー賞最優秀アルバムはやはりアデル本人の言葉通り、アデルではなくてこのアルバムが取るべきだったお思うけど)、それに続くソロオリジナル作がこのダンス・ミュージック・アルバム?というのがどうも引っかかってましてね。でもこのアルバム、ローリング・ストーン誌やあの気難しいピッチフォークを始め、各音楽メディアの年間アルバム・ランキングの軒並み1位ですよ。さっきも言ったように、作品としてはR&Bアルバムの標準をかなり超えてると思うけど、えー?ビヨンセのこのアルバムが軒並み1位ってどういうこと?と、自分の中のひねくれ虫が大いに異論を唱えてるんですわ。なのでこのアルバムのファンの方には申し訳ないけどこのアルバムはこれくらいの順位と。他でも書いたけど、最近出たSZAのアルバムとかの方が遥かに自分的には優れたアルバムだと思います(SZAは12月年末ギリギリにリリースだったので、来年のランキングの対象に入れる予定です)、

29.Special - Lizzo (Nice Life / Atlantic)

一方、シングル「Truth Hurts」(2019)のナンバーワンと第62回グラミー賞最優秀ポップ・ソロ部門の受賞や「Good As Hell」(同最高位3位)の大ヒットでブレイク、アフリカン・アメリカンで女性で太めの体型という古い常識ではメインストリームの成功にはチャレンジでしかない状況を自らの誇りとし、同じようなチャレンジで悩む多くの人々に勇気を与える存在として一気にメインストリーム・ブレイクしたリゾ。3年ぶりに満を持してリリースされたこのアルバム、全編通じてリゾというとてつもなく愛とポジティヴィズムに満ちた人のヴァイブがビンビンに感じられる、とってもパーソナルでありながらスゴい普遍性を持った一級品のポップR&Bアルバムに仕上がってて、とにかく聴いてて気持ちいいですね。

2曲目の全米ナンバーワンとなった、ナイル・ロジャースばりのカッティング・ギターが冴えるダンスフロア・ナンバー「About Damn Time」のプロデュースが実はLAヒップホップ・ジャズ・シーンの立役者の一人、テラス・マーティンだったり、「Break Up Twice」では途中でローリン・ヒルの「Doo Wop (That Thing)」のサビのバックトラックが登場したり、アルバムラストナンバーの「Coldplay」がまんまコールドプレイの「Yellow」をサンプリングしてたりと、サウンド面も結構作りこまれていてニヤリとする場面も多いのに、表面上はすーっと流れる軽快なポップR&Bアルバムになってるのもやるなあ、という感じ。そして何よりもアルバムタイトル曲では、ブラックで体格のいい自分に対して「もし今日誰もまだあなたに言ってなかったら言うわ/あなたは特別!/もし誰もあなたにそう思えないような仕打ちをしたなら言うわ/あなたは特別!/何があってもあなたをずっと愛してる/あなたは特別!/まだ一緒にいてくれてうれしい/ひどい仕打ちを受けてボロボロかもしれないけどあなたは完璧よ」という、彼女のこのアルバムにこめたメッセージがストレートに歌われているのがいいよね。今年いろいろ大変なことがあった時に聴いて元気をもらったアルバムの一つでした。

28.Dawn FM - The Weeknd (XO / Republic)

前作『After Hours』がグラミー賞ノミネーションから完全外されたことで憤慨してグラミーと訣別したザ・ウィークンドが、その大ヒットアルバムの次にリリースしたこのアルバムは、全体を通じて「103.5ドーンFM」というFMステーションにリスナーを誘い、作品を通じて楽曲のレベルは高く、ザ・ウィークンドのドリーミーで催眠的なトラックや、シティ・ポップを思わせるようなキャッチーなメロディのトラックや、そしてシンセが刻むダンス・ビートに乗ったトラックなどでザ・ウィークンド・ワールドが展開されるというもの。そしてその狂言回しのMCを務めるのが人気コメディアン兼俳優のジム・キャリーという、なかなかコンセプト的にも構成的にもよくできたアルバム。自分なんかは前作のあの血みどろのビジュアルとか、全体的にやたらテンションの高い楽曲の多い構成がトゥーマッチだっただけに、このアルバムはすっと入っていけてかなり楽しめたな。

中でも我々日本のリスナーに取って特筆すべきだったのは、日本の80年代シティポップ・シンガーソングライターの亜蘭知子1983年のアルバム『浮遊空間』収録の「Midnight Pretender」のメロディラインをほぼそのまま忠実にサンプリングしたシングル「Out Of Time」(最高位32位)。これが他のアルバム収録のシンセポップ曲やダンス・ポップ曲と誠に違和感なく一体感をもって聴けるというのはやはりザ・ウィークンドのアーティストとしての懐の深さを証明してるような気がするね。映画『イカゲーム』に出演してた韓国人女優チョン・ホヨンとこの曲をカラオケで歌うというPVのアイディアも楽しかった。あたかも103.5ドーンFMを通じて、異空間のクラブかどこかでザ・ウィークンドがパフォーマンスしているのを聴いている、といった風情が独得の魅力を発揮してる作品でした。

27.Dance Fever - Florence + The Machine (Polydor)

フロレンス・ウェルチのシアトリカルで様式美を巧みに使ったインディ・ロックの意匠でありながら優れたポップ・センスの楽曲とアルバムは、デビュー盤の『Lungs』(2009年全米14位、全英1位)の頃からかなり好きだ。なのだけど、そのファーストとセカンド『Ceremonials』(2011年全米6位、全英1位)のプロデュースを担当していた、その後アデルの仕事でつとに有名になったポール・エプワースと3作目『How Big, How Blue, How Beautiful』(2015年英米1位)で袂を分かち、アーケイド・ファイアの『The Suburbs』やマムフォード&ザ・サンズの『Babel』のプロデュースで立て続けにグラミー賞最優秀アルバムを受賞していたマーカス・ドラヴスと組んで見事に商業的には成功していたのだけど、この辺から自分的には何となくちょっと違う感があって、続く4作目『High As Hope』(2018年英米2位)はちゃんと聴いてないしアルバム買ってもいなかった。今回のリリースを聴いて最初はどうしようかな、と思ってたけど、テイラーの3部作やラナ・デル・レイなどを手がけてここ数年の音楽シーンの重要プロデューサーの一人であるジャック・アントノフと、更には『Ceremonials』の頃に何曲かフロレンスと曲を書いていて、今年はハリー・スタイルズの傑作ポップ・アルバム『Harry's House』を手がけたキッド・ハープーンがプロデュースしてると聴いて俄然興味が湧いて聴いたところ、これがなかなか良かったのだ。

ある意味『Lungs』の頃から一貫して提示され続けていたシアトリカルで、アーティーで、アンセミックで、そしてビートの効いたケイト・ブッシュ的な音楽的世界観が今回久しぶりに満喫できる、そんな作品になっていて、オープニングの「King」からいきなり引き込まれた。何しろ本国UKでは、これも今年の重要アルバムの一つであるケンドリック・ラマーの『Mr. Morale & The Big Steppers』を押さえて堂々全英1位を決めたくらい、そのシーンにおける存在感を改めて印象づけたこの作品、音楽メディアの評価も高く「King」は今回新設された第65回グラミー賞の最優秀オルタナティブ・ミュージック・パフォーマンス部門にもノミネートされるなど久々に注目を集めてます。ケイト・ブッシュがリバイバルした今年、あの世界観が気に入った若いファンにも改めて聴いてもらえたらいいなあ。

26.American Heartbreak - Zach Bryan (Belting Bronco / Warner)

自分が今毎週ポストしてる全米アルバムチャートの初登場作品を解説するブログ「全米アルバムチャート事情!」をやり始めてもう4年目に入ってるけど、これをやっててありがたいのは、ジャンルに関係なく普通に自分のアンテナには引っかかってこないようなアーティストも否応なしに聴くことになって、そこで往々にして珠玉の作品や素敵なアーティストに巡り会うこと。そしてこのザック・ブライアンもそうやって巡り会ったアーティスト。新人なのにいきなり3枚組、全34曲という大作でデビューしたオクラホマ出身のザックがこの大作に収めているのは、本人曰く「今のアメリカで26歳の男であることの痛みや愛情、喪失感、嫌悪や許しなどの思いを作品にしてみた」という、基本アコギ一本でシンプルに様々なストーリーや感情を綴る楽曲の数々で、これがちょうどフォーキーな中にもロック・スピリットがみなぎっている、アコースティックな時のジョン・メレンキャンプみたいで、自分は彼の音楽を「ハートランド・フォーク・ロック」と呼んでます。

とかく最近のカントリーは、やたら白人至上主義的で分断をあおるようなメッセージを歌うヤツや、黒人差別発言で干されたのにブラック・ミュージックにすり寄るような楽曲やって知らない間に人気を取り戻してるような輩が変にチャートに昇ってくることもあって気分悪いことも多いのだけど、このザックのように伝統的なストーリーテリング・スタイルの曲を語るようにシンプルな演奏で歌いながら、間違いなくロックを感じさせてくれるようなアーティストがいてくれるとアメリカの音楽の良心を目の当たりにするようで思わず応援したくなるね。これまではデジタルとストリーミングのみのリリースだったんだけど、今月やっとヴァイナルがリリースされたのでいそいそと発注しました。正月にザックの歌をヴァイナルで聴きながら酒が呑めるとうれしいな。

25.Unlimited Love - Red Hot Chili Peppers (Warner)

フロレンスもそうだったけど、レッチリも『Californication』(1999年3位)や『Stadium Arcadium』(2006年1位)の頃までは結構熱く聴いていたのだけど、その後のアルバムは何だか食指が動かなくて、ろくにちゃんと聴いてなかった。よく考えたらそれってギターのジョン・フルシャンテがバンドを離れた時期以降のことだったってことに、今回の新作リリースにあたって「15年ぶりにフルシャンテがレッチリに復帰!」というのを聴いて初めて気が付いたのだった。やっぱりバンドというのは最強ラインアップが一部でも変わったり欠けたりすると、それまでのケミストリーから生まれる作品が好きだったファンとするとやはり今一つのめり込めなくなる、そういうことだったんだろうと思う。ダイアモンド・デイヴのいないヴァン・ヘイレン、リンジークリスティーンのいないフリートウッド・マック、みんな一緒だよね。

だいたい今回はジャケがいい。何だかこのネオンのジャケみるだけで中身が期待できてしまう。そして、シングルリリースされるやいなやロック・エアプレイ・チャートを14週間1位独走したアルバム冒頭の「Black Rain」で、キーディスのボーカルとフルシャンテのギターが聞こえてきた瞬間にあの『Californication』を聴きまくっていた頃が脳内再生されて、正にレッチリ節というのふさわしい曲だったからやあうれしかったなあ。チャドのドラムスとフリーのベースの産み出すビートもあの頃からは少しだけ円熟味を増してるけど相変わらず力強くて元気が出る。久々にのめり込めるロック・アルバムを届けてくれたレッチリに感謝。この後彼らは同じセッションの残りの曲を集めた今年2枚目のアルバム『Return Of The Dream Canteen』をリリースするのだけど、今年のレッチリの最高なパフォーマンスはこちらのアルバムに凝縮されてますね。

24.Dropout Boogie - The Black Keys (Easy Eye Sound / Nonesuch)

ここのところプロデューサー業や自分のレーベル、イージー・アイ・サウンドからレトロなパワフルさが魅力のR&B女性シンガー、ヨーラ(Yola)を売り出したりと、自分のバンド活動以外の方が忙しかったダン・アウワーバック。昨年出た10作目のアルバム『Delta Kream』(2021)も自分達の出自でもある、ミシシッピ・デルタ・ブルースのカバー作だったりと、あのブリブリのブルース・ブギー・ロックのブラック・キーズの音の新作がしばらくご無沙汰で、「いつ新作が聴けるのかなー」と思っていたところに今年ドロップされたこの『Dropout Boogie』。これがねえ、うれしくなるくらい彼ららしいパワフルなサウンドをぶちかましてくれてて、シングルでアルバム冒頭の「Wild Child」を聴くだけで、彼らのブレイク作だった『Brothers』(2010)や『El Camino』(2011)の頃の迫力ある彼らが戻ってきた!って感じでうれしくなったもんです。あー気持ちえー

上記のような事情でオリジナル・アルバムは2019年の『Let's Rock』以来ですが、グラム・ブルース・ロックとでもいう感じの上述の「Wild Child」や、ZZトップビリー・ギボンズとの共作のレトロなブルース・ロック「Good Love」などブルージーなロック好きにはたまらん楽曲揃いです。一方ダンはこのアルバムや、自分のレーベルに所属しているハンク・ウィリアムスJr.のアルバムなどの仕事で、今年も第65回グラミー賞の最優秀プロデューサー部門にノミネートされていて、昨年受賞のジャック・アントノフや、シルク・ソニックのプロデュースのDマイルらと並んで有力候補の一人です。彼はちょうど10年前の第55回でこの部門『El Camino』他の仕事で見事受賞してるので、この勢いでグラミーもかっさらっていくかもしれませんね。

23.NOT TiGHT - DOMi & JD BECK (Apeshit / Blue Note)

最近のグラミー賞の主要部門には、チャートヒットとは全く縁がないのだけど、そのミュージシャンシップの高さを特にグラミー・アカデミー・メンバーである他のミュージシャンやプロデューサー、エンジニアらから評価されてノミネートされる、という例が少しずつ増えている。2021年第63回グラミー賞の最優秀アルバム部門ノミネートの天才少年ミュージシャン、ジェイコブ・コリエはその最たるもんだろうし(彼のアルバム『Djesse Vol. 3』はBillboard 200にチャートインすらしていない)、今年の第64回グラミーで旋風を巻き起こしたジョン・バティストもちょっと違うけど、音楽性とミュージシャンシップを評価されてのノミネート、受賞という点は共通している。そして今回第65回グラミー賞でこれにあたりそうなのが、最優秀新人賞と最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム部門にノミネートのこのDOMi & JD BECK

フランス人の天才女性キーボーディストDOMiと、ダラス出身の天才ドラマーJDベックの2人によるユニットで、やってる音楽は、彼らを見出したアンダーソン・パークや、サンダーキャットらの音楽性にも通じる、R&Bやヒップホップの要素を内包したコンテンポラリー・ジャズ・インストゥルメンタル(ちなみに彼らはシルク・ソニックの「Skate」の共作者でもある)。ひたすら早いビートと手数の多いドラミングでJDベックが繰り出す複雑なリズム・パターンを、DOMiのキーボードが自由自在に乗りこなして幻想的なグルーヴ満点のパフォーマンスを聴かせる。とにかく超絶技巧で複雑なんだけど聴いててとても気持ちのいいサウンド。そしてこれがいずれもまだ20歳そこそこの二人から繰り出されてくるのも驚異だ。自分はNPRタイニー・デスク・コンサートで初めて彼らのプレイを観てぶっ飛んで、それ以来ずっと脳のどこかで彼らのこの複雑なリズムのトラックがループしてる感じ。とにかく一聴の価値ありです。

22.Lucifer On The Sofa - Spoon (Headz / Matador)

このアルバムが出た時に「全米アルバムチャート事情!」でも書いたのだけど、お恥ずかしい話ながら、2000年代後半にブレイクしたこのスプーンというバンド、それなりの評判だったのは知ってたがちゃんと聴いたことがなくて、どういうバンドかもよく認識してなかった。で、全くの先入観もなくこのアルバムを聴いたところ、何と70年代初頭のロックのブルースとかR&Bベースのルースな感じと、21世紀初頭のクイーン・オブ・ザ・ストーン・エイジ(QOTSA)とかのカッコいい骨太ロックの感じとが同居してる、自分の好みのサウンドだった。いいじゃんスプーン。もっと早く聴いときゃ良かったな。

冒頭の「Held」は正しく70年代初頭の匂いがプンプンするし、シングルの「Hardest Cut」はカッコいいハードブギ風で、ノリがまんまQOTSAな感じのナタで断ち切るような気持ち良さ。続く「The Devil & Mister Jones」は哀愁系のメロディとシンコペーションリズムがいいし、聴いてると身体が反応する感じが最近あまりロックのレコードでなかった感じなのがいい。昔のアルバムも聴いて見なきゃな。

21.Revealer - Madison Cunningham (Verve Forecast)

このカリフォルニア出身の女性シンガーソングライター、マディソン・カニンガムも今年の新しいめっけもののアーティストだった。きっかけはSpotifyのお勧めのプレイリストに入っていた「Common Language」という曲。独得の空気感を持った曲の感じと、彼女のコントラルト・ボイスが独得の雰囲気を醸し出していたのが気になってた。その後、2020年の『Wednesday』というEPで、トム・ウェイツルーファス・ウェインライト、ビートルズの「In My Life」や何とレディへの「No Surprises」とかをとってもエレガントにカバーしてるのを聴いていっぺんにこの子のファンになってしまった。

その彼女が今年リリースした3作目のアルバムがこの『Revealer』。上記の『Wednesday』に続いて、今度の第65回グラミー賞の最優秀フォーク・アルバム部門にノミネートされてる。このアルバムでも彼女の楽曲の独得の空気感というか澄み通るような世界観が存分に楽しめて、同じ今度のグラミーで最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス部門にノミネートされた「Life According To Raechel」は、ちょっとバロック風なストリングスも配された素晴らしい楽曲だ。レーベルがあのローラ・ニーロがいたヴァーヴ・フォーキャストという、ジャズ系のレーベルだってのも正にローラジョニ・ミッチェルの世界を思わせるような彼女の独得の雰囲気にピッタリでいい感じ。一方、全編フォーキーな曲ばかりではなく、「Hospital」や「Who Are You Now」といった、ファジーなギターが効果的に使われたロックなナンバーもいける。ご多分に漏れず、そうしてグラミーにもノミネートされてるけど自分の知る限りチャートには登場していない。こんな素晴らしいアーティストを教えてくれたSpotifyには感謝しなくちゃ

ということで21位まで来ました。次は11位〜20位をアップします。

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