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【恒例洋楽新年企画】DJ Boonzzyの第65回グラミー賞大予想#5~ラップ部門

今ひとつ天気がすっきりしない今日、朝起きたら高橋幸宏さんの訃報に愕然。ジェフ・ベックの訃報に続く衝撃の訃報、今週は何て週なんだろうと思わざるを得ないです。心から幸宏さんのご冥福をお祈りするばかりです。
さて、気を取り直してこのグラミー賞予想ブログ、次はラップ部門です。

19.最優秀ラップ・パフォーマンス部門

  God Did - DJ Khaled Featuring Rick Ross, Lil Wayne, Jay-Z, John Legend & Fridayy
○ Vegas - Doja Cat
 Pushin P - Gunna & Future Featuring Young Thug
  F.N.F. (Let’s Go) - Hitkidd & GloRilla
◎ The Heart Part 5 - Kendrick Lamar

先にネタバレしてしまうと、このラップ部門4部門についてはすべてケンドリック・ラマーに本命◎をつけてしまいました。それくらいラップというジャンルに限定した場合、彼の2022年の作品はすべてにおいて別格にダントツだった、というのが自分の評価ですし、シーンや音楽メディアの評価もそれに近いものがあったと思いますね。一方今年のグラミーのノミネーションで「え?」と思ったことの一つはDJキャレドのSOYを含む6部門ノミネート。自分自身は作曲やパフォーマンスせず(DJキャレドは作曲クレジット入ってるどの程度クリエイティブ・インプットを行ってるかはかなり疑問)シンガーやラッパーのパフォーマンスに「DJ XXX!」という口上を乗っけるDJコンピ作品、というのは90年代のファンクマスター・フレックスの頃から決して珍しくはないのだけど、通常シーンから高い評価を得ることは(明らかな理由から)多くなかったのに、今年のDJキャレドは何でこんなにアカデミー・メンバーに評価されてる(ように見える)のはなぜ???と思ってしまいます。今回このラップ4部門すべてにノミネートされてるのはケンドリック・ラマー、フューチャーそしてこのDJキャレドだけ。皆さんこれどう思います?2022年はヒップホップとしては収穫の年で、久しぶりにトラップやドリルベタベタでない、良質の作品が多かったと思うのにそういう作品は無視されてDJキャレドごとき(ファンの方失礼)が4部門ノミネートなんて、個人的には不当だと思いますけどね。

ということで自分としては本命◎はシングルのみリリースだったケンドリック・ラマーの「The Heart Part 5」で決まり。対抗○は映画『エルヴィス』のサントラからのカットで、映画でビッグ・ママ・ソーントン役のションカ・デュクレの歌う「Hound Dog」の一節をサンプリングしたドジャ・キャットの「Vegas」に。去年12個めのノミネーションで初めて「Kiss Me More」でグラミー初受賞を果たしたドジャ(「アナウンスされたんで生涯最速でオシッコしたわ〜」っていうコメントも爆笑でしたねw)。今年も「Woman」のROY他5部門ノミネートと元気ですので、この部門ではチャンスないと思うけど対抗付けます。

DJキャレドには絶対何も付けたくないので(笑)穴✗はもう一人の4部門ノミネートのフューチャーをフィーチャーした(ややこしいw)ガンナの「Pushin P」に。

20.最優秀メロディック・ラップ・パフォーマンス部門

  Beautiful - DJ Khaled Featuring Future & SZA
○ Wait For U - Future Featuring Drake & Tems
  First Class - Jack Harlow
◎ Die Hard - Kendrick Lamar Featuring Blxst & Amanda Reifer
✗ Big Energy (Live) - Latto

ここにもいるDJキャレド(笑)。それは置いといて、ここでもブラストの鼻歌ボーカルと、アマンダ・リーファーの美しいボーカルと、レイドバックなケンドリックのラップが最高のコンビネーションで楽曲を紡いでいる「Die Hard」が圧倒的な本命◎ですね。対抗○はほぼ2022年を通じてラップ・エアプレイチャートの首位を独走していたフューチャードレイク、そしてナイジェリアのテムズをフィーチャーしたR&B風トラップ・ポップ・ソング「Wait For U」に敬意を表して進呈しましょうかね。

DJキャレドほどではないものの、ジャック・ハーロウのこの部門と次のラップ・ソング部門ノミネートというのもかなり過大評価な気がするので、穴✗は久々にトムトム・クラブの「Genius Of Love」のサンプリングでシーンを盛り上げてくれたラットのなぜかライブバージョンでノミネートの「Big Energy」に。

21.最優秀ラップ・ソング部門(作者に与えられる賞)

  Churchill Downs - Jack Harlow Featuring Drake (Ace G, BEDRM, Matthew Samuels, Tahrence Brown, Rogét Chahayed, Aubrey Graham, Jack Harlow & Jose Velazquez)
  God Did - DJ Khaled Featuring Rick Ross, Lil Wayne, Jay-Z, John Legend & Fridayy (Tarik Azzouz, E. Blackmon, Khaled Khaled, F. LeBlanc, Shawn Carter, John Stephens, Dwayne Carter, William Roberts & Nicholas Warwar)
◎ The Heart Part 5 - Kendrick Lamar (Jake Kosich, Johnny Kosich, Kendrick Lamar & Matt Schaeffer)
✗ Pushin P - Gunna & Future Featuring Young Thug (Lucas Depante, Nayvadius Wilburn, Sergio Kitchens, Wesley Tyler Glass & Jeffery Lamar Williams)
○ Wait For U - Future Featuring Drake & Tems (Tejiri Akpoghene, Floyd E. Bentley III, Jacob Canady, Isaac De Boni, Aubrey Graham, Israel Ayomide Fowobaje, Nyvadius Wilburn, Michael Mule, Oluwatoroti Oke & Temilade Openiyi)

さて楽曲としての作品を評価するこの部門で当然のごとく本命◎とすべきケンドリック・ラマーの「The Heart Part 5」の本命の理由はいくらでもありますね。まずは使っているトラックがマーヴィン・ゲイの「I Want You」。これに乗せてある時はつぶやくように、ある時は機関銃のようにラップするケンドリックのパフォーマンスだけでもこのトラックは秀逸です。更にはリリックの内容とそれを映像で体現しているMVの革新性と素晴らしさも特筆すべき。最新のモーフィング技術で自らの顔をO.J.シンプソンカニエ→俳優のジャシー・スモレット(2019年に自身に対する差別的暴行をでっち上げた廉で逮捕された)→ウィル・スミスコーベ・ブライアントニプシー・ハッスルと変貌させる映像、そしてそれぞれのセグメントでそれぞれの人物の立場からの視点を反映させたメッセージを載せたリリックは圧倒的ですらありますね。このMV、最優秀音楽ビデオ部門にもノミネートされてますが、まず間違いなく取るでしょう

ここでもDJキャレドジャック・ハーロウがノミネートされてますが、そもそもなぜノミネートされてるか自分は理解できないので、対抗○は残る2曲のうち、ヒットしたフューチャー、ドレイク、テムズの「Wait For U」に、穴✗はガンナフューチャー、ヤング・サグの「Pushin P」につけておきます。

22.最優秀ラップ・アルバム部門

  God Did - DJ Khaled
✗ I Never Liked You - Future
  Come Home The Kids Miss You - Jack Harlow
◎ Mr. Morale & The Big Steppers - Kendrick Lamar
○ It’s Almost Dry - Pusha T

この部門ももう予想が不要ではないかというくらいケンドリック・ラマーの本命◎はチャレンジのしようがない、それくらい突出してます。これは一つには本来ここにノミネートされていてしかるべきである、ヒップホップ作品が充実していた2022年にリリースされた作品群がごっそり抜けていることにもよりますデンゼル・カリーの『Melt My Eyez See Your Future』、ナスの『Magic』、デンジャー・マウス&ブラック・ソートの『Cheat Codes』、ヴィンス・ステイプルズの『Ramona Park Broke My Heart』などはどれもこの部門(そしてパフォーマンス部門も)にノミネートされているべき作品ですが、これらの代わりにDJキャレド、ジャック・ハーロウ、フューチャーがノミネートされてしまってる事態が問題だなあ、と思うのです。実際デンゼル・カリーはこのノミネート発表直後のツイッターで「ケンドリックとプシャTはともかく、それ以外の作品より良いアルバムを最低10は挙げられるぜ!」と自分の作品を含む上記のアルバムなどを挙げながら吠えてましたね。

なので本命◎以外を決める事自体にあまり意味はないのですが、一応対抗○はデンゼルも認めてて、メディアの評価も高かったプシャTのアルバムに。ただ個人的にはこのアルバムもあまりピンと来てはいません。穴✗は消去法でフューチャーに一応付けておきますわ(笑)。

さて、次はカントリー部門の予想です。お楽しみに。

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