今週の全米No.1アルバム事情 #27- 2020/5/9付

皆さん、絶賛引きこもりゴールデンウィークを楽しんでますか？自分も日頃聴けないアルバムを聴いたり、積読本を読んだりしてます。こういう時普段できないことができるのはある意味ありがたいことだと思って乗り切りましょう。

さて今週末のBillboard 200の1位は、動きの少ない週のチャートだったこともあり、先週の予想通り、ルイジアナ出身の20歳のラッパー、ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン（本名：ケントレル・デショーン・ゴウルデン）の『38 Baby 2』が67,000 EAUs（実売4,000枚）という薄ーいポイント数で初登場。どれだけ薄いかというと、リリース初週の1位のポイントとしては、2017/10/28付のNF『Perception』の55,000 EAUs以来の低ポイントという状況でした。
YBNBAとしてはこれが去年10月の『AI YoungBoy 2』に続く7ヶ月の間で2枚目の1位で、いずれもミックステープでデジタルダウンロードとストリーミングのみ、という最近のヒップホップ典型のパターン。しかもその2枚の間に、今年の2月リリースしたやはりミックステープの『Still Flexin, Still Steppin』も2位初登場と、ここのところ出せば必ず上位にチャートイン、というのがすっかりパターンになってきましたな。

ただ、今回のコロナ騒ぎで、実は今週リリース予定だったカントリーのルーク・ブライアンの『Born Here Live Here Die Here』とLAのオルタナ・ポップ3姉妹、ハイムの『Women In Music Pt. III』がいずれもリリースを8月に延期したということで、この2枚いずれもリリースされてればガーンと1位初登場間違いなかっただけにYBNBAはラッキーした、と言えます。

そして今週のトップ10内初登場はこれ1枚のみ。それ以外では、圏外30位→9位にぐーんと再上昇してきたのがトラヴィス・スコットの『Astroworld』。これはトラヴィスが4/23にエピック・ゲームズとコラボして、同社の人気シューティング・ゲーム「Fortnite」の中で、バーチャル・トラヴィスが登場してライブ・パフォーマンスする、というバーチャル・コンサートやったのが効いて、リリース2年たつアルバムが急上昇したというわけ。最近はこういうゲーム業界とヒップホップ業界のコラボ、多いみたいですね。ちなみにトラヴィスは、Hot 100でもキッド・カディとのコラボ・シングル「The Scotts」が今週1位初登場のようです。トラヴィス強し。
もう一つ、ミーガン・ザ・スタリオンの『Suga』が、ヒット中のシングル「Savage」のビヨンセ・フィーチャリングの新リミックスが出た関係でこれも圏外21位→10位に再上昇してきてました。従ってトップ10リストはこの通り。（順位、先週順位、週数、タイトル、アーティスト）

1 (-) (1) 38 Baby 2 - YoungBoy Never Broke Again
2 (1) (2) Blame It On Baby - DaBaby
3 (3) (8) Eternal Atake - Lil Uzi Vert
4 (2) (6) After Hours - The Weeknd
5 (5) (9) My Turn - Lil Baby ●
6 (6) (34) Hollywood’s Bleeding - Post Malone
7 (7) (9) YHLQMDLG - Bad Bunny
8 (8) (21) Please Excuse Me For Being Antisocial - Roddy Ricch ▲
9 (30) (91) Astroworld - Travis Scott ▲3
10 (21) (8) Suga - Megan Thee Stallion

さて来週の1位の予想ですが、対象の5/1-7リリース作品リスト、先週見た時はケニー・チェズニーの新作と14年ぶりのディキシー・チックスの新作以外はめぼしいものがなかったので、このどちらかだな、と思っていたら、その後ディキシー・チックスは夏にリリース延期、そして何と夏まで出ないと思っていたドレイクの新作ミックステープが5/1にドロップされちゃったので、これは来週はダントツでドレイクなんでしょうなあ。ではまた来週。