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18歳

ありがたいことに、聴導犬チャンプと一緒にいろいろな学校を訪問し、お話しする機会をいただいています。
下は小学1年生から、上は大学生、社会人、先生方まで。どの場でもたくさんの出会いも刺激をいただき、私自身、成長させてもらってる感じです。

先日お邪魔したのは、神奈川県立の定時制高校。
定時制ということで、異年齢、異国籍バラエティ豊かな「高校生」たち。

「人とちがうこと」「普通と違うこと」に悩むこともあるかもしれない。
それならば、「聴覚障害」「補助犬ユーザー」という「普通ではない」特性を持った私から、伝えられることがあるに違いない、、そんな自負もあって、充実した90分を過ごすことができました。

でも…

終了後、ショックなお話をお聞きした。

現地に向かう電車の中で、スマホに流れてきた土砂崩れのニュース。
方向が同じだったので「交通に影響出ないかなぁ」なんて思いながら読んでいたニュース。
その事故でたまたま通りかかった女性が巻き込まれたというニュース。

その被害女性が、まさに私が訪問した学校の生徒さん(全日制)だったというのです!

高校3年生。
進路も決まり、あとは卒業式を待つだけ。
救出された時の荷物に高校の名前があって判明したとのこと。
荷物の中には大学の資料や書類、、、。

私の息子と同じ年。
3年間部活に明け暮れ、幸いにも推薦で第一志望大学に決まって、今は、残った高校生活を楽しむ毎日を送っている息子。

また、この悲報の後に放送されたプロ野球のキャンプ情報でインタビューに答えていた高校生ルーキーたち。
彼らも同じ年。

みんな同じ高校3年生。
みんな同じ18歳。

悩んだり、喜んだりしながら、それでも将来を見つめる年頃。
彼女もきっと同じだったに違いない。

10数mの土砂崩れ。
ほんの数秒のタイミングの差だったと思う。
一つ手前の信号が赤だったら、、
手前で立ち止まって、荷物を持ち替えていたら、、

その数秒のタイミングの差で、彼女の将来は閉ざされてしまった。

だからこそ!
「いってらっしゃい」と見送った子供たちを「お帰りなさい」と迎えられることは「当たり前」ではないということを、、
喜びも悲しみも挫折も歓喜も、全て命あってのことだということを、、
生かされている私たちは忘れてはいけない。

喜びも悲しみも夢も希望も、突然断ち切られた彼女の分も、
生かされている私たちは生きなければならない。

そんなことを気づかせてくれた、名前も顔も知らない彼女に、心からのお悔やみを送りたい。

ご冥福をお祈りいたします。



いただいたサポートは私の人生を支えてくれた聴導犬をはじめ、補助犬の理解啓発のための活動に生かさせていただきます。