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逝ってしまったことを後悔するくらい、素敵な社会にしていかなきゃ浮かばれない

どなたかがシェアした動画が流れてきて、慌てて、自動録画された分を探して視聴。
10月1日放送のフジテレビ「ボクらの時代」は、peco/SHELLY/ぺえ 。テーマは「愛の形を決めなきゃいい」


ryuchellが7月に亡くなってからpecoにとって初めてのテレビ出演。そのトーク相手にSHELLYとぺえ。
その組み合わせだけで、泣きそうになりました。

pecoの、想いが溢れて止まらない話に、温かく頷き、涙ぐむ2人。
30分の番組を2度観て感じたのは、「悔しいな」ってこと。
世の中の「普通」が狭すぎて、「普通じゃない」「おかしい」と叩かれても、「これだって普通なんだよ」って言いたかったryuchell。
ぺえが言っていたように、いつかきっと日本を変えたかもしれない、、、。だから、こんな結末は残念すぎるな、と。

でも、pecoが言っていたように、優しくて心が広くて、人を否定しない人だったから、トゲも刃もみんな受け止めてしまったのかもしれないね。
今年に入ってからはジェットコースターみたいだったと言ってたから、きっと急降下した時に、そのまま落ちていってしまったのか。

ryuchellとpecoの決断した「新しい家族の形」は本人たちのことであり、本人たちがそれで良い、それが幸せ、というなら、周りがとやかくいうことじゃないと思う。
同性婚もそうだけど、LGBTQの問題って、究極のパーソナルなこと。なのに、なぜこんなに騒がれてしまうのだろう。

本人たちが決めたことならば、別に周りは「そうなんだ」ってだけでいいはず。
別に同じことを求めてくるわけじゃないのだから。
あたしはこうで、あなたはこうで、というだけ。

同性婚を認める法律を決めるときのニュージーランドの議員さんの演説じゃないけど、「本人たちが幸せになるだけ。他の人の生活にも人生にも何の変化もない。」
なのになぜ恐れるのか?責めるのか?

その人がどんな性自認で、恋愛対象が誰で、その人とどんな関係を結ぶか、なんて、関係ない外の人には何の影響もないのに。

そんな疑問があったので、SHELLYの言葉に思わず、頷いた私(禿同、ってヤツ?)

私も自分の子供達に、「お母さんはね、女として生まれて、女として育っていくって決めたの。お母さんはね、男が好きなの」なんてカミングアウトしたことなんてない。なのに、その枠以外の人は全員カミングアウトさせられて、世の中に自分のことを説明しなけれならない謎がある。

フジテレビ「ボクらの時代」2023.10.1放送より

みんな別に特別な「何者」でもなくて、異性愛だろうが、LGBTQだろうが、障害があろうが、それが自分の「普通」なのに、社会はまだ数の上で多い形を「普通」としているから、その枠から外れると、その「違い」を説明したり、理解を求めたりしなきゃならない。そして、その「違い」を受け止める度量がない社会は、非難したり、排除したりするんだよね。

それにしても、息子ちゃんのエピソード、そこに垣間見えるryuchellのことを話すpecoを見てると、ほんとryuchellのこと、好きなんだなぁと感じました。
「人間としてこれから先、ryuchell以上の人に出会える気がしない」という言葉、すごいよね。
そんなすごい人だったんだね。

もっとryuchellの話を聞きたかったな。
それで少しずつ変わっていく社会を見てみたかったな。

たぶんそれはきっと困難な道だとは思う。
ぺえさんも言ってたけど、

いろんな言葉を発信しても、何も変わらないこの世界だったり、芸能界もそうだけど、自分が何を発信したところで変わらない。誰の心にも響いてくれないんじゃないか。

フジテレビ「ボクらの時代」2023.10.1放送より

使命感を持って頑張ったとしても、いつまで経っても何も変わらない情勢に、「何のためにやってるんだろ」と思う気持ちはすごく分かる。
私自身、障害理解や補助犬啓発を30年近くやってて、正直、いつもそう感じているから。
当事者の声なんて、ほんと小さくて、掻き消されてしまうことの方が多い。
そして、壁が実は外にだけではなく、内側にもあったり。ほんと、虚しくなることばかり。
でも諦めたら何も変わらない、と自分に言い聞かせて、前に進もうとするんだよね。
そう思うと、ryuchellには、少しの休息をとってでも、生き続けて欲しかったなぁ。

芸能人が亡くなった時、「思い出を振り返る」みたいな番組が作られることがありますが、自死の場合は、触れてはいけないことのように扱われ、近い人たちが思い出を語ることもほとんどありません。
それだけに、このたった30分の番組でも、ryuchellの一番近くにいた人たちがこうやって語るってとても貴重だし、それを通して「ryuchellが最後まで伝えたかったこと」が遺るといいな、と思う。

いつか、pecoが天に向かって「おーい、ryuchell!見てるか?世の中はこんなに変わったよ!それを待たずに、見れずに逝ってしまって、悔しいだろぉ!?」って叫べるくらいに。

フジテレビ「ボクらの時代」公式サイト
https://fod.fujitv.co.jp/title/3125/3125810135/

10月1日 peco x SHELLY x ぺえ
FOD
https://fod.fujitv.co.jp/title/3125/3125810135/

フジテレビュー!!
peco「ryuchellも大好きでお世話になった2人」SHELLY&ぺえと『ボクらの時代』に登場 -
https://www.fujitv-view.jp/article/post-989654/

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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