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生命のサイクル

自分が例年繰り返すパターンに、最近気づいてきた。

1月:新年が明けてやる気に満ちあふれ、今年こそ理想通りに生きようと意気込む。色々な挑戦を始める。

4月:新年度となり、1月から始めた事柄が少し失速するも、リスタートの契機として更に意気込み、活動を増していく。

8月:エネルギーは頂点に達し、夏の暑さと共に自身の活性も高まる。色々動きまくる。

9月:寒くなるにつれて、思考の活性が低下し、エネルギーも下がる。冬支度としてやる気が徐々に減衰する。

10月・11月:エネルギーは更に下がり、学会など色々なイベントが来るもどうにかこうにか乗り越える。

12月:正月を目前に、エネルギーの持久戦を何とか乗り越える。


という感じだ。気温が暖かくなるとテンションが上がりエネルギーを使って動きまくるが、寒くなるとその反動で、疲れて動きが鈍くなる。


ああ、毎年同じ事を繰り返しているのだなと思う。

環境と生活のリズムがもう少し上手くいけば、エネルギー消費も抑えられるかも知れない。

そして何より、自分の心模様が整えばタスクの優先順位、取捨選択をもっと能動的に出来るのかも知れない、そんな期待感がある。

だからこそ、まず整えることを心がこんなに切望しているのだろう。

今年は父が60歳で、還暦になる。

還暦とは十二支と十干の最小公倍数60で、生まれたときの暦に戻る年だという。

しかし不思議である。12×10なら本来のバリエーションは120ではないか?

だが、十干と十二支の奇数番・偶数番同士を掛け合わせた組み合わせが60となるらしく、これが一周と定められている、らしい。

奇しくも自分も今年で30歳になる、ちょうど還暦の半分、折り返し地点とも言える。

この世に生を受けて四半世紀もとうに過ぎたので、そろそろ自分のリズムに自覚的に生きても良いのかもしれない。

僕が趣味で活動している書店「韋編三絶」は、故事成語の、「孔子が易経という書物(当時は竹の短冊を糸で綴じたもの)を、綴じた糸が三回千切れるまで何度も繰り返し読んだこと」、という逸話から取った。

新しい本を次々読むのも大切だけれど、自分が何か惹かれる本を、人生の節々で何度も紐解き、それこそ背表紙が破れるまで愛して欲しいという願い故の名前だ。

書店として経済活動だけに携わるのなら、そんな読書は邪魔なのかもしれない。けれど、人がこの世に生を受け、他の誰とも違うその人だけの人生を歩んでいくのならば、人には一生に一冊くらい、1000回読む本に巡り会うのだという言葉を昔、本で読んでから、そうした1冊に巡り会える人生は良いなと思ってきた。

暦が巡るように、人生の諸問題も、形を変えて巡ってくる。

そんな人生の片隅に、本という道標があるというのは、それだけで豊かなことだと思う。

2023年、巡りゆく自分のサイクルに耳を傾けながら、本とともに歩んでいく。

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