No2理論|読書
今日紹介する本は、「No2理論」です。
著者は西田文郎(にしだふみお)さん。
日本のメンタルトレーニング研究・指導の第一人者の方です。
ビジネスやスポーツの分野でメンタルトレーニングの指導をお子にあ、
2008年の北京5輪で金メダルを獲得した女子ソフトボールの指導も行いました。
他の著書には「No1理論」や「人生の目的が見つかる魔法の杖」などがあります。
NO1じゃなくてなんでNo2なの?って思うようなタイトルですが、
西田さんはNo1理論という本も書いたうえで、No2理論という本も出しています。なので、No1とNo2の役割の明確な違いもきちんと書かれています。
イメージトレーニングの専門家とあって、
本書では、歴史上の人物から
トップのイメージな織田信長やNo2からNo1になって豊臣秀吉、
No2のイメージの強い、土方歳三やホンダの藤沢武夫さん。源義経など、
成功例も失敗例もイメージしやすい事例を交えて紹介されていて
頭に入ってきやすい作りになっています。。
冒頭
冒頭ではNo2の大切さが語られています。
潰れる会社、伸び悩む会社には共通点がある。
それは優秀なNo2がいないということだ、と。
もちろんトップの能力が成功の要因に大きな比重を占めていますが、会社が維持、発展していくためには、トップではないNo2の活躍が、不可欠です。それほど会社という組織にはNo2の存在が重要だ、ということです。
トップは会社のビジョンや方向性を示す責務があって、組織が小さいうちはいわゆるワンマン社長でもなんとかなっていきますけど。
1人の力ではいずれ限界がくるわけですね。
なので限界値を高めて、組織を発展させ続けるには、優秀なNo2をいかに得るかが会社の重要なミッションとなる。ということです。
優秀なNo1がいるのにつぶれた会社はゴマンとあるが、優秀なNo2がいる会社でつぶれた例はほとんど知らないと経験則から語っています。
そこで、
No2が優秀だとなぜ組織は発展するのか
優秀なNo2とはどんな存在か
を本書のテーマとして語られています。
No2が優秀だとなぜ組織は発展するのか
まずNo2には3種類あります。
(1)ポジション的にNo1の次であること。社長に対する副社長とか
校長に対する教頭とかです。序列ですね。
(2)トップが自分の次に信頼している人。あてにしている人です。
トップの相談相手です。三国志でいう劉備の軍師・諸葛亮孔明などがそうです。
(3)トップの後継者。どんなに古参の幹部がいてもその序列を無視してNo2とみなされます。
種類は3つ挙げましたが、No2にとって大事な「果たすべき役割」と「働き」は同じだと、明言しています。
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No1、TOPの役割ですが、
これは組織の大きな方向性を決めること、目標と戦略を立てることです。
そのための重要な能力として、集団に目標を与える①概念化能力
情報を集めて未来を予測しスピード感のある決断をするための②洞察力
そして③問題を発見して解決していく能力(③問題発見・解決能力)
を挙げています。
一方で、No2は組織のメンバーを統率して実行していく実行部隊のリーダーです。No1の立てた目標や作戦をチームに浸透させて全員の気持ちを一つにまとめる力が必要になります。
だからNo2には、ヒューマンスキルがより重要だとしています。
①リーダーシップ
②コミュニケーション・誘導能力
③プレゼンテーション能力
④調整能力
⑤交渉力
の5つです。
トップの指示を徹底させるトップダウンだけでなく、
現場の状況を確認して報告するボトムアップも含まれることが
わかると思います。
こうした果たすべき役割やスキルを見ると、ただの集団が組織に変化する瞬間がボスの下にNo2がついたとき、だということが伝わっています。
NO2のわかりやすいイメージで、扇のカナメの部分を担っている、
と例えています。No2がぐっとグリップして統率している様子ですね。
また、No2は組織の成長過程で必要になるポジションだとしています。
小さい集団ならNo2はいなくても組織は機能するけど、大きくなるにつれてワンマンじゃ限界になる。
一方で、大組織になってくると、No2の存在意義は薄れてきます。
訳ワイヤ部門が細分化されていくごとにNo2の働きが小さくなっていくからです。
だから、成長過程で、成長させるのがNo2という存在なのだ、としています。
ここまでが本書前半の、No2の役割とそのポジションの重要さについてです。
優秀なNo2とはどんな存在か
しかし、優秀なNo2でいることも決して簡単なことではありません。
そこそこはいても優秀といえるNo2は結構。稀です。
そこで、後半では優秀なNo2としての在り方。心得を説いています。
NO2としての心得は7つです。
(1)トップの考えを徹底的に理解せよ
トップとNO2の考えが一致していると会社に一本筋が通ります。
頭と手足の筋肉を結ぶ神経が太くなる。そしてNo2の指導力や統率力も高まります。
(2)自分の美学を捨てよ
自分の考えや価値観を捨てて、No1に従うこと。
ここでつい自分を出してしまわないことが、優秀なNO2になれるかの分かれ目です。
自分の美学ではなく、自己犠牲の美学を持てと説いています。
(3)と(4)はセットです
(3)No1に心底惚れよ
(4)どうしても惚れられないなら尊敬せよ、それもできなければせめて好きになれ。好きにもなれなければ仕方ないから形だけでもNo1を立てよ
惚れぬくのが一番だけど、そんな運命的な出会いもそうあるもんじゃないですよね。
それよりも4つめの、「形だけでもトップを立てる必要ある」、ということを示すことが大事です。
(5)とことん愚直であれ
思い上がりを捨ててとにかく愚直になること。それは努力ができるようになるということです。
非凡な努力を愚直に続けることをカッコイイと思えることが優秀なNo2の条件です。
(6)おおいなるイエスマンであれ
No2は基本的にイエスマンです。
ただのイエスマンではなく、誠実で実直なイエスマンです。
っていうのも、No1は常に不安と戦っていて、そして最後には一人で決断しなければいけないわけです。
だからこそNo2というのはトップが決めたら、そのアイデアを実現させるために全力で傾注するのが仕事です。
(7)トップにヒントを与えて積極的に助ける黒子になれ
特に、トップと同じ土俵ではなく、自分の得意分野やテリトリーから違った見方や材料を提供することが大事です。
以上。優秀なNo2の心得7つです。
そして最後には、優秀なNo2の選び方や育て方などトップ目線での内容が書かれています。
ということで本書「No2理論」について、大きなテー2つ
No2が優秀だとなぜ組織は発展するのか、
優秀なNo2とはどんな存在か
に集中して紹介しました。
著者の西田さんが元々イメージトレーニングやコーチングの専門家ということでこの本でもイメージの掴みやすい例や、シンプルな言葉が選ばれていると思いました。
これからNo2を目指したい、とか、今No2にいる方、あるいは今トップにいて悩んでいる方にもおすすめの一冊です。
以上です。
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