Kyoto x Mobility - Talk and Open Discussion
先日、京都で FabCafe Kyoto / MTRL KYOTO でワークショップのイベント『京都観光 x モビリティを考える』を開催しました。
これまで、情報アーキテクチャやUXデザインなどデジタルプロダクトに関するイベントはしてきましたが、今回はじめて「モビリティ」をテーマにしたイベントを開催しました。参加者も京都出身者から市役所の方、モビリティを専門に仕事されている方などさまざまな分野の方に参加いただきました。
経緯
今年の4月ごろ京都を訪れた際、知人を通じて福岡裕典さんを紹介いただきました。福岡さんは、西陣織 x 炭素繊維 (カーボンファイバー) で有名なフクオカ機業の代表です(事業紹介)。 そのマテリアルを、コンセプトカーなどに提供した経験があり、京都における伝統工芸の課題についてもお話しを伺うことができました。
・伝統工芸をもっと盛り上げていきたい
・西陣エリアにもっと足を運んでほしい
という思いとは反対に、工場も少なくなり客足も遠のいてしまっているとのこと。
その昔、京都市電が工場近くを通っていたことを考えると、移動のしにくさも影響しているのではないかという仮説にたどり着きました。また、昨今の自動運転技術やモビリティのテクノロジーで解決できる部分もあると思い、今回のワークショップ開催に至りました。
課題
そうした課題背景から、京都市電の歴史に遡り、路面電車 (現在でいうLRT) の路線図を取り寄せ当日の路線を再確認し、観光で考えた場合の課題 (金閣寺と銀閣寺をはさむエリア) をディスカッションしました。 そこで話があったのは、以下のような課題でした。
・市電の代替としての観光バスの使いかた
・バス停の乗降場所のわかりにくさ
・京都市内の自動車での移動のしにくさ
・レンタサイクルやシェアサイクルの使い方
・西陣エリア独自の魅力や課題
・タクシーや観光客のマナーの悪さ
モビリティの種類
また、いくつかのモビリティの事例を紹介し、今回のケースに合うソリューションについてディスカッションしました。
・Public Mobility (ストラスブールのLRT: The Strasbourg Tramway)
・Public Mobility (NAVYAの自動運転シャトルバスなど)
・Personal Mobility (PUMA: Personal Urban Mobility and Accessibility)
・Micro Mobility (SPINの電動スクーター)
・Micro Mobility (CHIC-ROBOT: 電動バランススクーター)
・Mobility Assist (WHILLの電動車椅子)
・Last One Mile Delivery (STARSHIPのロボット)
ソリューションとしての例
・歩くまち京都アプリ「バス・鉄道の達人」乗換案内
・シェアサイクル「PiPPA ピッパ」
・ソーシャルマップ「Mapillary」や「Waze」
・時速5kmの低速走行車「iino/イイノ」
解決のための論点
・観光者と生活者(非日常と日常の違い)
・利用用途の違い観光者と生活者(非日常と日常の違い)
・パブリックモビリティとプライベートモビリティ(視点)優先順位
・都市計画とエコシステムの課題(渋滞など)誰がどう取り組むか
結果
白熱する議論が続く中、ある種の方向性は見えてきたところで時間も終了し、懇親会でも各々の経験から有意義な時間を過ごすことができました。 今回のディスカッションで見えた方向性について整理してみます。
・バス停のわかりにくさ課題解決(GTFSデータの活用)
・自転車の有効利用(駐輪場の少なさや乗り捨て利用)課題解決
・観光目的とした場合のルート案内と時間の有効活用の提案
・西陣の魅力を伝える車両デザインの提案
MaaS (マルチモーダル) の視点では、これらを観光目的のアプリなどに展開していくのもひとつの解決案になるという話になりました。今後は、こうした課題解決の取り組みを具現化するよう進めていきたいと考えます。
今回の主催とした有志グループ「カロッツェリア」は、Facebookグループですので、この活動に興味・関心をお持ちの方は、ぜひFacebookのほうから坂本までメッセージください。
次は、東京でのイベント「Tesla x Mobility」を企画しています。最新情報は、Twitterでも発信していますので、ご確認ください。
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