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店主と、本のある暮らし July 2022

こんにちは。いどうほんやKOKOです。
Instagramにて連載中の、【店主と、本のある暮らし】を
noteにも投稿していきたいと思います。

本との出会いや、交流のきっかけになればとても嬉しいです。


たんじょうび

July 2, 2022

明日、旭川にあるサロン(@nine.asahikawa)の、開店6周年&新店舗の開店記念イベントに参加させていただくことになりました。

お店のイベントの準備の様子をSNSをとおして拝見していると、お客様への感謝の気持ちや、当日お客様をお迎えするのを楽しみにしている、わくわく感にあふれていて、あたたかい気持ちになります。

この感じ『たんじょうび』の物語にそっくり!
大好きな誰かのために、お祝いの準備をするのって、それも、みんなで準備するのって、楽しいですよね。

みんなでパーティをしたあとに、ごく身近な人だけで、ゆったりまったり余韻にひたる、あの時間も、私は好きです。
『たんじょうび』には、その余韻も描かれていて、やっぱり、好きです。

明日が楽しみ!
ぜひいらしてくださいね!

***
『たんじょうび』
文・絵:ハンス・フィッシャー
訳:おおつか ゆうぞう
発行:福音館書店 1965年初版


BIRTHDAY BOOK 20歳のあなたへ

July 7, 2022

きょうだいげんかって、どうしていますか?
わたしは、基本的には何もせずに見守って(放置して)います。

感情的になって声が大きくなったり、言葉が出てこなくて手が出てしまったりしても、助けての合図がない限りは、本人たちにお任せ。

でも、どうしても見過ごせない態度や状況がいくつかあって、そういう時は、ついつい怒ってしまいます。

怒っても伝わらないのだと、分かりつつ。
でも、どうか伝わりますようにと祈りつつ。

どちらにせよ、感情がたかぶっているときは、ごめんなさいは難しいものですよね。
きちんとクールダウンして、考えて、遅くなっても、ちゃんと謝ることができればOKではないでしょうか。

わたし自身も気をつけなくては。
ごめんなさいを言えた時に、ちゃんと受け止めて、許してあげること。

***
『けんかのたね』
著:ラッセル・ホーバン
訳:小宮 由
絵:大野 八生
発行:岩波書店 2022年初版


もしぼくが本だったら

July 11, 2022

本が好きな方は、きっと気になってしまうはずのこのタイトル。

ポルトガル生まれの絵本です。
絵や文章はもちろんなのですが、手触りも本当に素敵です。
本への愛情、信頼が詰まっています。

うんうんと頷きながら読み進める中、一つだけ、勇気を出して異を唱えたい部分が。
それは、「本棚のかざりにするのはかんべんしてほしい」というところ。

実はわたしは、本は飾っておいても良いと思っています。
いつか読みたいと思っていたり、人生を変えた大事な本だったり
装丁が好きだったり
様々な理由で、飾っておきたい本は、きっとあると思うのです。

本は、読むだけじゃないと、わたしは思っています。
そこにあるだけで、その人にとって価値のある本が、あると思うのです。

それに、『もしぼくが本だったら』自体が、飾っておきたくなる本なのですから!
KOKOで見つけたら、ぜひ手にとって、読んで、眺めてみてください。

***
『もしぼくが本だったら』
文:ジョゼ・ジョルジェ・レトリア
絵:アンドレ・レトリア
訳:宇野 和美
発行:KTC中央出版 アノニマ・スタジオ 2018年初版


2ひきのカエル そのぼうきれ、どうすんだ?

July 13, 2022

先日、札幌の絵本専門店、「ちいさなえほんやひだまり」さんに伺いました。
店主の青田さんに会いたくてお店に通う方が多いことは有名ですが、実際にお話ししてみると、その理由がよくわかります。

わたしもついつい長居をしてしまいました。
いろいろなお話を伺いながら、わたしはどんな本屋さんになれるだろうかと、自分を見つめ直す時間にもなりました。
胸がいっぱいになりながら、最後に、ぜひ本を選んでほしい!とお願いしました。
お願いしたのは、始めたばかりの読み聞かせボランティアで読む絵本です。

青田さんが、すぐにおすすめしてくださったのは、この『2ひきのカエル そのぼうきれ、どうすんだ?』でした。

カエルのお話って、どうしてこう面白いものが多いのでしょうね。
カエルの掛け合いが愉快で、絵も素晴らしく、どんどん画面に引き込まれます。そしてラストもいい!

さて、読み聞かせ当日、子どもたちの反応はどうだったでしょう?
じーっと聞き入ってくれていた子どもたちが、最後の見開きページで、静かな驚嘆(感嘆でしょうか)の声を漏らしたのを、わたしは聞き逃しませんでしたよ!

実は、読み聞かせボランティアは、やってみたかったことの一つ。
また一つ、やりたいことを始められたことに、感謝です。

***
『2ひきのカエル そのぼうきれ、どうすんだ?』
作・絵:クリス・ウォーメル
訳:はた こうしろう
発行:徳間書店 2022年初版


はじめてのキャンプ

July 15, 2022

我が家のキャンプデビューは、長女が3歳の頃でした。
初めてのキャンプなのに、思い立ったが吉日、10月に決行したことを思い出します。
初めてのテント設営に、みんなワクワク!
初めてのキャンプ飯は、体も温まるしゃぶしゃぶにしました。

夜、近くにあった温泉に歩いて向かっている途中、突然立ち止まった長女が、
「今日はありがとうございます。よろしくお願いします」と、丁寧にお辞儀をしました。
夫婦できょとんとしていると、キャンプが楽しくて、そんなことを言ったのだとか。

へえ!キャンプってすごい!!

まだまだ赤ちゃんだと思っていた長女の成長に、涙が出そうになりました。

この本に出会ったのは、初めてのキャンプから帰ってきた後でした。
正確には、本のことは知っていたので出会ったのはもっと前ということになりますが、顔見知りから友達になったのは、このときでした。
目にした瞬間、初めてのキャンプの感動が蘇り、思わず手に取り、我が家の大切な一冊になったのです。

どんな本を選ぼうか迷ったときは、「あ、何か気になる!」という自分の心の動きに素直に、選んでみるのが一番!

いどうほんやKOKOは、みなさまに、大切な一冊を見つけてもらえたら嬉しいなと思っています。
そのきっかけを作ることができたらいいなと、思っています。

***
『はじめてのキャンプ』
著:林 明子
発行:福音館書店 1984年初版


おおきなきがほしい

July 18, 2022

保育園のころ、大きくなったらやりたいことというテーマで絵を描いたことがあります。

友だちがみんな、お店屋さんや運転手などの職業を描いている中、私は大きな木のてっぺんに登っている絵を描きました。

その絵を誉められたのか、それともやんわりとたしなめられたのか、両方かもしれません。
とにかくそのとき、あ、なんだか人と違うことをしたらしいということが子ども心に印象に残り、その絵のことを今でも覚えています。

さてその頃から、おおきな木への憧れがあったわけですが、大人になった今でも、ツリーハウスにはワクワクしてしまいます。

『おおきなきがほしい』には、そんな憧れやワクワクが、ぎっしり詰まっています。
じっくりじっくり見比べながら、何度も読みたくなる絵本です。
ラストも、とても素敵ですよ!

***
『おおきなきがほしい』
作:さとう さとる
絵:むらかみ つとむ
発行:偕成社 1971年初版


手紙屋

July 21, 2022

もうすぐ夏休み。学校では、面談も行われているようです。
受験生にとっては、いよいよ本格的に勉強モードに切り替えていく季節でしょうか。

自分がどうだったのか、もうすっかり忘れかけていますが、進路を決めることは本当に難しく、ずっと迷路から抜け出せずにいた記憶があります。

何になりたいか、何が向いているか、そんなことばかりをぐるぐる考えていたような気がします。
あとは、安定して生活できるかどうか。
どれもわからなくて、わからないのに決めなきゃいけない、決めないと進路が選べない!目標が定まらない!勉強もできない!時間がない!と、ストレスフルな毎日でした。

本当は、考えるべきことはそんなことではなかったのだと、この本を読むとわかります。

実際に社会人になり、あーでもないこーでもないと何年もかけて少しずつ見つけていったものが、この本にはありました。
(もちろん、あーでもないこーでもないと見つけていくことも、とても意味のあることだとは思います!)

少しそれますが……
悩んでいる時、迷っている時、困っているとき、自分の都合さえ良ければいつでも相談できる相手が、本屋さんや図書館の本棚にはたくさんあるということを、ぜひ覚えていてほしいと思います。

いろいろな時代のいろいろな国の、実在する人物から架空の人物まで、たくさんの相談相手がいて、じっくり対話ができて、その中で、きっと自ら答えを見つけることができるはずです。

わたしも、本屋として、司書として、そのお手伝いができるように頑張ります!

***
『手紙屋』
著:喜多川 泰
発行:ディスカバー・トゥエンティワン 2007年初版


本が紡いだ五つの奇跡

July 25, 2022

以前の投稿でご紹介した、『水曜日の手紙』が大好きになり、森沢明夫さんの本をもっと読みたいと思って手にした一冊です。

編集者、小説家、ブックデザイナー、書店員、読者
一つの本をめぐる5人それぞれの人生の物語。
それぞれの物語なのだけれど、繋がっています。

それぞれの登場人物が大切にしている、大事な人への「思い」も素敵です。

短編や、章ごとに視点が変わり、それが緩やかに繋がっているという物語は、驚きや感動があって大好きなのですが、これまでは、どこか、虚構の中のお楽しみと思って読んでいるところがありました。

それが最近は、物語が繋がることこそにリアリティを感じるようになってきました。

人はそれぞれ、別の人生、別のストーリーを生きているけれど、その中で誰かが起こした一つの行動や、何気なく発した言葉が、その他の人の人生に少なからず影響を与えて、また次の行動を起こす原動力になり、次々と繋がっていく。

あの時の、あれが!と、後になって気がついて、胸が熱くなることもあります。

人って、繋がって影響しあって、思い合って生きていくものなのですよね。

ああ、面白かった!!
ジーンと響いています。
KOKOにてお取り扱い中ですので、見つけたら、手に取ってみてくださいね。

***
『本が紡いだ五つの奇跡』
著:森沢 明夫
発行:講談社 2021年初版

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