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レティシア書房店長日誌

「編集グループSURE」の書籍販売を開始しました。

 「編集グループSURE」は、京都市左京区で設立した女性二人の出版社です。自分たちの会社のことをこう表現されています。
「「編集グループ〈SURE〉」は「街の律動をとらえる」(Scanning Urban Rhyme Editors)ことをめざして、京都から活動をはじめた集まりです。 楽しく、美しいと思えるものを手づくりすること、街を自分たちの足で歩くことから、この試みを育んでいきたいとわたしたちは思っています。文字を通しての表現にとどまらず、絵画や映像、あらゆる造形の領域に視野をひろげて、人と人とのつながりを紡いでいくことを心がけます。」
 実は以前、この出版社の鶴見俊輔さんの本を左京区の「恵文社」で買っていて、その頃からSUREさんのことは気になっていました。ご縁がなくそのままになっていましたが、先日SUREのお二人が来られて、やっとお付き合いが始まりました。

 鶴見の「もうろく帖」(2200円)、「もうろく帖後編」(2970円)、「鶴見俊輔全詩集」(3740円)、そして愛読していた北沢恒彦&山田稔「酒はなめるように飲め 酒はいかに飲まれたか』(2冊セット1650円)を、納品してもらいました。
 平野甲賀&黒川創「ブックデザインの構想」(1540円)は、初めて見ました。これ、二人のブックデザインについてのセッションで、パラパラとページをめくってみたのですが、面白い!いずれ、ゆっくりと当ブログで紹介いたします。

 2013年に発行されて、それ以降も版を重ねているのが瀧口夕美さん「民族衣装を着なかったアイヌ」(2750円)。著者は、1971年阿寒湖畔で生まれました。父は和人、母はアイヌでした。観光地ではアイヌの民族衣装に身を包み、それらしく振舞っているものの、日々の生活ではアイヌだと実感できるのことは皆無でした。「アイヌってなに?」。その疑問に答えるように、北海道やサハリンで生きる女性たちが彼女に伝えてきたことを、記録したのが本書です。私も読みたかった一冊でした。初めて知ったのですが、著者の瀧口夕美さんは「SURE 」のお一人でした。本書は刊行から10年で、5刷になりました。
 年に4冊ほど新刊を発行しているとのこと。最新刊は、山田稔&黒川創編「多田道太郎」(2420円)です。

 多田道太郎は1924年生まれ。フランス文学者にして、現代風俗にも造詣の深い人物です。「日本文学の読みっぷりも、自由自在。ユーモアがあって、へんくつ。皮肉な意地悪の持ち主でもあった。こんなに変わった人は、めったに、お目にかかれない」と、SUREのHPで紹介されています。文学者として深い見識を持つ二人の対談だけに、知的興味がそそられる一冊です。しかも、わかりやすい!
 どの本も手作り感満載のデザインで、全部読みたくなってきます。少しづつ紹介していきますが、ぜひ棚を見にきてください!

●レティシア書房ギャラリー案内
12/13(水)〜 24(日)「加藤ますみZUS作品展」(フェルト)
12/26(火)〜 1/7(日 「平山奈美作品展」(木版画)
1/10(水)〜1/21(日) 「100年生きられた家」(絵本)
1/24(水)〜2/4(日) 「地下街への招待パネル展」

●年始年末営業案内
年内は28日(木)まで *なお26日(火)は営業いたします。
年始は1月5日(金)より通常営業いたします


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