見出し画像

レティシア書房店長日誌

「地下街への招待」展(2月4日まで)

 Towersさんが、ミニプレス「地下街への招待」B1&B2を持って来られたのは、1年ぐらい前だったと思います。これは、全国に点在する昭和の香りが漂う地下街を撮影したもので、B1の特集は、「金沢都ホテル地下街」。そして、B2は「神戸元町名店街」が取り上げられています。面白いところに着目する方だなぁ〜と思いました。そこで、パネル作品があるなら展示しませんか、と提案しました。若い方にはあまり馴染みのないかもしれませんが、青春時代、あるいは社会人なりたての頃に、あぁこんな地下街通ったなぁ〜と思われる方も多いはず。
 「地下街を巡るきっかけにとなったのは、2016年、金沢にある[ブラザービル地下街]との出逢いでした。少し怪しいような…けれど魅惑的な看板に導かれるまま階段を下り、昭和で時が止まった空間が広がる光景を見た瞬間の衝撃と興奮は今でも忘れられません。(中略)地下鉄や地下駐車場と接続する大規模な地下街に比べて、小規模な地下街の場合、集客力が困難という課題があり、地上から地下へ、あるいは地下通路から地下街へ誘いこむための仕掛けが必要となります。 それが、“地下街への招待”でした。 現存する地下街は、昭和30年〜50年に建設されたものがほとんどで、老朽化などの理由から、年々減少の一途を辿っています。地下街という消えゆく昭和遺産を、記録として残したい。本書は、そんな思いを込めて作成したものです。」とB1号の巻頭に書かれています。
 

大岡山地下飲食街(東京都大田区)

決しておしゃれな地下街ではなく、中にはどきつい看板の見受けられますが、仕事帰りに一杯!というサラリーマンや、友達同士で一服という多くの人たちのざわめきが聞こえてくるような写真が並んでいます。
 しかし、よくもまぁ、ここまで取材しました!近畿、福岡、東京、愛知、新潟、山形、そして北海道まで足を伸ばし、写真を撮影しています。パネルで展示されているのは、大阪、東京、石川、山梨、兵庫のそれぞれ趣向を凝らした地下街の入り口を撮った作品が並んでいます。大阪吹田の「吹田さんくす2番館」なんか、巨大な矢印→のネオンサインが天井からかかっています。ここしか降りるところはないという看板です。
 

吹田さんくす2番館

石川県の「ブラザービル地下街」のフォントの楽しさも、写真から伝わってきます。この地下街は今回の地震では大丈夫だったのでしょうか?また、昭和46年竣工の「マツダビル地下食堂街」は、今や営業しているのはヘアサロンとアトリエだけみたいですが、「飲食店が営業していた頃は、どんな賑わいを見せていうたのだろうか」と著者はつぶやいています。
 今回のパネル展では、「地下街への招待」B1(800円)&B2(1000円)以外にもポストカード(100円)、ステッカー(200円)、クリヤファイル(450円)を販売しています。
 そして、出来立てのホヤホヤの新刊「ポートピア花壇捜査隊』(810円)も届きました。こちらは、ちょっと面白そうだ!と感じた著者が撮影した、神戸の町に点在する花壇を撮ったものです。神戸散策のお供にぜひどうぞ。

●レティシア書房ギャラリー案内
1/24(水)〜2/4(日) 「地下街への招待パネル展」
2/7(水)〜2/18(日) 「まるぞう工房」(陶芸)
2/28(水)〜3/10(日) 水口日和個展(植物画)
3/13(水)〜2/24(日)北岡広子銅版画展





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?