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レティシア書房店長日誌

村瀬進「植物から、本から」出版記念原画展

 村瀬進さんの「植物から、本から 植物水彩画一木一草画文集3」出版記念原画展が、今日から始まりました。(1760円)
 村瀬さんは大津市生まれ。草津市立図書館司書を経て、多賀町立図書館長を2005年に退職され、水彩画を本格的に描くようになったということです。個展では、「草花や風景画を通して、自然や環境のことにも関心を寄せて頂き、本に触れて頂きたい。読書を通して、自然や環境に心を寄せて欲しい。」という思いから、絵に丁寧なキャプションが付いています。
 今回の個展は野に咲く草花が中心ですが、花の前に画帳を広げ2〜3時間で仕上げるのだそうです。ペンで描かれた迷いのない確かな線、清涼感のある水彩画の美しさ、誠実なお人柄が伝わってくるような絵の一つ一つに見入ってしまいます。村瀬さんの豊富な知識が、キャプションに反映されてとても面白いので、読んでみてください。(画文集に収められた文章とほぼ同じです)
 

ツユクサ

 画文集の中の「ツユクサ」の項には、葉室麟著「螢草」でツユクサの別名が「螢草」「月草」と知ったとあり、この小説の内容も書かれています。そうかと思えば、葉付きのニンジンを描いたページには、主婦と生活社「Farmer KEIKO農家の台所」のレシピを参考に作った料理が書かれていて、さすが本の専門家、守備範囲が広い!
 本だけでなく、例えば「サルトリイバラ」のページでは、BS・TBSテレビ番組「吉田類の酒場放浪記」で「この新芽が食べられることを知りました」と書かれています。「別名をサンキライといいます。枝に棘があり、猿がひっかかり捕まえられるという意味で名付けられたといいます」という解説も面白いですが、同じテレビ番組を見ていても好奇心も知識量も私とは大違いだと思った次第。
 

ホオズキ

草花を丁寧に描かれるのと同様に、常に社会や人の営みを低い目線でみておられることを温かい文章から感じます。ぜひ画文集も手に取ってご覧ください。なお、本書にはステキな山のスケッチも多く載っています。もちろんここでも興味深い本が紹介されています。画文集2(1760円)、ポストカード2枚組(100円)も販売しています。(女房)

●レティシア書房ギャラリー案内
6/5(水)〜6/16(日)村瀬進「植物から、本から」出版記念原画展
6/19(水)〜6/30(日)書籍「草花の便り」出版記念原画展 西山裕子

⭐️入荷ご案内
きくちゆみこ「だめをだいじょうぶにしてゆく日々だよ」(2090円)
森田真生「センス・オブ・ワンダー」(1980円)
友田とん「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する3 先人は遅れてくる」(1870円/著者サイン入り!)
川上幸之介「パンクの系譜学」(2860円)
町田康「くるぶし」(2860円円)
Kai「Kaiのチャクラケアブック」(8800円)
安西水丸「1フランの月」(2530円)
早乙女ぐりこ「速く、ぐりこ!もっと速く!」(1980円)
つげ義春「つげ義春が語る旅と隠遁」(2530円)
山本英子「キミは文学を知らない」(2200円)
たやさないvol.4「恥ずかしげもなく、野心を語る」(1100円)
花田菜々子「モヤ対談」(1870円)
子鹿&紫都香「キッチンドランカーの本」(660円)
夏森かぶと「本と抵抗」(660円)
加藤和彦「あの素晴らしい日々」(3300円)
Troublemakers (3600円)
若林理砂「謎の症状」(1980円)
「たやさないvol.4」(1100円)
「26歳計画」(再入荷2200円)
宇田智子「すこし広くなった」(1980円)
おぼけん「新百姓宣言」(1100円)
仕事文脈vol.24「反戦と仕事」(1100円)
降矢聰+吉田夏生編「ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト
(2530円)

 

 

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