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レティシア書房店長日誌

ドゥニ・ヴィルヌーブ監督「砂の惑星PART2」
 
先ず、最初に。いやぁ、まいりました!
前作「DUNEデューン砂の惑星」の続編です。だいたい、続編って出来が落ちるので心配していましたが、ヴィルヌーブ監督、相当気合い入っていました。映像表現に重きを置くことで、状況説明のダラダラした台詞回しを徹底的に省き、映像で、正確に言えば、映画の背後で生じる様々な音と映画を彩る音楽で、全てを表現してしまいました。
 砂の惑星デューンで繰り広げられていたアトレイデス家とハルコンネン家の熾烈な闘争は、ハルコンネン家の陰謀でアトレイデス家は滅亡します。(ここまでが第一部)なんとか生き残ったアトレイデス家の若き後継者ポールは、砂漠に住む原住民族フレメンと共に反旗を翻す準備を進めます。が、そこへハルコンネン家の次期後継者フェイドがこの星に送り込まれ、武力闘争を繰り広げていくのが物語です。まぁよくある権力闘争の物語ですが、砂と共に生きるフレメンの人々の描き方、あるいは戦闘能力などの表現が傑出しています。
 一作目を見たとき、人物の造形能力や舞台設定の広がり、そしてSF映画ならではのメカの描き方に驚き、ひたすら画面を凝視していたので、二作目では、もうこの世界に慣れてしまった(ブルーレイソフトで何度も見ているせいかも)ので、驚き感はやや削がれました。その分、登場人物たちの性格描写、神話的なバックボーン、そしてここまで描くか!と驚きの戦闘シーンにやはり圧倒されてしまいました。
 前作では、繊細な青年王子だったポールが、後継者として選ばれた業を背負いながら、孤独な戦闘に身を投じて成長してゆく姿を描き出していきます。パート3では、凄みの増したポールに出会えそうで、今から楽しみです。
 凄まじく面白い映画体験というのは、そうはありません。ほぼ3時間の長い映画ですが、どのシーン、どのカットにもこちらの身体が吸い込まれてゆきます。中学生のとき、初めて「2001年宇宙への旅」を観て、何がなんだかわからないまま、劇場を出たのに、もう一度、いや何度でもあの映像世界に戻りたいという衝動に駆られたことを思い出しました。絶対に映画館で見るべき作品です。できれば第1作を観てからと、おすすめいたします。

レティシア書房ギャラリー案内
3/27(水)~4/7(日)tataguti作品展「手描友禅と微生物」
4/10(水)〜4/21(日)下森きよみ 絵ことば 「やまもみどりか」展
4/24(水)〜5/5(日)松本紀子写真展

⭐️入荷ご案内モノ・ホーミー「貝がら千話7」(2100円)
野津恵子「忠吉語録」(1980円)
石川美子「山と言葉のあいだ」(2860円)
文雲てん「Lamplight poem」(1800円)
「雑居雑感vol1~3」(各1000円)
「NEKKO issue3働く」(1200円)
ジョンとポール「いいなアメリカ」(1430円)
坂巻弓華「寓話集」(2420円)
「コトノネvol49/職場はもっと自由になれる」(1100円)
「410視点の見本帳」創刊号(2500円)
_RITA MAGAZINE「テクノロジーに利他はあるのか?」(2640円)
福島聡「明日、ぼくは店の棚からヘイト本を外せるだろうか」(3300円)
飯沢耕太郎「トリロジー」(2420円)
北田博充編「本屋のミライとカタチ」(1870円)
友田とん「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する3 先人は遅れてくる」(1870円/著者サイン入り!)
中野徹「この座右の銘が効きまっせ」(1760円)
青山ゆみこ「元気じゃないけど、悪くない」(2090円)
Kai「Kaiのチャクラケアブック」(8800円)
「うみかじ7号」(フリーマガジン)


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