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レティシア書房店長日誌

松本紀子写真展 「kasane  flowers」

 「時にひいて見たり、時に近づいて見たり、
  私たちは物事を、さまざまな方向から捉えることができる。
  では、ひとつのものを多角的に眺め、
  視覚が切り取ったらそのひとつひとつを重ね合わせた時、
  そこにはどんな世界が生まれるのだろうか?」

 フォトグラファー松本紀子さんの、4回目の個展のテーマは花です。花をただ撮るのではなく、同じ花をさまざまな角度から9枚撮り、カメラの中でその9枚を重ねた(そんなことができるらしい!)写真です。重ね合わせた1枚は一切の加工を施さず、偶然できた効果もそのままにプリントしてあります。揺れているような、不思議な動きが感じられ、思いもかけない形に開いた花々。息をしているようにも見えます。
 

松本さんは岡山県出身。京都外国語大学を出て、現在は岡山でフリーランスのフォトグラファーとして活動されています。2019年写真集「そのかわり、その代わりに」を出した際、初めてレティシア書房で個展を開催しました。その後も、詩的で独特の雰囲気を持った松本ワールドを展開してきましたが、今回は、目の前にある「花」に対してひたすらシャッターを切っています。被写体と会話しながら素直に向きあっている、というか……..。
 花が揺れながら語りかけるようで、松本さんの試みがとても楽しい写真展です。2022年から、京都芸術大学通信教育部美術科写真コースに入学して、写真を学び直しているということです。そのことが作品にどのように影響しているかはわかりませんが、新しいフェーズに入った作品展をどうぞご覧くださいませ。
 

キューブ

作品は、すべて美しいアクリル板でスッキリとした仕上がりになっています。(20000円・10000円の2種類)、他に透明感のあるアクリルキューブの作品(10000円)、写真集(1000円・2000円)、ポストカード(150円)を販売しております。なお、京都市内で開催中の「KYOTO GRAPHIE」の一環で「KG➕」の黄色の幟が、店の前に立っています。目印にお越しください。(女房)

●レティシア書房ギャラリー案内
4/24(水)〜5/5(日)松本紀子写真展
5/8(水)〜5/19(日)ふくら恵展「余計なことかも知れませんが....」
5/22(水)〜6/2(日)「おすよ おすよ」よしだるみ新作絵本出版記念原画展

⭐️入荷ご案内モノ・ホーミー「貝がら千話7」(2100円)
野津恵子「忠吉語録」(1980円)
ジョンとポール「いいなアメリカ」(1430円)
坂巻弓華「寓話集」(2420円)
福島聡「明日、ぼくは店の棚からヘイト本を外せるだろうか」(3300円)
きくちゆみこ「だめをだいじょうぶにしてゆく日々だよ」(2090円)
北田博充編「本屋のミライとカタチ」(1870円)
友田とん「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する3 先人は遅れてくる」(1870円/著者サイン入り!)
平田提「武庫之荘で暮らす」(1000円)
川上幸之介「パンクの系譜学」(2860円)
町田康「くるぶし」(2860円円)
Kai「Kaiのチャクラケアブック」(8800円)
「うみかじ7号」(フリーマガジン)
早乙女ぐりこ「速く、ぐりこ!もっと速く!」(1980円)
益田ミリ「今日の人生3」(1760円)
島田潤一郎「長い読書」(2530円
つげ義春「つげ義春が語る旅と隠遁」(2530円)


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