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『クリムトの接吻 断章』を書きました。

兵士たちの婚姻を禁ずる皇帝に屈することなく彼らの婚姻を認めさせようとした男、聖ウァレンティヌスは処刑され、愛を贈り合う象徴となった───クリムトの接吻のカードを挟むなんて、プレリュードのピカルデントとフーガのはじまりのデデキント切断みたいだ。チョコレートで飢えや寒さや愛の希薄さを凌ぐことはできないのに。それでも、クリムトの接吻のような絵画、あるいは芸術は、愛すなわち僕を照らし導く光の断章かもしれない。
『クリムトの接吻 断章』スズキヒロ 

バレンタインは処刑された聖ウァレンティヌス(カトリックでは第二バチカン公会議で祝祭日を削除された)の逸話にちなんで、愛を贈り合う日。

愛というのは、一時の感情で流されるものではなく、また、他者に壊されるものでもない。
光として、ともしびとして、照らし、導くもの───動植物、懐かしい風景、空間すべて誰もが慎ましく愛し愛されますように……。

我妻さんの(詩)的ライナーノーツにてとても短いショートショートを載せて頂きました。

少しグロいですがBWV 851を聴きながらよろしければお読みください。

感想などありましたらお聞かせください。

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