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とりとめもないこと2022/05/10-18

物事、事象、表情、言動、空気、色、雲の厚み
空気の含む季節の匂い……、願い、叫び、悲鳴、歓喜、落胆、嫉妬、怒り、空虚、柔和、柔らかいもの、優しさ、泣く、泣けない。
泣けない。
読む、読めない、書く、書きたい、書けない。
満ちる、満ちない、満たす、満たさない、満たされない、また叫ぶ、叫べないから書く、やっぱり書けない。

クシャクシャにして丸めて捨てた紙。
好きな詩人の詩を書き殴った紙だ。
青味がかったインクでずっと書いていた紙。

誰かが読みたくなるような、自分が読みたくなるような文章を書けばいいのかもしれないけど、別にそんなものを書きたい訳じゃない。

なら、日記でいいじゃん、紙のノートに。
たしかにそうだ。トンビがたまに鳴くのが聞こえる。

俺が書いてることは、誰かにとって薄っぺらいどころか塵にもならない。何の為に書き始めたんだっけ?本また読むようになって、良い言葉を見たら惚気話をかきたくなったんだった。別に奥さんの容姿についてじゃなくて。草履履いてたときに可愛らしかったから。応援してる職人のラッパーさんに、「〇〇くんもラップしてみたら?」って言われて、俺は歌下手だから無理、って言ったら、「俺はポジティブなリリックに見せて結構愚痴と皮肉入れてるし表現するの楽しいよ」って返されて、文章なら書けるかもしれないってなったから始めた。
俺は根底にあるものがドス黒い。
綺麗で洗練されたものを見るとホッとする。
海とか、花とか、家族とか。

病んでるわけではなくて、そういう面倒くさいタイプなだけだ。

トンビが頭上高く旋回している。
食いながら海岸を歩こうとする観光客が食い物をトンビに掻っ攫われていく。
センスのない男と女が何人かゴミを海岸に置きっぱなしにして立ち去るのが見える。

昼、湘南の海岸の駐車場。
トラックを停めて運転席で弁当を広げる、いつもの昼。

現実の中では思い切り泣いたり笑ったりしなくなった。娘の些細なことでは笑ったりする。何でも「ミニー」と言う娘。俺の小さい頃とそっくりな顔つきで可愛い。奥さんと娘は何してるんだろう。飯食って、水曜日だから、奥さんはアルバイトがない日だ。

設備屋さんが2時過ぎにくる。
3時にはまた打ち合わせで逗子に行かないと。

雲、全部食べれたらいいのに。
5月の空の下、トンビが鳴く。

戦争の状況で何かないかiPhoneで調べる。
朝と特に変わりない。
マリウポリ事実上の陥落。
捕虜の兵士たちは家に帰って熱いシャワーを浴びてふかふかのベッドで眠りについて欲しい。
家に誰だって帰りたいだろ。

こんな風にクソほどどうでもいいこと書いて、誰かが理不尽な目にあってるのに、こんな風にクソほどどうでもいいこと書けるのってすごいよ。

誰が読んでも差し障りないどころか塵ほどどうでもいいことの為に手に入れた誰かの素敵な言葉を真似して表現する俺。理不尽なことに苦しんでるひとたちのことの為に表現しないの?

こんなことしか書けない。
書けないわけじゃない。
書きたくない。適当なことを書きたくない。

頭がおかしくなる。
トンビに乗りながら飯を食う。
旋回しながら上昇気流に乗って、高度10000メートルの上空からクシャクシャにした紙をきちんと広げて朗読することにした。

気温22℃
曇り時々晴れ

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