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手づくりの感動

プレゼントするのはすき。
されるのもうれしい、けどリアクションがうまくできない。
普段からわりと凪いでるほうなので、うれしい反応をしよう!とすると、嘘くさくなる。

「それ、ほんとに思ってますか?」

と何度言われたことか。
だから、自分の喜びや感動を伝えるには凪ぎつつも少し溢れてしまった喜び感を醸しだす必要がある。凪ぎつつも少し溢れる喜び?まあ、とにかく至難の技なのだ。
(喜んでいるフリをするのではなくて、あくまでも本当にうれしかったときに、ちゃんと伝えるための術だということは明言しておきたい)

こうして日々せっせこ喜びの演技力を高めていたあるお祝いごとの日。かねてよりフィナンシェ好きを公言していたので、フィナンシェ詰め合わせをプレゼントでいただいた。

「いっこカチコチのやつあるので、食べてください」

カチコチのフィナンシェ?
外のカリッとした部分のことだろうか?

そんなことを思っていたら、
あれ?これだけマスキングテープで封をされてるなあ。

「それだけ手づくりなんです」

こう言われるまでまったく気づかないのは自分でもどうかしているとおもうけれど、とにかくうれしかった。感動した。

いろんなブランド?お菓子屋さんのフィナンシェを集めてくれた労力がすでにものすごく嬉しいのに、ひとつ手づくり。
凪ぎつつも少し溢れる喜び、を表現する必要なんてまったくないくらい、ふつうにうれしくて、ちゃんと自分のうれしいがでてきた。

きっとこのフィナンシェは、
どのフィナンシェよりもおいしくて、
ずっと忘れたくない味になる。

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