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牛丼の食べ方に関する考察、ではない。

私が吉野家に行くのは大概酔っ払って帰りに一人でふらっと、って感じなので深夜が多い。お店には夜食の人もいるだろうし、持ち帰りを注文する人も結構な割合いる。私はそんな時決まって牛丼並盛り+生卵を注文する。同社の好業績を牽引する期間限定の新メニューには見向きもしない。保守的なおじさんだし酔っ払っているしでそもそもメニューも見ないのよね。

さて注文の品が速やかに配膳される。卵をといて牛丼にかけると結構バシャバシャになるので速攻でかっこんで食べてしまう。企業努力のうまい安い早いに負けないよう私もスピード感は意識している。少々お行儀は悪いがこれが牛丼を食す正しい作法であると信じている。

ところが周りを見回すとお箸でご飯をしっかり持ち上げて食べている人がほとんどなのである。このことを意識して数年経つと思われるが、感覚的には7〜8割はしっかりお箸を使う派だ。若い人もそうでない人も、総じて几帳面に持ち上げて食べている。卵の有無はわからないけれど。ファーストフードはがっとかっこんでさっと帰る(といっても帰り道だから急ぐわけでもない)ものだ、と多少お行儀悪いけどそれが私の流儀だからと、微かな羞恥心は感じながらもいつもそのようにしていたのである。

話は変わって小学校ミドルステージの息子は納豆ご飯が好きなのだがどうにもお箸がおぼつかずスプーンで食べている。おたまを小さくしたようなおあつらえのいいスプーンがあるので便利そうである。あのなあ、納豆ご飯や卵ご飯はスプーンで食べるもんじゃないよ、とたしなめたのだが待てよですね。納豆や卵かけご飯をどれだけジェントルに食べられるかなんてややナンセンスな話で。会社の近くにビーガン対応して欧米人も多く来るラーメン屋があるが彼らは上品にすするというかたぐるというか、見てるとイライラするぐらいなのだが正しく上品に箸で食べるとそうなりますね。だとしたら納豆ご飯をスプーンで食べるのは合理的でスマートなことなのかもしれない。と思い及んで以来、息子の納豆スプーンをたしなめることをやめた次第である。お箸を使うことは上手になってほしいものだが、今回は別の話になるので。

もし吉野家に丁度いいスプーンが導入されたら(あるのかもしれないけど)どう振る舞おうか、どうふるまうだろうか私は。多分スプーンでかっこむと思うなあ、こだわりというほどでもないスタイルに則りそうな気がします。飲みの締めに牛丼というパターン自体がまあ、アレなんですけどね。

最後に、ではラーメンをずずずーっと音を立てずに一番合理的に食べる方法は何かなあとちょっと考えたんですが、やはりパスタのようにフォークでくるくるが一番上品にいけそうではありますよね。すするカタルシスは得られませんけどね。外国人用にフォークを用意しているお店とか、あるのかなあ。



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