中国人による不動産爆買いと不動産バブル崩壊
中国人の爆買いと不動産バブル
普通のマンションは平均年収の100倍でも買えないという現象が起きている香港人や上海人にとって東京のマンションは比較的安く、外国人であっても所有権を完全に登記できる魅力があるし運用利回りも年4~5%くらいは見込めたため2015年には猛烈な勢いで東京のマンションが買われた。マンションの賃貸需要は実需であるため、個人の所得が上がっているわけではなく払える家賃も限られるため、物件の価格は上がっても賃料は上がらない。そのため運用利回りは下がってしまう。30年以上かけて家賃収入を得て元を得るのが基本だが、そう何十年も空室が一つもないことはあり得ないし新築時の家賃を維持するのも難しいため、健全な投資とは言えない。そもそも不動産投資というのは最初の数年は所得圧縮によって確定申告すれば所得税が多く帰ってくるので成功したと思えがちだが、それ以降は家賃収入がローン返済と管理費負担と固定資産税に消える。ワンルームマンション購入でも場所と市況がよほど良くても購入額の3割減は覚悟するのが普通。日本は経済成長が見込めないので基本的にマンション自体の資産価値の上昇は期待できない。
中国人以外にも、富裕層による相続税軽減のために課税評価額を圧縮できる都心タワマン購入も増えた。しかし国税庁はこのあからさまな租税回避に監視を強化する方針を取り、相続税対策のマンション購入は鈍化した。また、そもそも賃貸は供給過多状態であり空室率も高いので、マンション購入した人は借りてもいないし仲介業者から広告手数料を取られるしで大変。高度経済成長期までは日本住宅公団を作って廉価の公的住宅供給が進み、新築マンションは抽選でないと入れないくらい需要が大きかった。また、住宅金融公庫による35年ローンという仕組みが始まって中所得者でも住宅購入ができるようになり、住宅ローン控除や固定資産税の軽減措置などが施行されて家を買うことの規制が緩和されていった(これは建設業界や不動産業界が自民党の支持基盤であったことも大きい)。経済成長さえしていれば住宅や周辺インフラの需要も高まって価格が上がるが、現在の日本では不動産面積の98%が下落基調。
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