ドイツの電力における課題 再生可能エネルギーか原発か

①ドイツが抱える電力課題は、原発が停止したらどうなるか

連邦ネットワーク庁によると点検で停止した原発がこのまま停止すると、一年の冬には南ドイツやシュツットガルト界隈で断続的な電力不足が発生するという調査が出た。ドイツの冬は日照時間が短いので太陽光発電は役に立たない。風力発電もあまり期待できない理由は、2009年にロシアがウクライナとのガス価格争いでウクライナへのガス供給を停止した際に、ドイツ含めた西欧にもガスが来なくなったため、ドイツがその電力を風力で補おうとしたら数日間風が全く吹かなかったということがあった。しかし2012年のドイツに大寒波が訪れた際、ドイツでは停電は起こらなかった。オーストリアとの協定で電力を融通してもらったり、万が一には石炭や褐炭を燃やす発電をすればいいという選択肢もある。

②ドイツの電気代が高い理由は再生可能エネルギーのせい

欧米の中でも特に高い理由は、再生可能エネルギーに支払われている助成金が大きいから。1991年に成立した再生エネルギー買取法に基づき、再生可能エネルギーで発電された電気は20年間全量買い取りが保障されている。法人や個人が有する巨大なソーラーパネルや風車によって発電された電気はその土地の電力網を持つ送電会社が買い取ってくれる。しかし再生可能エネルギーの生産は金がかかるので、それを助成するための買取価格は自動的に高くなるし、高く買い取った電気はそのまま市場には出せないので、市場価格との差額分は消費者が負担しているという構図。

③風力発電・太陽光発電それぞれの課題と現状

風力発電が実用化しきれていないのは、発電した電気を蓄電できないこと・送電線の敷設が遅れていることがある。太陽光発電は送電や蓄電の課題は解決しやすいが、だとしても採算が合うところまでは永久にたどり着けない。洋上風力発電も課題が大きく、巨大な支柱を改定に埋め込むだけでも大変、北海もバルト海も波が大きく荒れるために作業員が船酔いで使えなくなったりということもある。さらには戦争の影響で掘削の前に不発弾の探知と除去も必要。さらにはそこに生息するクジラを保護するために掘削の騒音が制限されたり保護へ基を設置することを義務付けられたりと環境問題も大きい。そもそも風車に鳥が飛び込む危険性もあるため当初から環境保護団体からの抗議の声も上がっている。

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