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voices -LIVE FUN!!- 全体曲特集

FUN INTERVIEW

(取材・文:蜷川)
それでは、まず最初に自己紹介をお願いします。

ぶくまぶくまと申します。この企画では以前 Team. Stella の回で参加させていただきました。そして、 LIVE FUN!! DAY2 のチケットを握れておりません。
ponponと申します。LIVE FUN!! はお仕事で参加ができません……。どうぞよろしくお願いします……。

☆全体曲と振り返るシャニマスのこれまで

283プロ全体の曲としていろいろな思い入れのある曲が多いと思いますが、まずはシンプルに曲として好きな曲についてお伺いできればと思います。

pon:曲として好きなものだと、僕は『Resonance⁺』ですね。
ぶくま:あぁ……、いいよね……。
pon:初めて色が揃った、……と思ってたんですが(笑)。当時は揃ったなーという感慨深さがありつつ、ライブでも Off Vocal 版がよく流れていたことも含めて思い出に強く残っています。彼女たちが歩んできた軌跡を示してくれていて、その気持ちがこれからも変わらず繋いでくれる気がしまして。当時は SHHis 初期のなかなかに不穏というか不安な描写が多かったこともあって、この曲を通じてシャニマス全体として安心感と期待を抱けました。そういう過渡期だったのもあってより深く印象に残っているのかもしれません。
ぶくま:3rd ライブツアーが合計で 6 公演あって、その告知映像の際にずっと流れていたので、単純に聴く機会が多かったというのは間違いなくありそうですよね。ただ、3rdライブツアーそのものの魅力かもしれませんが、回数そのものだけでなく公演を重ねていくごとに曲が育っていく過程が強く感じられたのも『Resonance⁺』の思い出として強いです。また、この曲は MOIW 2023 の DAY1 でのシャニマスの自己紹介曲としても使われていて、ここでは「5ブランド揃った」という感動があって、何か集まったことへの祝福みたいなものを感じさせる曲なのかもしれません。

ぶくま:私の方の好きな曲は、歌詞に重きを置いてしまうところもあって同じく思い出の補正が乗ってしまうのですが、やっぱり『シャイノグラフィ』が好きですかね。雲の上に上る太陽を感じさせる夜明けのようなドラムと駆け上がっていくメロディがすごく気持ちよくて。そしてアウトロのピアノのフレーズもすごくきれいな終わり方をするので、まさに序盤・中盤・終盤隙のない曲だなと思います。GR@DATE WING 01 好きすぎオタクなのもあるんですけど、ヒゲドライバーさんにはまたシャニマスに曲書いてほしいですね。

ぶくま:GW01 の曲は当時からどんどん独自の歴史の積み重ね方をして進化していっていますし、プロデューサー感謝祭の円盤もついてくるという今では考えられないお得な盤なので是非 CD で手に取ってみてください。
pon:他ブランドでもそうですが、シャニマスでも CD の優位性としてのスペシャルオーディオドラマが付いてくるのも嬉しいですよね。サブスクや買い切りの配信では手に入れられないので、このオーディオドラマ目当てで CD を買っていますね。シャニマスはコミュが好きな人も多いブランドだと思いますので、サブスクも始まって少し影が薄くなってしまっているのはもったいないような気もします。
ぶくま:刺さる人は確実に多いはずなんですけど、イベコミュのように同時多発的に読むタイミングがないので話題として流れて行っちゃうんですよね。
pon:そういう難しさはありますけど、ぜひ聴いてほしいですね。
ぶくま:最近だと CANVAS 03(放クラ)と CANVAS 05(ストレイ)が「こんな美味しいもの食べていいのか」って思っちゃうぐらいニコニコになるんでオススメです。

次に、先ほども少し触れられましたが全体曲の中で思い入れの強い曲や紐づいた思い出がありましたら教えてください。

ぶくま:う~ん……、思い入れはもちろん全部あるのですが、今だと『虹の行方』が特に強いです。歌詞にある「照らすよ どんな 過去でも未来でも」というフレーズが本当に大好きで、各ユニットバージョンが出るたびにここを誰が歌うのかを楽しみにしていました。それに加えて、多くの人に刺さっているであろう『YOUR/MY Love letter』の重要なシーンでも流れています。私個人の経験になるのですが、当時就活がなかなかうまくいっていなかった時期にあのコミュを読んでいたのもあり「私の代わりなんていくらでもいる」と考えていた時期でした。親元を離れて一人暮らしをしていたそのタイミングで、なおかつ誕生日が 4 月 12 日なのでそのコミュのイベント期間と近いという偶然が重なりまくった結果自分とすごく重ねてしまって、その中で流れた楽曲だったので「……ああ、優勝」ってなってました。また、ライブの方では 5th ライブ、とそのコメンタリー付き同時視聴配信で高山Pが「アイドルがアイドルである道を選ぶことは当たり前ではない」ということをおっしゃっていて、他の可能性を選ばずにアイドルを選んでくれていることが嬉しいと思わせてくれる曲でもあります。成長とは可能性を捨てていくことと言ってしまえばそれまでなんですけど、それでもアイドルを選んでくれたことを嬉しいと思って、その上で選んでくれたことに対する責任を負わなければならないと気持ちが引き締まります。実際、自分自身も幼少期にやっていたピアノを続けていたら、中学まで続けていた野球を続けていたら、違う高校・大学、違う就職先だったら。そもそもアイドルマスターに出会わなかったらどうなってたんだろうと考えて、どれを選んでもそれなりに楽しいし、後悔することもあったんだと思います。『虹の行方』と 5th ライブが響いて、後ろ髪を引かれるような選ばれなかった道がたくさんあっても自分が今いるこの道を大切に思おうと考えるようになったんですよね。今この道にいるのは過去その時々の正解を選んできた結果だからいいんだって肯定させてくれるようになる曲だったので、『虹の行方』が今の私の生き方の大きな軸として一本あります。
pon:「違う旅を選んだ私も」「何処かで 何かに励んでる」って歌詞もありますもんね。
ぶくま:その違う私に対して「元気でね」って手を振れるようになったのがこの曲に与えてもらったものだと思います。4~5周年のタイミングではシャニマスのコミュでも未来を選び取ることが全体のテーマとして描かれているようにも感じたので、まさに「周年」としてもこれ以上ない曲です。
pon:私の思い入れの強い曲はぶくまさんの『虹の行方』の B 面に入っている『Daybreak Age』なんですが――。
ぶくまっぱ PANOR@MA WING 01 なんだよなァ~~!(机を強く叩く音)
pon:いやほんとに(笑)。たどり着いたよね、という嬉しさが『虹の行方』もそうですけど、この CD 全体強く感じるところです。『Daybreak Age』って本当にアイドルソングなのかって思うような歌詞をしているのですが、4th ライブでの手紙の演出も含めて今まで駆け抜けてきたアイドル達がこれからも挑戦していくことは間違いないんだ、という宣言のような役割を『Daybreak Age』が担っているように感じました。そんな覚悟を 4th DAY2 で浴びせられたというか、叩きつけられましたね。
ぶくま:シャニマス全体としてもいくつか大きめの躓きがあった 4 年目でもあったので、それでもやっていくんだというのをこの曲からは感じられましたね。
pon:改めての決意表明みたいなものがあったのかな、というのは歌詞だったり思い出だったりを振り返ると間違いなくあると思っています。『Daybreak Age』は 5.5th DAY2 の最初に披露された曲でもありまして、あまりに前川さん(大崎甜花役前川涼子さん)が甜花すぎたんですよ。もともと絵を描くのが趣味なものの自分の絵を自分のアカウントで投稿することがなかったんですけど、あまりに良すぎて落書きを上げるってことがあったぐらいでして。5th のオーコメで甜花を舞台上でやる上で甜花になり切らなきゃって強く意識しすぎていたというお話をしていまして、その後にもう甜花そのままなんだけど前川さんの良さも表に出ているのも感じられてたので担当として感慨深く鮮明に記憶に残っています。

pon:あとは、『FUTURITY SMILE』……、あの、ちょっといいですか。『FUTURITY SMILE』ってマジで本当にライブで全然披露されていなくて――。
ぶくま:それは本当にそう!!全然聴けてない!!!前回披露が『SETSUNA BEAT』だからぼちぼち 2 年前になるのか……。
pon:『我儘なまま』とかでもやるんじゃないかと思っていたんですけどね。それこそライブのコンセプト的に『LIVE FUN!!』ではやるんじゃないかと予想しているんですけど、でも自分が現地にいないから……複雑だな……ってのは置いておいて。自分の感情が揺さぶられる曲にバラード調の曲が多いの言うのもありまして、最初の頃からシャニマスが大切にしている温かい側面がこの曲に詰まっていると感じています。最近少し味の濃さが前面に出てきているからこそ、またこの温かいシャニマスに触れる機会をこの曲を通じて得たいなと思っています。ライブに絡めた思い出だと、283フェス(283フェス 2021 Happy Buffet!)の DAY1 の締めで歌ってくれていたのがしっとりと残っていまして、当時は先ほどもぶくまさんがおっしゃっていた通り色々と躓きのあったタイミングだったのもありながら、それでもフェス形式の配信などの新しい試みをしようという挑戦心をすごく見せてくれていた時期だなと、今振り返ってもそう感じますね。もちろんバラエティ色も強く楽しい思い出もありましたが、その一方でどうにかしてあの状況を乗り越えようとあの「場」に集ったすべての人が抱えていた答えの出しづらい思いを、しっかりと嘘偽らずにそのままのカタチに残してくれたのが『FUTURITY SMILE』だったのかなと。どんな気持ちに対しても無理に嘘をつかず、感じるままに感じていい、そして私たちは前を向いて進んでいくよというメッセージをもらったような気がしました。
ぶくま:DAY1 の方はアンティーカのライブあたりからもうずっと祈りと願いのための時間というか、感情をそのまま発露する時間でしたね。
pon:あともう 1 曲だけ思い入れでねじ込ませてもらうと、甜花 P としてはやはり『Let's get a chance』は披露の回数も多くアレンジもいろいろされていて、合同でも他ブランドの方に歌ってもらえるなどすごく愛されていて嬉しいです。シャニマス楽曲の中でこういったパーティーソングというかすごく明るい全体曲って珍しくて、そんな盛り上がる曲の際にコメント欄が自分の担当の名前で埋まるのは不思議な現象ですけどにっこりしちゃいます。
ぶくま:やっぱり全体曲ってライブの文脈がユニット曲以上に強く乗ってきますよね。本当に全部のライブへの思い出が全部紐づいているので語ろうと思ったら全部なんですよね~~~。
pon:(笑)
ぶくま:でも色々思い出しているとシャニソンがすごく周年ライブのステージへのリスペクトというか愛、……ほぼ執着みたいなものを抱えていると思っています。リリース時点では1st を意識した『Spread the Wings!!』、 0.5 周年では 2nd みたいなステージの『Ambisious Eve』になっているんですよ。ってなると、周期でいえば 1 周年で『シャイノグラフィ』が来ると思うんですけど、それは――。
pon:やっぱり『MUSIC DAWN』ですかね。
ぶくま:っすよね~~~~。MV の技術とかも元からすごいですけど、ドローンの空撮とかやってくれるのかな~~って期待してます。
pon:うわ、それは観たい。
ぶくま:私自身のシャニマスの原体験として『MUSIC DAWN』から 2nd ライブ、そこから間髪入れずに始まった 3rd ツアーがすごく大切なものとして残っているので、個人的にここら辺の再現をしっかりとしてくれるのに期待しています。でも今思い出してみてもあの時期のライブの詰まり方異常ですよね。
pon:ほんとおかしいよなぁ。2nd から 3rd にかけてもそうですけど、最近も 6th で、6th 大阪で告知した 7 月の『LIVE FUN!!』がまだ終わっていないのに 横浜で 10 月の 6.5 th の告知をしやがるんで、バカがよって笑いながら叫んでましたね、あの告知は。
ぶくま:いや、ほんと。で、話をシャニソンに戻すと、『シャイノグラフィ』が出るならそれにあわせて歌える人数を増やすだけじゃなくて、例えば 2 人だけにできたら嬉しいなって(しきりに机を強く叩く音)。
pon:それって完全に『我儘』に脳を焼かれてるじゃないですか(笑)。
ぶくま:また脱線するんですけど、あの我儘 DAY2 の『シャイノグラフィ』で「羽でも生えてた?」のセリフで分かった人、「構え」で分かった人、イントロで分かった人みたいに段々と気づく人が増えたのが面白かったです。……ということで、シャニソンでもこれからどんどんと周年曲が増えていくと思うのですが、シャニマスの周年曲ってその年に掲げられているテーマというものを間違いなく反映していると思うので、今後もいろいろな形でそれを振り返ったり、新しい意味を見出す場が増えていくんだなと思うと楽しみですね。まあ今後はさらにジムシャニとかも増えて、クリスマスに合わせて話の進行がどうなってくるのかとかも怖いですが……。
pon:全体曲を追うだけでもシャニマスの歴史をざっくりとではありますが追いかけることができるのはありますよね。初めて触れる人にも、シャニマスをどんどん知っていっている人にも改めて周年曲を歴史に沿って聴くことは何かそれぞれのタイミングでの発見があると思います。
ぶくま:今回ミュージックレビューは私が A 面、pon さんが B 面という分担をしているのですが、改めてそれぞれの経年変化を追いかけてシャニマスの歴史を振り返る機会になりました。

☆思い出の一歩先に息づくアイドルマスターシャイニーカラーズ

シャニマス以外のアイマスブランドでも全体曲はありますが、曲も含めて「シャニマスらしさ」みたいなところはどのようなところから感じますか?

pon:他ブランドを観ていて、例えば SideM は今までやってきたことに対してアイドルを通して肯定することへと最終的につながっていくストーリー性があると思っています。
ぶくま:社会人になって初めてわかる良さがね……。デレマスは総選挙の結果としての全体曲という意味合いが大きいのですが、cg_ootdからは個性の尊重と独立、みたいなことすごく大切にしているかなと思いますね。それこそ最近は『認めてくれなくたっていいよ』とか『UNIQU3 VOICES!!!』とかもそうですが、全体曲だけでなくユニット曲からもそのようなメッセージ性が強くなっているのかなと感じていますね。
pon:それは間違いないですね。対してシャニマスは彼女たちに対するドキュメンタリーと言いますか、シャニアニもいろいろと意見はあると思うのですが、やっぱりそこを意識して描こうとしているのはどう切り取っても感じるところですね。
ぶくま:公式のインタビューで「彼女たちをカメラで映しているだけ」という話もありますよね。
pon:この考え方みたいなものが全体曲にも強く表れているように感じます。画面に映っているからアイドル、というわけではなくて、彼女たちの人生としてアイドルをやろうとしているんだろうな、みたいなことがシャニマスの良いところでもあり……、悪いところでもあるかなって(笑)。これと通ずるところがあると思うのですが、アイドルじゃない人物たちがすごく丁寧に描かれているなって思います。モブのファンがいるってなかなか異常じゃないですか(笑)。
ぶくま:当然のごとくモブの名前が出てきて、モブと言うのも違うなって思わされますよね。アイドルもその人たちから見たら「名もなき人」かもしれないという平等さがすごく真面目というか真摯だなって思います。なんというか、世界を映しとろうとしているっていうか。
pon:言葉でいうのはすごく簡単な作業だと思うんですけど、その思想をコミュという表現媒体の中で匂わせることって難しいはずなんですよ。でもそれを実現し続けて、そこに惹かれた人たちがシャニマスというコンテンツにズブズブ埋まっているんだろうなとは思いますね。
ぶくま:その世界の広がりは 2022 年のイベントコミュで全体的に強く色が出ていましたね。『はこぶものたち』から始まって『アフター・スクール・タイム』、『YOUR/MY Love letter』……。そして『かいぶつのうた』もありましたしね。
pon:締めとして『線たちの12月』も良かったですね。
ぶくま:『線たちの12月』は結構深く刺さっています。「火の用心」をキーワードとしているじゃないですか。それってそうあってほしいという願い、祈りだということをおじさんが言っていてすごく腑に落ちたというか、すっと心の中で感情が整理されたんですよね。実家が石川なこともあって帰省とかすると両親から「気を付けてね」って言われるんですけど、深夜バスとかで移動しているんで「自分ではどうしようもないじゃん」って思ってたんですよね。でもこのコミュで、無事であってほしいという思いから出ている祈りなんだなって気づいて、すんなり真っ直ぐ受け取れるようになったのがあります。それからは照れずに受け取れるようになりましたし、こちらからも言えるようになりましたね。……今年の頭、1 月 1 日に石川の南の方の実家に帰っていたのですが、そこで地震がありまして。当時は小売で働いていたのですが能登半島にも店舗があったんですよ。復旧・応援に行かなくちゃってことで、1月3日に段ボールを床に敷いてなんとか足場を確保したお店の中でひっきりなしに訪れるお客さんの対応をしていました。自分の言葉じゃどうにもならないかもしれないけど、自分のレジを通ってもらった人には祈りを込めて「お気をつけて」と言えるようになっていたのは、間違いなくシャニマスの影響があったからかなと思います。……すみません、なんか変な自分語りをしてしまって。
pon:でもそれのおかげで誰かに繋がるかもしれませんから、決してマイナスなことではないですよ。
ぶくま:ありがとうございます。やっぱりシャニマスって人生なんですよ。この前も Twitter(現X)のスペースでシャニマスと人生と同人誌即売会と女性声優の話をしていたんですけど。
pon:盛りだくさんだ。
ぶくま:人生のほとんどすべてなんで、それらが。……でも本当におふざけなしで人生にすごく大きなものをくれているなって思います。そんなシャニマスの全体曲からは「可能性」や「余白」みたいなものを感じているのかもしれません。歌詞に「可能性」という言葉が直接的に含まれることがそもそも多いですし、それを信じたからこそ物語……、便宜上物語としておきましょう、物語が始まるわけで。可能性を信じることができるから踏み出せる一歩のことをすごく大切にしていて、それを応援する曲なのかなと思います。不確かなものを信じることを応援する、みたいなことですかね。それと同時に、その不確かなものに無理に答えを出そうとしなくてもいい優しさ……、いや、答えを出した方が楽なこともあるので、不確定なものに向き合う姿勢そのものを尊重しているように感じます。

それを考えると、白い翼と可能性というのは確かにシャニマスのブランドコンセプトとしてピッタリなのかもしれませんね。

ぶくま:一つ一つの羽が集まって翼になって、その中にはアイドル以外の登場人物もいる、というスタンスが今現在のシャニマスのスタンスだなと、今話していて改めて思いました。
pon
:周囲の人たちも含めて人間関係でいうと、シャニマスのアイドル達って誰かに何かを与えることに臆することがない印象が共通していて、それはおそらく彼女たちが作中のシャニPから繋がれていったもののように思います。シャニPがシャニPでいてくれたからこそ今の彼女があるんじゃないかと思うので、彼の存在も含めてのシャニマスらしさという考え方は外せないようにも思います。

それでは最後に、これからのシャニマスに向けた思いの丈の言葉を頂けたらと思います。

pon:まずはアルストPとしての思いになってしまうのですが、アルストロメリアと放クラのユニット初顔合わせのコミュをしっかりと描いてほしい……です!!!そろそろ見せてくれても良いんじゃないですかってのが、いろいろな媒体が増えているからこそ思うところではあります。あわせて、IF の世界も含めてこれからも様々な角度でアイドルを描き進めてくれるんだろうなとは思っているので、そういう挑戦に対してまあ色々とご意見はあるかなと思いますが、曲げずにやってほしいと思っています。また、特に色に対する捉え方が自分の中にない考え方で新しい視点をくれる作品なので、そこを貫き通してほしいです。最近は CoMETIK の CMYK が印象的で、印刷のときに K(キープレート)、黒単体で印刷すると透けてしまって不完全なものになってしまうんですね。そこにルカを当てはめているのかなと思うと、この形式でアイドルの人生を重ね合わせるのも異常だなって(笑)。シアン(C)がシャニマス全体で、マゼンタ(M)とイエロー(Y)がだぶるはの二人じゃないですか。その3つの要素が影響して、ルカが輝くリッチブラックになるのだとしたら本当に驚きますし、そういった表現や考え方の驚きというのをこれからも感じていきたいところです。シャニマス側に求めるというより、自分自身そういう受け取る姿勢というのを忘れたくない、というのも大きいです。
ぶくま:それでは私からも……。私はアイドルマスターシャイニーカラーズさんに出会って人生が正しくなりました。鬱屈としていた状況から外に出るようにさせてくれて、同じものが好きな人と交流したいと思わせてくれて、これまでの自分では考えられないほど積極的な人にさせてくれて。シャニマスに出会ってなくてあのままだったら本当にどうなっていたかわからない状況だったんですよ。なので、今の自分を作ってくれたコンテンツが羽ばたき続ける限り、これから一生をかけて返していきたいなと思っています。ずっと見守らせてください。きっと、羽を休めるとき、描き切ったときが来てしまう。これは避けられないと思うんですけど、28人とそれを支える3人がもたらした光や闇、もしくはそれ以外の何かによって生きているすべての人々を描いてほしいなと思います。また、同僚のみなさんへの言葉としては、同じものを愛してくれてありがとうと改めて言いたいです。どこかで離れてしまった人も、シャイニーカラーズが好きだった時のあなたを肯定してくれたら、否定しないでくれていたら嬉しいな、と。もちろん戻ってきてくれたら一番嬉しいですが、どこかでふと思い出してくれるだけでも、シャニマスに触れていた時間が人生のどこかで息づいてくれていたら、意味があったのかなと思います。そして、そんな人たちが集まるコンテンツとして、これまでいた人、今一緒にいる人、そしてこれから新たに来てくれる人にとっても一つの居場所としてアイドルマスターシャイニーカラーズがあってくれたらと願います。

ミュージックレビュー

BRILLI@NT WING 01

Spread the Wings!!
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:山口朗彦

我々の夢は、16色から始まった。どこか初々しさが感じ取れるメロディーラインに、頻繁に差し込まれるハイハットの音が心地よい。これから最も長く多く歌われるであろうと考えられて作られたこの曲は、新たな息吹と受け継いできた伝統が共存している。「君とどこまでも」と声に出し伝えられることが、何よりも嬉しい一曲。

text by ぶくま

Multicolored Sky
作詞:松井洋平 作曲・編曲:高田 暁

彼女たちの人生における一瞬の煌めきの中で、挑戦し続ける日々をそっと隣で包み込んでくれるような暖かさや希望を抱かせてくれる、明日に希望を感じられる曲…でもあった。彼女たちをWINGの頂きへ導けなかったあの日々をも思い出1ページに加えてくれるかのように。もしかすると本当に思い出でしかないのかもしれない。

text by pon

FR@GMENT WING

Ambitious Eve
作詞:真崎エリカ 作曲:山田智和 編曲:住谷翔平

羽搏き続けたいのならば晴れの日ばかりを選んではいられない。1stLIVEにて渡り鳥が互いに助け合う陣形で初披露されており、19色になることへの覚悟と野心が感じられる。2番やサビの印象的な部分で挟まれるブレイクは、灰色の空の切れ間から漏れ出る陽光だ。願わくば、それが彷徨う光たちの道しるべたらんことを。

text by ぶくま

いつか Shiny Days
作詞:鈴木静那 作曲:山田智和 編曲:長谷川智樹

”アイドルでいられる時間”の儚さと輝きを感じる曲。進んでいく中で立ちはだかる障害に立ち止まりそうでも、あの日夢みた景色に挑み続ける彼女たち、その強さがいつか輝きに変わること信じ支え続けている人々の願いすらもこの曲の歌詞には紡がれている。※余談だが、ぜひ2ndライブ視聴後にシャニソンのMVを見てほしい

text by pon

GR@DATE WING

シャイノグラフィ
作詞:古屋 真 作曲・編曲:ヒゲドライバー

出会った空の色を覚えているだろうか。長い間隣にいると、グラデーションのような変化に気付くことは難しい。而してそれを概観した時には、非常に彩り鮮やかに見える。そのための記録、彼女たちとあなたで刻んできたオリジナルの光と空の記録を、ずっと持っていて欲しい。夜光虫たちは、透明なままではいられないのだから。

text by ぶくま

Dye the sky.
作詞:烏屋茶房 作曲・編曲:ヒゲドライバー

今あらためて聴き返したい曲。特にCMYKから焼き増しや低解像度など、彼女たちの現在までに刻まれた軌跡を写真に見立て振り返り、まだそこにない自分だけの色を求めていくような歌詞が鮮烈である。アイドル=偶像ではない、実在性を追求してきたシャニマスらしさをダイレクトに感じられる曲と言えるのではないだろうか。

text by pon

L@YERED WING

Resonance⁺
作詞・作曲・編曲:園田健太郎

七色が揃ったことは、終点ではなく再スタート地点だ。重なり合い、響き合いながら決意を歌い上げる。「何一つ当たり前じゃなくて だからこそ全てが愛しくて」。この言葉が、激動の時代を生きている我々の、シャイニーカラーズへの愛を深めてくれる。七色も1000カラットも超えた先で、味わい深さが重なり続ける楽曲だ。

text by ぶくま

Color Days
作詞:Co-sho 作曲:家原正樹、小久保祐希、YHANAEL 編曲:YUU for YOU

全体曲でも異例のRAP調で他とは一線を画すこの曲。歌詞天才過ぎない?”「Command+Z」じゃ何も変わらないの”って何食べたら浮かんでくるんだ?軽快な曲調のように、どんなハプニングに出会っても前向きに楽しく、変わることを臆さずに日々を色づかせていく歌詞がいい意味で今までになかった要素となっている。

text by pon

PANOR@MA WING

虹の行方
作詞:古屋 真 作曲・編曲:三好啓太

貴方にも、私にも、彼女たちにも、無数の選択肢と可能性があった。彼女たちそれぞれのメロディーが変幻自在に織りなす虹は、「照らすよどんな過去でも未来でも」という言葉通りに過去・現在・未来の全てを優しく包み込む。光り輝く翼の歌がきっと、世界の隅々まで照らしてくれることだろう。我々はずっと、ひとりじゃない。

text by ぶくま

Daybreak Age
作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:桑原佑介

挑み続ける彼女たちの決意表明のような曲。成長と新たな色の追加で7色の虹を描いた彼女たちが、そこで踏みとどまることなく挑戦を続けると誓う力強さに惹かれゆくものは自然の摂理に他ならない。とくに”奇跡は待ち望まないで掴み取れる人でいたい”という歌詞に込められた渇望は、私たちPも常に心に持ち続けていきたい。

text by pon

SE@SONAL WINTER

SNOW FLAKES MEMORIES
作詞:松井洋平 作曲・編曲:中野領太(onetrap)

283プロがお届けするプレゼントは、賑やかなパーティーソング!イルミネーションが彩る街を歩けば、集まる場所はすぐそこ。運命的な出会いを果たした彼女らの花咲くような笑顔は、最高潮の思い出として心に染み込み残り続ける。寒空の下でこのナンバーを聞けば、家族のような温かさを感じられる。素敵な夜になるだろう。

text by ぶくま

Let's get a chance
作詞・作曲:渡辺拓也 編曲:住谷翔平

希望をそのまま歌にしたようなワクワクが詰まった曲であり、個人的にラスサビ入りの歌割りがイルミネであることが大変喜ばしい曲でもある。この想いは探し続けること、伸ばした手を掴み続けること、どちらも諦めない限り届くと変わらず信じ続けるイルミネが、283プロの真ん中であるからこそ生まれ出る感情に他ならない。

text by pon

FUTURITY SMILE

FUTURITY SMILE
作詞:前田甘露 作曲:ArmySlick、Giz'Mo(from Jam9)
編曲:ArmySlick 弦編曲:森 悠也

曲の雰囲気はとても柔らかい印象を受けるが、反面、想いの強さを歌った曲でもある。また、支えてくれる人への”ありがとう”を当たり前ではない奇跡だと綴った歌詞に、彼女たちがこれから積み上げていく道筋が希望であることを願わずにはいられなくなる。何度でも立ち上がり挑むことを諦めない彼女たちに幸多からんことを。

text by pon

SWEET♡STEP

SWEET♡STEP
作詞:深川琴美 作曲・編曲:NA.ZU.NA

私は冷静さを欠いている…ゴリゴリの甘かわCute系アイドルソングがシャニマスの全体曲で感じられる、こんな贅沢が存在するなんて夢ですか?甘々Cuteな甘奈や智代子のみではなく、大人Coolな美琴や咲耶に歌っていただける奇跡をありがとう!はやくメンバー全員歌唱をライブで披露してください、後生ですから…!

text by pon

Shiny Stories

Shiny Stories
作詞:松井洋平 作曲・編曲:伊藤和馬 (Arte Refact)

周年曲としては初の選抜メンバーによる楽曲。歌詞や振り付けにこれまでの全体曲が引用されており、長く、あるいは熱くシャニマスを追ってきた人ほど深く刺さる一曲に仕上がっている。淡さの残る光だった色彩は、キープレートが加わることでより鮮やかな色へと変わった。描き切る覚悟があるならば、我々も着いていく覚悟だ。

text by ぶくま

Song for Prism

星の声
作詞・作曲・編曲:秋浦智裕

君の瞳に映る星はどんな姿をしているだろうか。それは逃さず照らす金烏か、悠然とまばゆい玉兎か、はたまたキラリ光る辰星か。次々と加わっていく楽器は、283プロの宇宙がどこまでも広がっている景色を見せてくれる。この曲から紡がれる新たな物語のキセキを、歌詞に散りばめられた思い出を抱えて、共に見届けていこう。

text by ぶくま

アニメ『アイドルマスター シャイニーカラーズ』オープニング主題歌「ツバサグラビティ」

ツバサグラビティ
作詞:こだまさおり 作曲・編曲:山口朗彦

アニメとして始まりの曲であるとともに、話の主軸が真乃であるため、普通の女の子だった彼女がファンのみではなく周囲の人々、ひいては自分自身をも惹きつけるアイドルになるはじめの一歩のようにも感じる。輝きに導かれた彼女たちの道の先は2期でどのように描かれていくのか、期待を増幅させてくれる1曲にもなるだろう。

text by pon

輝くステージは日常からのリープではなく、地に足のついた努力の延長線上にある。「グラビティ」は、恒星同士が引き合う引力か、羽ばたきの証左となる重力か。『Spread the Wings!!』を手掛けた両名が283プロの新たな出発点として作り上げたこの曲からは、期待に膨らんだ「可能性」の息遣いを感じる。

text by ぶくま

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