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慰霊の日に向けて

 小学生高学年の頃、『ひめゆりの少女たち』那須田稔:著 偕成社 を何度も何度も読み返していた。6月になったら学校図書室で借りていた。
 沖縄では、6月になると小学校・中学校・高校(はうろ覚え)の学校図書室では慰霊の日に向けてパネル展示が展開される。白黒の戦争の写真、子ども心に恐怖だった。初めて、慰霊の日当日に叔母と祖母に連れられ糸満へ向かったのもこの頃だったと思う。平和記念公園には秋の遠足でもいくのだが、その日は遠足、広い芝生に弁当やお菓子を広げてワイワイとしているので、その日行った平和記念公園は全然違う場所だった。
 その後、大人になり『ひめゆりの少女たち』は古書で見つけて、自宅に所持してやはり6月になると読んでいる。平和の礎が出来た頃から祖母を連れて、慰霊の日は避けて6月にお水とお酒を手向に行くようになった。祖母が亡くなりそれは母と私の習慣になった。毎年思うのがこんな暑い中、梅雨の時期で雨も降っていただろう中、言葉にならない。そんな中でも写真の月桃は咲いていたのだろうか?
 店内に平和の絵本を集めたコーナーがある。去年の今頃作ったのだが、ロシア・ウクライナの事もあり常設になっている。細々と出るそこの絵本で入れても入れても持ち帰られる絵本がある。谷川俊太郎さんの『へいわとせんそう』だ。最後のページで大人も子ども息を飲む。現在売り切れ、来月の発注に加えよう。
 明日は慰霊の日。今年の糸満行きは週明けを予定している。梅雨が明けそうだ。

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