- 運営しているクリエイター
2023年2月の記事一覧
世紀の名馬と一騎打ち、ヒルライズ確信の配合 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・6
長い歴史を持つ大レースだと「ああそんな馬いたよね」と言われるだけまだマシで、完全に忘れ去られる馬も多い。
2010年の日本ダービーはエイシンフラッシュが史上最速の上がり32.7秒で優勝したが、同タイム2着馬の記憶が薄れた人も出てきているのではないか…。
今回はアメリカ競馬の歴史に埋もれてしまったヒラリーという種牡馬と、その代表産駒ヒルライズという馬が、かなりこだわりを持った配合であるという事を解
単なるオマージュにとどまらないエーデルワイスの配合 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・5
前回は、サンデーサイレンスの曾祖母エーデルワイスは不出走馬だが、同馬主&同期のケンタッキーダービー馬と配合コンセプトが同じであることを説明した。
今回は「3×4のクロスなら良い」「濃くなりすぎると良くない」といった、昨今まん延するフワっとしたインブリードの説明は全く何の意味もないという話と、エーデルワイスの父が無名種牡馬のヒラリーでなければならなかった、その必然性について説明する。
オマハ、ジ
血統を読めばコンセプトが分かる 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・4
ここまではジョージ・A・ポープ・ジュニアが単に並み外れて幸運な馬主などではない、奇跡と呼ぶには量が多すぎる、という事実を提示してきた。
ここからは実際に血統表を示し、ジョージ・A・ポープ・ジュニアが志向してきたであろう配合理論を探っていく。
勘違いされがちな「血統」というもの日本は競馬人気が高い国であるのは間違いない。
そして競馬ファンの関心は馬券に集中している。
そのため競馬ファンも競馬マス
愛馬デサイデッドリー Decidedlyでケンタッキーダービーを制覇 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・3
謎多き人を類推するより、最大の業績を記す方が話は早い。
1962年(昭和37年)、ジョージ・A・ポープ・ジュニアはケンタッキーダービーを制覇する。生産者として、馬主として。
1962年のケンタッキーダービー。
本命はライダン Ridan(父Nantallah/全妹モカシン Moccasinは全米年度代表馬、全妹ソング Thongの直系子孫がヌレイエフ、サドラーズウェルズ)。2番人気はサンライズカ
アメリカ競馬の「魔術師」の業績 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・2
まず断っておくが、いくつかの事実から推測するに、サンデーサイレンスの母を生産したジョージ・A・ポープ・ジュニアは遊び半分や惰性、無謀な蛮勇で競馬に関わっていたのではない。
こんなことは少し調べれば分かるのだが、日本で血統を研究している人にはあまり関心を持たれないようだ。
そもそも「ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは何者か?」という興味を持った日本人は私以外にこれまで1人しか見当たらないほどだ。
テシオの後継者 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・1
競馬の魔力巨万の富を生む。それが競馬というスポーツの魔力だ。
日本人の多くはこの認識が少しズレていて(それゆえ競馬の情報はそれと決まっているのが世間の常だが)、競馬の魔力の最たるものは馬券を当てる事だと思っている。
だが違う。その本質は馬を所有することである。
競馬は1頭の馬とともに、世界をこの手にする事すら可能にする。
そう信じて人々は競馬の世界に足を踏み入れる。それは魔界にも等しい。
日