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【読書会】『流転の海』全巻読書会~第3部『血脈の火』第5章レジュメ

こんにちは。

本日(23/02/20)20:30から、オンラインツールの mocri を使った読書会を開催いたします。このnoteは、今日初めてご参加してくださる方にもわかるように書いているつもりです。ご参照いただいた上で参加を検討してくださいますとうれしく思います。

主な登場人物(第5章での登場順)

松坂熊吾 『流転の海』シリーズ全体を通じての主人公。房江の夫、伸仁の父。敗戦後、大阪と南宇和を経て、事業の再開のために大阪に戻り奔走している。

辻堂忠 敗戦後、大阪に戻った熊吾の事業を支えた一人。結婚が近いが、かつて恋仲であった岩井(現・塩見)亜矢子と会っているらしい。

松坂房江 熊吾の妻、伸仁の母。

杉野信哉 元警察官で、熊吾の新事業(プロパンのボンベの販売)のパートナー。

琴井鉄次 中国からの引揚者。強力な接着剤を開発し、熊吾の新事業(消防用のホースの修繕)の商材として提供するが、行方が分からない。

桝井啓作・多加志 熊吾と杉野の新会社「杉松産業」への就職希望者。

丸尾千代麿 熊吾の信頼する、運送会社の社長。辻堂について、熊吾に耳打ちをする。

杉下 熊吾に糖尿病を告げる医師。

谷山麻衣子 熊吾の旧知の中国人・周栄文と谷山節子の娘。井手との結婚が破れ、城崎でヨネたちと暮らしている。

浦辺ヨネ(と息子・正澄) 南宇和時代に、熊吾を恨んでいたやくざ者の「わうどうの伊佐夫」の子をもうける。

米村嘉代(と女児、祖母) 千代麿との間に女児・美恵をもうけるが死去。

園田美根子 熊吾の偽医者事件を知る、数少ない女性。

井手秀之 麻衣子と別れた元夫。

あらすじ

洞爺丸台風が襲った昭和29年(1954年)9月。川の増水により、熊吾が備蓄していた消防ホース用の接着剤が、壊滅的な打撃を受ける。その事後処理に追われる中で、熊吾は事業に落とされている影の存在を疑うようになる。また、熊吾には糖尿病の疑いが持たれていた。一方で、城崎では麻衣子やヨネを中心として、不可思議な5人の「家族」が営まれていた。

ポイント

  1. 台風(=洞爺丸台風。引用者注)も、この宇宙のなかの生物なんじゃろう(p.284)。

  2. 商売は、優勝劣敗じゃ。それが資本主義っちゅうやつよ(p.299)。

  3. その二階屋だけが、ひとつの国のように思えたのである(p.309)。

  4. その可愛がり方、なんて言うのか、堂々としてるねん(p.312)。

  5. 歩けんようになったときは、死ぬときじゃ。みんな生きるために、歩くことをやめんかった(p.318)。

  6. 「人間は何のために生きるの?」
    「生まれてきたからじゃ(略)目的があれば、人は生きようとするじゃろう」
    「松坂のおじさんの、生きる目的は何? 私には、生きる目的ができたよ」
    「わしの目的は、伸仁をおとなにすることじゃ」(略)
    「身寄りのない、寂しい人間に、安住の家を作ってあげること」
    人間は、育ち方も、性格も、体力も、それぞれ異なっているのだから、考え方も違うのは当然だ。/けれども、どうして人間は、自分とは異なるやり方や考え方を排除しようとするのだろう。それは、優しさが欠落しているからだ。/根本的なところで優しければ、異質なものは異質として、包み込んであげることができるはずだ(p.318-321)。

  7. あまたの哲学のなかに、〈人情の機微〉に触れたものがないのはなぜであろう(p.324)

  8. わしが辞典を作ったら、哲学とは、人間にとって何が幸福か、人間はどうしたら幸福になれるのかを考察する学問かと解説してやる(p.325)。

追記

※2月21日(火)以降に「追記」があればいたします。


今回の「レジュメ」は以上です。最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。それではまた!





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