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【100分de名著を語ろう】『砂の女』~③人が「順応」を受け入れるとき

第1回 「定着」と「流動」のはざまで
第2回 揺らぐアイデンティティー
第3回 人が「順応」を受け入れるとき
第4回 「自由」のまやかしを見破れ!

こんにちは。6月21日(火)08:56です。暑いですね。昨夜(6月20日)100分de名著の『砂の女』第3回分が放送されました。23日(木)21時からの「100分de名著を語ろう」ルームでも、引き続きこのオンエアをフォローしていこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

今回の『砂の女』の回では、テキストでは言及されていない(と思われる)本文からの引用が多いように見受けられました。その意味でも、テキスト>視聴の順で正解だったように思います。それでは、番組テキストからの抜書きをお届けします。今まで通り、◯で囲った数字は、テキスト中の「小見出し」に便宜的に振った連番であり、(Y)はヤマザキマリさんからの、(A)は安部公房からの抜粋となります。

①「よし、負けた!」

・性はもともと、個々の肉体にではなく、種の管轄に属しているのかもしれない・・・(A)

・「ですから、私たちが、仕事にかかりさえすれば、すぐに・・・」(A)

・ここで仁木順平は、誰も自分を捜していないという事実と向き合わされます(Y)

②噛み合わないやりとり

・「まあ、なにぶん、よろしくお願いいたしますわ・・・わしらに出来るだけのお世話は、いたしますから・・・」(A)

③異質な倫理や価値観との共生

・相手側に倫理観や価値観を受け入れていきていくためには、そういう選択を強いられるのです(Y)

・(略)寓意というテクニックによって、どうすれば異質な見解や価値観を持った他者と共生していけるのか、という問いかけが提起されています(Y)

④「労働によって、労働をのりこえる・・・」

・いざ仕事にかかってみると、なぜか思ったほどの抵抗は感じられないのだ。この変化の原因は、いったい何だったのだろう?(A)

⑤大脱走の始まり

・彼は「四十六日目」にして、とうとう穴の底からの脱出に成功したのです(Y)

⑥逃走中の意識の流れ

・「賽の河原」は、果てしなく反復される不毛な労働の喩えであるとともに、生と死の境界線でもある(Y)

⑦「塩あんこ」の恐怖

・いつのまにか方向を見失い、こともあろうに集落の中心部へと出てしまっていたのでした(Y)

・きまり文句!・・・そう、きまり文句で、結構・・・死にぎわに、個性なんぞが、何の役に立つ。型で抜いた駄菓子のような生き方でいいから、とにかく生きたいんだ!(A)

⑧蜘蛛と蛾

・「まあ、すこしでも、気をまぎらせてくれるものの多い方が、なんとなく、いいような気がしてしまうんだ・・・」(A)

        *       *       *

今回は以上といたします。23日(木)の回でお会いしましょう。お読みくださり、ありがとうございました。



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