【読書会】宮本輝『流転の海』を読む① 第1章~第3章
こんにちは。6月25日(土)04:04です。いよいよ27日(月)21時から、原則clubhouseで宮本輝さんの大部『流転の海』シリーズ全9部読破に取りかかります。どうぞよろしくお願いいたします。
第1回(27日)は、第1章から第3章までの80ページほどを読み進めたいと思います。その次の第2回(7月4日)は、第4・第5の2章を読んでいただく予定でいます。章によってのページ数に、かなりばらつきがあるようなので。おおよそ80から100ページ程度を1回の読書会の範囲としてまいりたいと思っています。
それではここからは、本編に沿っての抜書きなり、まとめなりをしていきたいと思います。太字は本文からの抜粋、細字はぼくが書いたまとめです。
第1章(~25ページ)
・昭和22年3月、大阪。松坂熊吾50歳。昭和12年に40歳で徴兵される。
・戦争というもの、人間というものを、きわめて奇怪な生き物とその所業として受け入れるようになった。けれども、戦争とは、論理によって勃発するものではなく、エゴイズムとそれにつながる感情によって引き起こされるという、至極当たり前の結論も、松坂熊吾という人間の本性を変えることは出来なかったのであった。
・妻房江、四人目の妻。昭和16年に結婚。
・俺は、この子が二十歳になるまで生きているだろうか。この子は無事に二十歳まで育つだろうか。
・松坂伸仁。いい名前だと熊吾は思った。
第2章(26~43ページ)
・木戸久光。かつての仕事仲間であった海老原太一の使いとして訪ねてくる。
・自分の口から出た宿命という言葉は、そのとき妙に底深い黒々(本文では、黒の編に「音」)とした魔物のように感じられたが、同時に、天から授かったとしか思えないこの伸仁という一粒種が、あるいは想像もつかぬほどの、光満ちた洋々たる宿命を帯びているやもしれぬではないかとも思えるのだった。
・しかし熊吾は、そんな井草正之助の機転の速さに、以前から疑念を持つときがあった。あまりにも機転がきき過ぎると思うのである。
・八木沢徳次郎、俵木徳三。熊吾が資金を預けた相手。
・日本中の人間が、みんな一から出直すのよ。俺だけやありゃせん。
・この人生に、偶然などありはしない。人間がかってに偶然だと片づけているだけだ。
第3章(44~81ページ)
・人間は、生まれながら、内なるドブを持っているのだ。
・汚濁の池も、花も、みな人間の内なる命の産物であるような気がした。
・あの蓮の花を見せることで、この世のさまざまなことが伝えられるような気がしたのである。
・井草正之助
・麻衣子
・辻堂忠
・いかにも闇市を根城にする与太者を装っているが、本性は、教育もあるまっとうな人間に違いない。
・松坂熊吾の時代は終わったのかも知れない。井草正之助は姫路から真っすぐ六甲道まで帰って来る途中、何度もそんな思いにひたったのだった。だが、井草はそんな熊吾になぜか魅かれていた。
・だが俺は熊吾と心中する気はないのだと心の中で言い聞かせた。
・お前が二十歳になるまで、わしは絶対死なんけんのお/お前に、いろんなことを教えてやる。世の中の表も裏も教えてやる。それを教えてから、わしは死ぬんじゃ/人の心はわからんもんやが、わしはお前に、人間を見る目を持たせてやるけん/他人にしたことは、いつか必ず自分に返ってくるんじゃ。ええことも、悪いことも、みんな自分に返ってくるんじゃ。
・わしは、蓮の花が好きじゃ。泥の中に咲く花やけん、他のどんな花よりも美しいのよ。
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単語程度の抜書きや、まとめたものについては普通のフォントで、抜書きは太文字フォントで表示させています。今回はここまでとしたいと思います。お読みくださいまして、ありがとうございました。それではまた!
追記
clubhouseで残した録音のURLを添付しておきます。保存期間が切れるまでは、Webブラウザとclubhouseアプリで再生できるようです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。ときどき課金設定をしていることがあります。ご検討ください。もし気に入っていただけたら、コメントやサポートをしていただけると喜びます。今後ともよろしくお願い申し上げます。