友だち幻想

オンライン読書会テキスト『友だち幻想』第7章~巻末

11/17(土)から1回につき1~2章を読み進めてきた菅野仁さんの『友だち幻想』(ちくまプリマー新書)であるが、次回の1/26(土)で何とか全巻を読み通せそうな運びとなった。以下に、次に読む範囲の概略(抜書き)を掲げておくので、ご参照くださいますと幸いです。

7.0.「傷つきやすい私」と友だち幻想
 7-1.目上の人との距離感
  ・ルール性をわきまえた上での親密性の作り方を考える
 7-2.異質な他者とのつきあい
  ・自分のなかに異質なものを取り込めるような構えが必要となってくる
 7-3.「傷つきやすい私」とのつきあい方
  ・人と関係を「作る」力をつける
  ・つながりたい私と、傷つくのがいやだという私→「信頼できる他者」
   だと思える人を見つけること
  ・信頼はできるが「他者」であること=自分と同じではない=自分を丸
   ごとすべて受け入れてくれるわけではない
 7-4.「友だち幻想」
  ・他者に対する醒めた意識=不信感を持つことではない
  ・過剰な期待を持つのはやめて、人はどんなに親しくなっても他者なん
   だということを意識した上での信頼感を作っていく
  ・人はどうせ他者なのだから、100%理解されることは「あり得ない」こ
   とを絶望の終着点ではなく、希望の出発点ととらえる
 7-5.恋愛こそ幻想を持ちやすい
  ・絶対受容性
  ・なんでもわかってくれる「王子様はいない」ことから、人を好きにな
   ることを始める
  ・生のあじわいを深めるための人間関係の構築を考えていく

8.0.言葉によって自分を作り変える
 8.1.関係が深まらない「コミュニケーション阻害語」
  ・他者に対して「受身の立場」がとれること=相手の働きかけに対し
   て、それなりにきちんとレスポンスできることが必要
  ・他者とコミュニケーションを取り交わす作法を学び取る大切な時期で
   ある十代
  ・「他者」と言葉を交わす
   ・情報の伝達
   ・思いや感情といった情緒的側面の交感
   ・まなざしを受け止め〈いま・ここ〉の自分のあり方を振り返り、と
    らえ直す作法を学ぶ
  ・コミュニケーション阻害語=双方向のまなざしが交差することを阻害
   する
  8.1.1「ムカツク」「うざい」
   ・不快の表現、折り合おうとする意欲を遮断、攻撃の言葉
   ・以前ならすぐに「ムカツク」「うぜー」と言ってゆるされる「場の
    雰囲気」はなかった
   ・→主観的な心情を発露できてしまうほど、社会のルール性がゆるく
    なってしまった
  8.1.2.「ていうか」
  8.1.3.「チョー」「カワイイ」「ヤバイ」
  8.1.4.キャラがかぶる、KY(空気読めない/空気読め)
 8.2.言葉を得なければ、世界も自分もとらえられない
  ・情緒の深度ということを考え、深める
  ・コミュニケーションに関する不安感=空疎な言葉遣いから発生してい
   るのではないか?
  ・生のあじわいの深度を深めることにつながる言葉を自分のものにして
   いく
  ・自分と他者とのつながり、自分と社会との関係が少しずつ見えてくる
   ようになる
 8.3.読書は対話能力を鍛える
  ・本を読むことの本質は「筆者との対話」にある
 8.4.苦しさを通して得られるもの
  ・漫然と言葉を交わしているだけではだめ
  ・ノリとリズムだけの親しさには、深みも味わいもない
  ・ 読書のよさ
   ・今ここにいない人と対話して情緒の深度を深めていけること
   ・納得するまで理解を深めることができること
   ・多様な発見を自分の中に取り込めること
   ・→少しずつ感じ方や考え方を作り変えていくことができる
 8.5.楽しても楽しくない

おわりに―「友だち幻想」を超えて
 親しさや情緒をともに共振させながら「生」を深く味わう=常識をちょっ
 と疑って、人と人との距離感について敏感になった方がいい
                              (以上)

1/26(土)以降、実施報告が書ければいいなと考えています。今回は以上とさせていただきます。お読みくださいまして、ありがとうございました。



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