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【ノート】「である」ことと「する」こと②

 丸山眞男著『日本の思想』(岩波新書)読書会用に作成した資料を公開します。次回の『日本の思想』読書会は、8月15日(土)20時から、Discordサーバー上で行います。ご興味のある方は、私のTwitterアカウント

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②近代社会における制度の考え方(p.172~175)

a)語句

【物神化→物象化】(p.173の4)
 マルクス(『資本論』など)の用いた概念。人と人との関係が物と物との関係として現れること。

【プディング】(p.173の13)
 プリン。

【概念実在論】(p.174の2)
 普遍的概念を実体的なものととらえ、それを実在的な本質とする考え方。

【唯名論】(p.174の2)
 真に存在するのは個々のもの、例えば個人のようなものだけであって、人間一般とか人類とかのようなものは(便宜上の)名前や記号に過ぎないと考える立場。

【先天的】(p.174の3)
 生物の特定の性質が「生まれたときに備わっていること」「生まれつきにそうであること」という意味で用いられる。

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b)トピック

【自分は自由であると信じている人間はかえって、不断に自分の思考や行動を点検したり吟味したりすることを怠りがちになる~】(p.172の10-11)

【しかし、私たちはこういう二つの図式を想定することによって(略)事柄を測定する一つの基準を得ることができます】(p.174の11-14)

【たとえばある面でははなはだしく非近代的でありながら、他の面ではまたおそろしく過近代的でもある現代日本の問題を、反省する手がかりにもなるのではないでしょうか】(p.174の13-p.175の1)

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c)コメントと意見

・コメント① 「自由であると信じてしまう」ことで、いま、自分は自由に振る舞っているのかどうかの点検ができなくなる。惰性・慣性で動いているのか、自分の意志で動いているのかを点検し続けないといけないということか。

・コメント② 「二つの図式を想定~」 → ウェーバーの「理念型」を転用していると思われる。

・コメント③ 近代的であるべき点で近代化が及ばず、近代化しなくともよい、あるいは「すべきでない」点に近代化が及んでしまうことの弊害が現れている。

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