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【レジュメ】宮本輝『流転の海』全巻読書会:第4部『天の夜曲』第3章

こんにちは。

23/06/12(月)20:30から、月2回開催の『流転の海』全巻読書会を開催いたします。今回は、第4部『天の夜曲』第3章をみなさんと読んでいきます。今回は、初参加をいただける方もある予定なので、第1部から第3章までの振り返りも、少し長めに時間を取りたいと考えています。どうぞご参加を検討なさってみてください。Discordサーバにて開催いたしますので、以下の添付URLをクリックなさってください(事前にDiscordアカウントの作成が必要です)。

※ご招待リンクの有効期限は、6日間です。

なお、第1部から第3部までの簡単な「まとめ」は、下にご用意しておきましたので、適宜ご参照ください。

今回講読するのは第3章で、大阪滞在中の熊吾が、ある事件に遭遇します。

主な登場人物

御影の直子 房江の姉・あや子の娘で、房江の7つ年下。国宝級の名刀を一時預かっていた。

丸尾千代麿 戦後の大阪で熊吾が出会った運送業者で、今は社長。

河原 熊吾のビルの隣人。

磯辺富雄(稲葉修次) 熊吾のビルの敷地でコーヒー店を営んでいた。立ち退きの件で、熊吾に恩義を感じている。

高玉林 宝石ブローカー。旧知の中国人・周栄文への手紙を託した相手。

西条あけみ 伸仁のお気に入りのヌード・ダンサー。「ある事件」の当事者。

海老原太一 熊吾に若い時から世話になっていた。独立したが、熊吾に面罵されたことを恨んでいるが、名刀・関の孫六兼元を熊吾から手に入れる。

岩井(塩見)亜矢子 岩井家にあった壺を海老原が所持しているのはなぜなのか。

嶋田家の人々 房江と伸仁が下宿している部屋の家主。長男が父親を「教育がない」となじっている。

高瀬勇次 熊吾を富山に誘った吝嗇な男。

あらすじ

  1. 大阪での事業を軌道に乗せ、房江たちを招き寄せたかった熊吾は、名刀・関の孫六兼元を換金しようとしていた。

  2. 麻雀荘に立ち寄ると、熊吾を探す磯辺という男がいることを知る。かつて立ち退きに際して便宜を図ってやった稲葉であった。

  3. 場所を移してコーヒーを飲んでいると、あけみたちが乗り込んできた。

  4. 磯辺とあけみを連れて外を歩いていて、提灯屋で名入りの提灯を伸仁とあけみに買った。そこでローソクの火があけみのキューピー人形に燃え移り、あけみは顔に火傷を負ってしまった。

  5. 翌日、刀を携えて海老原太一を訪ねた。果たして海老原は熊吾を侮辱し、積年の恨みを晴らしたかのようだった。

  6. 房江に連絡を入れると、嶋田家の長男と父親とが言い争っていた。

  7. 熊吾には、「関西中古車業会」を立ち上げる腹案があった。熊吾は富山に戻り、その話を房江に聞かせた。

  8. 翌朝、熊吾は伸仁とサイクリングに出かける。

主なポイント

  1. 中国大陸だけではなく、国交のない国と闇の道をつなぐ者たちが存在する。その裏の世界の知恵も人脈も、日本人という民族がおよそ持ち合わせていない国際性やしたたかな生命力という大陸の血のなせるところであって(p.223)

  2. エセ人道主義者には困ったもんじゃ(p.225)

  3. 結構なことじゃ(略)平和の証よ(p.230)

  4. 感謝を超えた、なにか手を合わせて拝みたくなるような純な心根(p.248)

  5. 海老原太一に侮辱されに行くとするか・・・(p.250)

  6. それが海老原太一の、自分にとって得となる人間への取り入り方なのだった(p.267)

  7. こいつの人間の小ささだけはどうにも変わりようがないらしい(p.269)

  8. いつの日か心から詫びたいと思いつづけてきたことを、いま実行したのだった(p.271)

  9. なるほど親も子も少々おかしい。このおかしさは、教育のあるなしや頭の良し悪しとは別次元の問題のようだ・・・(p.294)

  10. この富山での生活ぶりが、今後の人生をどう構築していくかを決定するであろうことを百合に噛んで含めるように言い聞かせなければならないと熊吾は思った(p.302)

  11. 「約束は守らにゃあいけん」「丁寧な言葉を正しく喋れにゃあいけん」「弱いものをいじめちゃあいけん」「自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん」「女とケンカをしちゃあいけん」「なにがどうなろうと、たいしたことはあらせん」(p.309)

  12. 人々を楽しませ、人々の役に立ち、人々を癒すために生まれたからこその品格が小さな花にも厳と存在するならば、人間もまた同じではあるまいかと言った。そしてそれは見事なまでに人相にあらわれるのではないだろうか、と(p.313)

  13. ただただ人を笑わせて楽しませることが歓びだったのだ(p.314)

  14. わしは、どうしたら「悪い人相」になるかは多少はわかる。それはのぉ、「嫉妬」じゃ(p.318)

  15. 家は一年、木は十年、人は百年という言葉が中国にある(略)しかし優れた人間が世に出るには百年かかるっちゅう意味じゃ(p.330)

追記

※6月13日(火)以降に、追記がされる場合があります。


18時40分に完成しました。ギリギリでした。次回は余裕を持って臨みたいと思います。お読みくださってありがとうございました。それではまた!



 

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