突然の腹痛(虚血性腸炎)

以下、過去の記録です。2022年3月2日の出来事。

3月2日
愛犬と散歩の帰り、犬友さんの家の前でワンちゃんたちにおやつを頂いたりあげたりしていた時、突然お腹が痛くなった。
犬友さんのおうちで恐縮しながらもトイレを貸していただき助かったと安堵していたらまもなく嘔吐にもおそわれてトイレから出られなくなった。尋常じゃない腹痛と嘔吐の繰り返し(汚い話で申し訳ないです)。
夫に電話をして陸(うちの黒柴犬)を迎えに来てもらい、時計をみたら18時20分頃だったのでおそらく1時間半くらいはトイレから出られずにいたと思う。そのお家の方と、居合わせた飼い主さんたちには本当にわるいことをしてしまった。皆さんとても心配して親切にして下さった。

帰宅後まだなんとなくスッキリしなくてトイレに行くと、今度は下血していた。最初は切れて血が出たのかと思ったが、それにしては血の量が多すぎる。男性にはわかりにくいかもしれないが生理時の「あ、ドバッと出たな」という感覚に近い。小さじ2くらいはあったんじゃないかしら。
それを複数回繰り返すうちになんだか心配になってきたので病院へ行ってみようかと思い#7119へ電話をした。その時はもう22時をまわっていた。

熱を計ってみると37度の微熱程度。案内された病院3件に電話をしてみたが、全滅だった。
3件のうち1つ病院の看護師の話では、熱が37度以上だといまのご時世(新型コロナの疑いがあると)どの病院も受け入れは難しいのではないかということだった。なので熱が1度でも下がったタイミングで電話をかけるといいかもしれないと。おそらく虚血性腸炎ではないかと当直の医師に伝えてみたがその場合内視鏡による診断が出来る医師がこの時間には居ないということも受け入れ出来ない理由に挙げていた。
また、下血をしている量が多いなら救急車を呼んだ方が良いともアドバイスしてくれた。出血量によってはそれで危険な場合もあるそうだ。

その後も痛みは波のように押し寄せたり少しおさまったりと不安定で、相変わらず下血もしていた。
もうこれは救急車を呼んだ方がいいと判断し救急車に来てもらった。夜23時頃だった。

ところがそこからが長かった。

救急隊の方が一通り私に症状を質問し血圧や血中酸素濃度、脈をはかったり瞳孔を確認し状況把握した上で、救急指定病院に連絡をして症状など詳細に説明してくれるのだが…一向に受け入れ先が見つからないのである。

やはり熱が37度で新型コロナを疑われていること、またそれとは逆に新型コロナ患者などの多いこの時期に病床が少ない状況下、虚血性腸炎程度の患者を受け入れて入院させるわけにもいかない事情がある、そのどちらかで断られるようだ。

管轄の救急病院が全てダメだったそうで、でも東京ルールというのがあって搬送先が決まらない場合は地域外の医療機関も探してもらえるということらしいので、とにかく都内ならどこでもいいのでお願いした。
…のだが、都内中探しても見つからず。救急隊員の方が「車の燃料と携帯のバッテリーがなくなり、4時間経つと交代しなくてはならないので」と交代
の旨を告げられた。

まだ寒い時期だったので綿入りの上着を着たまま救急車内に寝て毛布もかけていたが辛かった。だからといって家の中に居させてはもらえず、車内に夫も付き添ってくれていたので寒いしぺったんこの椅子で彼もお尻が痛くてしんどかったと思う。

すぐに次の救急隊が来てそちらの車に移動。近所にサイレンが聞こえていただろうし遅い時間に申し訳ないという思いが頭をよぎった。またいちから状況把握が始まりもうしんどいなーと思いながら話をして、でも病院に1件ずつ電話をかけるのが自分だったらと思うともうあんなに声を出す体力など残っていないしそれだけでもありがたいと思いながら説明をした。

しかし今度の救急隊の方は家の中に居ていいと言ってくれた。寒いなら家で暖かくしていて下さいと。でもすぐに容体が分かるように隊員を近くに居させてくださいということで一人中に居て頂いた。玄関に立っていたのでどうぞ上がって座って下さいと言ったのだけど、礼を言うだけで立っていた。もしかして座ったりしてはいけない決まりでもあるのかな、とぼんやり思ったりした。

「少し遠くまで距離を広げて探してもいいですか」と言われ、もちろんいいですけどそれでも前半の方たちは苦戦していましたよと伝えると今度の隊員の方は「大丈夫、必ず見つけますから任せて下さい」と何だか頼もしい言葉が返って来た。とはいえすぐ、というわけには行かなかったが3時間ほど経った頃「受け入れ先が見つかりました」と待ちに待った連絡がついにきた。
しかも搬送先は隣街の病院でバスで行けるような場所。ありがたい…。
病院に搬送されたのは朝7時。最初に救急隊を呼んでから8時間経っていた。

病院に着くと、何だかとても明るくてテキパキとした先生。専門は外科の先生らしいのだけどCTで見れば虚血性腸炎かどうかはすぐに判断出来ますよと説明して下さって。でもCTスキャンの部屋に入るにはまずPCR検査が必要とのことで、結果が出るまで30分くらい待たされた。陰性だったので早速CT検査を受け、病室に戻って先生と一緒に映像を見せてもらった。白黒の映像だから実際の色は分からないが、まあ見事に左側の腸が真っ白だった。(通常は所々黒く空気の入っている様子がうつるのが正常なのだそう。)真っ白なのはむくんでいるかららしい。

その後、脱水症状を起こしていたので水分と痛み止めの点滴をしてもらったが点滴ってわりと時間かかるのね。入院はしなくて良いとのことで点滴が終わった後に会計をして処方された薬を近くの薬局で受け取って帰って来た。帰りは夫がネットで道を調べてくれて、近いようだったので一緒にゆっくり駅まで歩きバスに乗って帰宅した。バスに乗ったのは11時ちょっと前だった。病院を探し始めた夜10時過ぎから翌午前11時まで、長かったなー。

原因はいろんな要因があるから特定は難しいらしいけど、便秘とかストレスとか、高齢者だと動脈硬化が原因だったりすることもあるらしい。私の場合は年齢的に動脈硬化等じゃなくておそらく便秘あたりが原因じゃないかとのこと。確かに、かなり不規則な生活リズムでお通じは悪かったし暴飲暴食気味でもあったから納得した。

1週間、お粥やうどんなど基本的に消化の良いものを食べるように言われました。人参やジャガイモ、カステラやビスケッドなどは案外消化が良いと初めて知った。ここには書いていなかったけど確か5日目くらいにはマリーというビスケットも食べた。以下、時系列に状態と食事内容を記しておく。

3月3日
1日目。水分と痛み止めの点滴を打ってもらい帰宅。抗生物質と腸の働きを助ける薬と痛み止めにカロナールを処方された。この日は1日絶食。お水や白湯はたくさん飲んだ。

3月4日
2日目。朝、豆乳を飲んだ。絶食中に飲む豆乳のなんと美味しいこと。昼には低脂肪ヨーグルトも。夜はウィダーインゼリーの鉄分入りを飲んだ。夫がスポーツドリンクを買って来てくれて飲んだらやはり水より吸収がよい。

3月5日
3日目。頭痛と肩こりがひどい。食べてないから貧血なのかも。朝は野菜ジュースと朝バナナというゼリー飲料を飲んだ。昼はウィダーインゼリーのブドウ糖入り。夜は低脂肪ヨーグルト。スポーツドリンクを買ってたくさん飲む。

3月6日
4日目。頭痛もなくだいぶ良い。朝はヨーグルトと野菜ジュース。ゆるゆるのおかゆを作り、まずは重湯をお昼に飲んだ。夜はおかゆをフードブロセッサーで砕いてお湯を加え、かなり柔らかい状態のおかゆを食べた。塩味の他に顆粒のダシを加えるとおいしい。

3月7日
5日目。朝はふつうのヨーグルトと野菜ジュース。昼は五分がゆを作って食べた。夜も五分がゆと、豆腐入りのお味噌汁。家族の味噌汁にはワカメも入れたが私はワカメ抜きで。ゆるいおかゆでもお米を食べるとかなり力がわいてくる。

3月8日
6日目。朝はふつうのヨーグルトと野菜ジュース。初めてのお通じ、ほんの親指の先ほどの量だけ。少しジャムのような血が付いていたが、下血の時のような流血ではなく治りかけの残骸という感じだった。昼はたまごがゆを作って食べた。たまごが入るだけでなんと美味しいこと。夕方から病院で確認の診察。血液検査の結果、経過良好だった。CTを再撮影するのかと思っていたが被曝の問題もあるので2回は撮影しないそうだ。もう大丈夫とのことで4月に内視鏡検査の計画をたてるための予約をした。
夜は野菜スープを作った。じゃがいも、人参、玉葱、鶏肉(皮ぬき)のコンソメ味スープ。おかずを食べるのは5日ぶりで本当に美味しかった。ブロッコリー2かけと苺を3粒食べた。

3月9日
7日目。朝は普通のヨーグルトと全がゆ。昼は昨晩の残りのスープ。昼間にお通じ、昨日の2倍くらいの量。やはりジャムのような血は少量付いてくるが昨日と同様に固まった澱のようなもの。

3月10日
8日目。ベーコンとキャベツ、ミニトマトとブロッコリーのバター醤油味パスタを作って食べた。ガーリックは香り付けだけして取り除き、ベーコンは家族に盛り付けて私のは入れなかったけど。久々のパスタで美味しかった!

この後はもう普通のお米を炊いたご飯や肉野菜炒めなど普段の食事に戻して行った。

だいたい1週間〜10日くらいで完治していたのかもしれないけれど2週間くらいはまだおっかなびっくり食べていて、約1ヶ月後の4月上旬には焼肉を食べたり本格的なスリランカカレーも食べたけど、もうすっかり大丈夫。

4月12日に内視鏡検査もしました。小さなポリープがあってその場で切除してもらったけど虚血性腸炎のあとはほんの少し見えただけで完治していました。(が、この時のポリープ切除でまた7日間のお粥生活には参った)

この記事の日々の記録を書いたのは3月ほぼリアルタイムだったけど、全体をまとめて文章完成させている今は7月。3月は確定申告、4月は他県へ行く予定があったり歯医者の重い治療で体力消耗していたのと、5〜6月は商談会イベントの準備と仕事でバタバタしていたのでね、、今も仕事はしてるけど。

挿絵風のイラストを入れたかったんだけれども、虚血性腸炎を発症したどこかの誰かに少しでも参考になればと思うのでまずはテキストだけで公開。
どうぞお大事に。
今はなんでもない方も読んで下さってありがとう。
暴飲暴食、便秘、不規則な生活リズムなど、健康には気をつけましょうね。

最後までご覧いただきありがとうございます。