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無書店自治体簡単なまとめ     (午郎’S BAR11杯目)

以前は全国紙以外では殆ど報道されていなかった「無書店自治体問題」が、このところ地方紙でも扱われるようになり、それぞれの記事を読むたびに、「なんとなくさっと書きやがったな」と思う今日この頃。
この問題については4杯目で一度取り上げていますが、そこに書いていない要素を加えて、無書店自治体問題の簡単なポイント整理をしておきます。
マスコミの方は参考にして欲しいのですが。

*無書店自治体問題は2013年ころからほんの少しずつ取り上げられている。
*無書店自治体ができた、或いは増加した要因は様々。但し、最大のポイントはその商圏において「従来型の書店」の運営が難しくなったから。(売上減少による)
*無書店自治体が増加するプロセスは大別すると現在まで4期に分かれると言える
第1期:中核都市への大手書店の進出による、周辺自治体書店の経営難(~2015年頃まで)
第2期:Amazon等ネットシフトによる(2015年頃~2018年頃)
第3期:フランチャイズモデル(主にTSUTAYA)の崩壊と、地方有力書店の経営難(2018年頃~2022年)
第4期:1期~3期までの要因に加え、配本モデルの変化や、返品規制等(2023年~)
(以上、近藤調べ 時期は多少異なる可能性あり)
*購買様式の変化(日常から非日常への変化)

またよく取りざたされるポイントについて整理すると
*都道府県内の無書店自治体数や率についての指摘
*書店は町に必要か?議論
*自治体の関与は是か否か

参考として
*北海道・福島・長野の3道県が無書店自治体数が多い
→これは平成大合併の際の自治体合併があまり進まなかった道県。単にそもそもの自治体数が多い故の結果
*香川県・栃木県は少ない
→香川県はほぼ全自治体に地元の雄「宮脇書店」が出店していたから。
栃木県は地元の書店チェーンの数に加えて、関東近郊のチェーンが出店しているし、自治体数も少ないから。
*札幌・福岡・仙台のような、そのエリアにおける絶対的な商圏を有している都市の周辺では逆ドーナッツ化現象が起きている。(近隣の自治体はほぼ全滅)

これから想定できること
*無書店自治体はさらに増える
*特に大都市圏周辺。そもそも〇〇郡〇〇村や〇〇郡〇〇町には90%前後書店がない。上記の札幌・福岡周辺で起きたことが、今度は首都圏、中京圏、関西圏で起きる。

肝心なのは
*無書店自治体の数の推移やその規模ではない
*如何に書店を運営していけるのか、その方法である。
*自治体単位でくくっているのはわかりやすさと、解決策を行政支援に求める意図を感じる。
*書店がない、ことよりも、本に触れられる場所がない事の方が問題で、
書店は新刊書店でなくともよく、且つ図書館の存在はこの議論では無視されているケースが多い。

こうしてみると「無書店自治体」というワードは、なにか対岸の火事のような印象を受ける。しかし、実際は日本の多くの場所で書店が無くなる、つまり書店経営の問題であり、4杯目でも書いたように、数の問題ではなく、解決策を如何に導き出すかである。但し、この解決策は、「従来型の書店経営」の延長戦上には存在しないことだけははっきり言えるのではないでしょうか。

午郎’S BAR11杯目

Cutty Sark(カティサーク) (Blended Scotch Whiskey)
一定の年代以上の方は記憶にあるかも知れないが、かつて洋物ウィスキーでは珍しくテレビコマーシャルがあったウィスキー。
現在1000円前後で買える、もしかしたら一番安く手に入る輸入モノかもしれない。
他のウィスキーに比べて色が薄く、多分ではあるがその分口当たりがよく、
私はほぼストレートで呑む(多分割ると薄くなりそうな感じ)
それ故我が家にはよほどのことがない限り「在庫」している。