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フランスのACBDアジア賞2023!

フランスのバンド・デシネの批評家とジャーナリストの協会(ACBD)によるアジアのマンガを表彰するACBDアジア賞2023の最終ノミネート作が2023年6月12日に発表されました。
フランス語に翻訳されたアジアのマンガを表彰するマンガ賞です。
最優秀賞は7月16日のJapan Expo 2023で発表されるそうです。

ACBDやこの賞については原正人さんとのポッドキャスト「海外マンガRADIO」でも紹介されているのでぜひご覧ください。

今回の記事では最終ノミネート5作品と、最終選考には漏れたものの選考委員のオススメ15作品をご紹介します。日本のマンガも多いので、海外マンガが中心にご紹介しますね。

なお、先日のYoutubeライブでは、私が読んだ日本のマンガの感想も含めてお話していますので、よかったらこちらもどうぞ!


最終ノミネート5作品

日本でもジャンプ+で配信された時からすごく話題になりましたね。アニメ化された『チェンソーマン』をはじめ海外でも藤本タツキはすごく人気です。

アングレーム国際漫画祭2023の公式セレクションにも選ばれていました。

フランスで刊行されたフランス在住の中国人作家の作品です。
2015年、パリで映画を学んでいる中国人のルーシーは、中国の貧しい村で教師をしているレズビアンで恋人のファンファンに関するドキュメンタリー映画を卒業制作として撮影するため中国で帰国することを決意する。同性愛を認めない中国政府をはじめ、家族にも同僚にも迫害されているファンファン。撮影が終わりに近づいたある日、村人たちに避難されて警察に逮捕されてしまう。数日間の取り調べのあと釈放されるが、数十時間にも及ぶドキュメンタリーの記録を破棄させられる…。完成することのなかったドキュメンタリー映画の未公開メイキングマンガです。

フランスの本屋さんでウィンドウいっぱいに『ひらやすみ』のディスプレイをされている写真を見かけたことがあります。フランスでも人気なんですね。

選外のおすすめ15作品

こちらも海外のマンガを中心にご紹介します!

韓国のマンガです。アメリカのハーベイ賞2021海外マンガ部門で優秀賞を受賞した作品でもあります。中年女性3人の恋愛と性を描いた作品です。

邦訳が刊行されたばかりの台湾のマンガです。日本国際漫画賞で最優秀賞を受賞。「台湾版おくりびと」とも評判になった台湾の葬儀会社を描いています。日本と似ているようで全然違う台湾の葬儀の文化や、亡き人を悼む人間ドラマが胸にグッときます…!

韋蘺若明さんの作品は「幽霊はどこへ?』も邦訳されています。

台湾のマンガです。祖母から受け継いだ貸マンガ店を営むのはかつての天才棋士。消えつつある台湾の貸マンガ屋と囲碁の世界が楽しめる。上のページから日本語の試し読みができます。

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さてACBD批評アジア賞2023のノミネート作品はいかがでしたでしょか?
なっとくのノミネートから、こんな作品までフランス語翻訳されていたのかという驚きの作品まで興味深いラインナップでしたね。
果たして最優秀賞にはどの作品が選ばれるのか。7月16日のJapan Expo 2023での発表が待ち遠しいです。

追記:グランプリ発表

7月16日、ACBDアジア賞のグランプリが発表されました。

グランプリはうめざわじゅんさんのダーウィン事変

人間とチンパンジーの間から誕生した「ヒューマンジー」の少年を描いた物語。日本でも評価の高い作品ですね。
2024年5月にはTVアニメ化も発表されています。

筆者は未読なのですが(…汗)この機会に読んでみたいと思います…!

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