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海外マンガ情報誌『漫海』創刊!

こんにちは。海外コミックスのブックカフェ書肆喫茶moriの店主です。

このたび、Vtuberのげそにんちゃんと新しい海外マンガの情報誌を創刊しました!
まずはこちらをご覧ください!

タイトルは

『漫海』!

漫画の海です!

海外マンガの世界は広く深く果てしなく続いています。
そんな海外マンガの世界に足を踏み入れてしまった私たち……。
でもそこには各国の文化にもとづいた、また各国の文化が交じり合って生み出された豊穣なるマンガ文化が広がっているのです……!
日本にももちろん面白いマンガはたくさんある。
でも一度、海外マンガの世界を知ってしまったら、その深遠なる世界に魅了されずにはいられない。
言語も文化も情報の入手しにくさも超えて、あてどなく彷徨う海外マンガ好きの集う場。それが『漫海』です!

『漫海』をつくるきっかけ

もともとはげそにんちゃんの何気ないツイートから始まりました。

「作りたいですね、本。」「作りますか、本。」とトントン拍子に話は進んで本をつくることになりました。

げそにんちゃんに「本作りたいな」と思わしめたもの、それはこちらのブログ。

デザイナーの森敬太さんによる、香山哲『ベルリンうわの空』の装丁を巡る工夫が書かれています!

はい、じゃあ、物理的にね、面白い本をね、装丁とか凝ってね、あまりないようなものをね、お金かけずにね、って感じに友人のデザイナーを巻き込んでできあがったのが今回の表紙!

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黒い紙に黒インクで印刷する。光の加減で文字が、イラストが浮かび上がる……。

さらにその上に重ねた白インクは想像とはまた少し違った印刷のノリを見せて、これはこれで面白い(文字が見えにくいっていうのは置いといて……!)。

ということでぜひともみなさんにお手に取っていただきたい、物理的な本として面白いものが完成しました。

【記事のご紹介①】げそにんちゃん×書肆喫茶mori対談

ここからは『漫海』第1号に掲載されている記事をご紹介します。

まず冒頭は、げそにんちゃんと私の海外マンガ対談です。

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副題は、

「海外マンガことはじめ―『漫海』から始める海外マンガ」

自己紹介や海外マンガとの出会い、海外マンガを広めていきたいなという思いや、いまのオススメ作品まで、まったり語らせていただきました。

この『漫海』。すでに海外マンガがすごく好きという方にももちろん読んでいただきたいのですが、「海外マンガって気になるけどどうなの?」という方にもぜひ読んでいただきたい本!

そんな方にも気軽に海外マンガの世界に入っていっていただきたいという思いを存分に語りました!
海外マンガをあまり読んだことない人にもオススメな作品もご紹介しています。

【記事のご紹介②】かつしかけいたさんインタビュー

海外マンガがお好きなマンガ家・イラストレーターかつしかけいたさんにインタビューしました。

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かつしかけいたさんといえば、2021年3月に発行された「アイデア No.393 特集 世界とつながるマンガ 海外マンガのアクチュアリティ」の表紙イラストを描かれた方!

このイラストを見ているだけでも海外マンガ好きであることがうかがえます!

さらに「アイデア」の中で、バンド・デシネ翻訳者の原正人さんとの対談も掲載されていました。

今回のインタビュー記事では、かつしかさんのイラストやマンガに対する思いや考え方、これまでに影響を受けた作家や海外マンガ、そしてオススメ海外マンガ作品をたくさん教えていただきました!

とくにオススメ作品は、とてもバラエティに富んだラインナップで多数の作品を挙げてくださいました!必見です!

【記事のご紹介③】「ブラックヒーローfeat.ミュージック」高岡周哉さん

『漫海』第1号では、3人の方に寄稿をしていただきました。

おひとりめは、高岡周哉さん。

日本のマンガも世界のマンガもめちゃくちゃ読んでおられて、大阪にあるカフェ&バー世界の漫画クロスオーバーさんで「アメコミぼんやりガイドLIVE」というイベントを不定期で開催されています。

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タイトルは「ブラックヒーローfeat.ミュージック」

海外マンガを読むときに誰もが感じる大きな壁。
それは言葉の壁。

それでも海外マンガを楽しむために、そのマンガが描かれた時代のベストヒットソングを流すという「高岡さん流コミックの楽しみ方」。

とくに「ブラックヒーロー」に焦点を当て、アメリカの黒人解放の歴史と、それとともに生み出されてきたブラックミュージックとともにご紹介いただいています。

アメリカの歴史を知る、ブラックミュージックの変遷を知る、そしてそうした背景のもとに誕生したブラックヒーローたちのことを知る。

いろんな面で興味深い記事です。

ぜひこれまでヒーローものアメコミをあまり読まれていない方にも読んでいただきたいです。

【記事のご紹介④】「アンティーク・アメコミ・バイヤーズ・ガイド―120年前のコミックス―」鶴田裕貴さん

おふたりめは、鶴田裕貴さん。

大学院でアメリカの古いコミック・ストリップを研究されていて、マンガ批評「一連」も主宰されています。

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タイトルは「アンティーク・アメコミ・バイヤーズ・ガイド―120年前のコミックス―」

120年前のコミックスってどんなの!? そんな古いコミックスを読んだり、手に入れたりすることができるの!?

そんな疑問にすべて答えてくれます。

海外マンガを知っていくとよく出くわす「コミック・ストリップ」という言葉の意味、古いコミックスにはどのようなものがあるのか、それらが掲載された古い新聞の入手方法……。

かなり貴重な情報満載の記事です。

120年前の新聞に掲載されたままの古いコミックス。時代を経て、当時の資料を手にしたものだけが味わえる古いコミックスの魅力が、鶴田さんの記事からふんぷんと漂ってきます。

【記事のご紹介⑤】「未邦訳BDを読む!」N Ryo(なかやま)さん

さんにんめは、N Ryo(なかやま)さん。

バンド・デシネ(BD)に出会い、フランス語教室に通い始め、文章量の少ない子ども向けBDをメインに読んでおられるというN Ryo(なかやま)さん。
ツイッターでも、いつも日本ではあまり紹介されないようなBDを投稿されています。

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タイトルは「未邦訳BDを読む!」

BDというと、日本に紹介されているのは大人向けのものがほとんど。『タンタンの冒険』など子ども向けの作品も邦訳されていますが、ほんの一部です。

今回の記事では、あまり日本に紹介されない子ども向けのBD、5作品をご紹介いただきました。

絵が可愛かったり、ファンタジー世界だったり、子ども向けの道徳的に優れた作品だったり……。

これまで感じていたBDのイメージを変えるような、素敵なご紹介記事です。

【記事のご紹介⑥】イラストレビュー

文字ばかりだと、読むのしんどいですよね。

そこで今回は4人の絵師のみなさんに、好きな作品をイラストとともに紹介する「イラストレビュー」を描いていただきました!

ブライアン・リー・オマリー『Seconds』鈍島製粉さん

大学でバンド・デシネの研究をされたという鈍島製粉さんは、邦訳もされた『スコット・ピルグリム』のブライアン・リー・オマリーの未邦訳作品をご紹介くださってます。キャラクターたちの表情がみんな、とても生き生きして可愛いんです!

マイク・ミニョーラ『ヘルボーイ』関野葵さん

8月に単行本『くるくるくるまミムラパン』1巻を刊行された関野葵さん。隠し要素満載で隅から隅まで眺めていたくなる、キュートなヘルボーイを描いてくださりました!『ミムラパン』にはマイク・ミニョーラに影響を受けている部分もあるとか……。

ニコラ・ド・クレシー『レオン・ラ・カム』勝見ふうたろーさん

CLIP STUDIOで知られるセルシスが主催する「国際コミック・マンガスクールコンテスト2021」でバンドデシネ部門賞に輝いた勝見ふうたろーさんは、二コラ・ド・クレシー『レオン・ラ・カム』。とても渋くてカッコいい爺さんを描いてくださいました!

ギヨーム・サンジュラン『PTSD』インドネシア音楽さん

芦藻彬『バベルの設計士』のアシスタントもつとめたというインドネシア音楽さんは、アジアンな街並み描写が魅力的なギヨーム・サンジュランの『PTSD』を描いてくださいました! 背景の描き込みはまじまじと魅入ってしまいます!

どのイラストレビューも魅力的なので、実物を見ていただきたいです…!

【記事のご紹介⑦】マンガ『0-1 ゼロワン』勝見ふうたろーさん

イラストレビューにも素敵なイラストを描いてくださった勝見ふうたろーさんは、マンガも載せていただきました!

『ブラックサッド』を思わせるような獣人たちのハードボイルド、かつコミカルな作品です!
キャラクター一人ひとり(一匹いっぴき?)がとても個性的でいい味出してます!

こちらもぜひ現物で楽しんでいただきたいです!

『漫海』第1号 販売場所

現時点で決定している販売場所を記載します。(2021年10月22日時点)
変更あれば随時更新します。

●【東京】2021年9月20日(月)コミティア137
 ブース:げそにんちゃん/の04b
 終了しました!ありがとうございました!

●【大阪】2021年9月26日(日)第九回文学フリマ大阪
 ブース:小説同人誌mon/A-14
 終了しました!ありがとうございました!

●【東京】2021年11月21日(日)コミティア138
 ブース:げそにんちゃん

【大阪】書肆喫茶mori 店頭・通販サイトで販売中!

●【東京】BOOKSHOP TRAVELLER(下北沢)
 原正人さんのサウザンコミックスの棚

これから……

2020年12月に話が始まり早や10か月近く。ようやく『漫海』を創刊することができました!

とはいえ、まだこれは最初の一歩。

広大な海外漫画の海に漕ぎ出した命知らずたちの旅は始まったばかりです。

これからも定期的に発行して、海外マンガの情報をお伝えしたいと考えています。

そこで次号以降、この『漫海』にご協力いただける執筆者を募集しています。

創刊号を読んで思いを共有していただける方で、

・世界各国のマンガの情報をお持ちの方
・みなさんに紹介したい知られざる海外マンガ作品をご存じの方
・イラストレビューを描いてくださる方 などなど

げそにんちゃんまたは書肆喫茶moriまでご連絡ください。

げそにんちゃん
https://twitter.com/squid87res

書肆喫茶mori 
https://twitter.com/shoshikissamori

みなさんの参加をお待ちしています。

そして『漫海』を応援していただけるととても嬉しいです。

おまけ

以上のようなことを2021年9月15日のYoutubeライブで雑談まじりにお話ししました!

ということでこちらもぜひご覧ください!

よろしくお願いいたします!



海外マンガの情報発信とお店を続けていくために大切に使わせていただきます!応援よろしくお願いします!