シェア
地面の下には水が埋まっていて、その底には街がある。 水底の街は青く輝いていて、そこに…
エリス・如月は殺すな。生け捕りにしろ。 教官は命令の最後にそう付け加えた。それを聞い…
男は旅人だった。旅の目的がなんだったのか忘れるぐらい、彼は旅をした。もはや旅をすること…
治癒者(ヒーラー)なんて必要ないから! 茜は上等なカシミアのスーツを着た、一見セール…
地面にくっきりと刻まれた二本の線が少年、ユールの目の前から、ずっと彼方へと伸びているよ…
世界が滅ぶんだ。今日このときを以て。 パズルのピースが剥がれていくように、街が、地面…
右手を床と水平に伸ばし、指先の先一点にまで神経を研ぎ澄まし、行き渡らせる。左足の爪先に重心を置き、右足の爪先で小円を描くように足を払い、ぐるりと回る。このときも腕は伸ばしたまま、指先の微細な動きにまで気を配り、一挙手とて疎かにはしない。 鼓の音、笛の音が神殿の中に響き渡る。奏者の影は壁に大きく浮かび上がり、音を奏でるたびに揺らめいて、中央で踊るチハヤの影は彼女と瓜二つで、仲の良い双子のように離れずともに舞を舞っていた。 鼓の心臓の鼓動を思わせる響き、笛の獣のいななきを思
■前編はこちら 気づくと、うつらうつらしていた自分がいた。夢見るように先ほどまでの出来事…
■前書きこの「うつつゆめ」は一番最初に公開した小説ですが、PDFファイルで公開したため、閲…
■備忘録的な今日こそは長編を!、と意気込んだのも束の間。 子どもたちの出かけたい攻勢に、…
■前・中編はこちらのリンクからどうぞ■以下(後編)本編です エドゥアルトの申し出に、テッ…