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一読の夢~短編小説集~

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ジャンル問わず、全短編をまとめたものです。 更新は不定期。小説を読みたい方はぜひ読んでみてください。
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#ファンタジー

聖者の揺り籠(前編)

 エリス・如月は殺すな。生け捕りにしろ。  教官は命令の最後にそう付け加えた。それを聞い…

水瀬 文祐
1か月前
123

蜃気楼の街

 男は旅人だった。旅の目的がなんだったのか忘れるぐらい、彼は旅をした。もはや旅をすること…

水瀬 文祐
1か月前
91

眠る街と羊と牧羊犬

 治癒者(ヒーラー)なんて必要ないから!  茜は上等なカシミアのスーツを着た、一見セール…

水瀬 文祐
2か月前
117

 地面にくっきりと刻まれた二本の線が少年、ユールの目の前から、ずっと彼方へと伸びているよ…

水瀬 文祐
2か月前
119

箱庭の天使たち

 世界が滅ぶんだ。今日このときを以て。  パズルのピースが剥がれていくように、街が、地面…

水瀬 文祐
3か月前
127

碧天の巫女

 右手を床と水平に伸ばし、指先の先一点にまで神経を研ぎ澄まし、行き渡らせる。左足の爪先に…

水瀬 文祐
3か月前
154

うつつゆめ(後編)

■前編はこちら 気づくと、うつらうつらしていた自分がいた。夢見るように先ほどまでの出来事を見ていた。果たせずして、死神に迎えられるのも近いらしい。  もう四肢は動かなかった。腰のナイフや傍らに落ちた銃で自決することもできない。凍てつく風に命の灯火を晒して、なすがままに嬲られ、やがて消し去られるのを待つばかりだ。  雪交じりの突風が吹きすさぶ。視界を瞬間奪われ、やがて収まり平静を取り戻したときには、そこに瑠璃のような青い体毛の四足獣がいた。  獣は獅子ほどの大きさがあり、体毛は

うつつゆめ(前編)

■前書きこの「うつつゆめ」は一番最初に公開した小説ですが、PDFファイルで公開したため、閲…

水瀬 文祐
3か月前
111

王者の凱旋

■備忘録的な今日こそは長編を!、と意気込んだのも束の間。 子どもたちの出かけたい攻勢に、…

水瀬 文祐
3か月前
82

ドラゴン・サーカス(後編)

■前・中編はこちらのリンクからどうぞ■以下(後編)本編です エドゥアルトの申し出に、テッ…

水瀬 文祐
4か月前
49