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胃潰瘍で数日間入院することになった。 胃の痛みなどはほとんどなく、自覚症状としては胃…
■これまでの話はこちら■本編 家に帰ると、久しぶりに書置きがされてあった。母からだ。 …
今回の小説は下記のとおり、クロサキナオさんの企画に則って書いたものになります。 6月の誕生…
■まえがき今回の短編はタイトルの通り、ある日見た私の夢を元にした小説です。 以前アップし…
■前回のお話はこちら■本編 書店員の朝は早い。十時の開店に備えて、それまでにある程度の新…
男は後ろをやけに気にしながら歩き、ある小路の入り口に立つと、殊更に警戒心を剝き出しにし…
病室の窓から外を眺める。青空に無数の魚影のような雲が泳いでいる。 午後のロードショーを見終えて、余韻に浸りながら缶コーヒーを飲んで一息つく。 「ああ、水瀬さん、また体に悪そうなもの飲んでますね」 巡回の女性看護師の鹿屋さんは眉を顰めながらそう言った。 「何か楽しみがないと、長い入院生活は耐え難くて」 そう言って点滴のチューブを持ち上げて肩を竦めてみせる。 鹿屋さんはああそうですか、と呆れたように言って私の脇に体温計を差し込み、腕に血圧計のベルトを巻いてポンプで空気を
世界には空に穴の空く場所があって、その穴の中には空色をしたダイヤモンドが眠っている。 …
波打ち際に貝殻が転がっていた。押し寄せては引く波に弄ばれ、ころころ、ころころと転がった…
■前回までのお話はこちら■本編「椿、着替え終わったか」 ノックもせずに扉が開けられ、そ…
■前回までのお話はこちら■本編 そのホールは古びていた。あちこちの壁に雨だれが見られたし…
■前回のお話はこちら■本編 牧場の中は寂れていた。日曜日の、しかもこんなにも天気のいい昼…
■あらすじ小説家志望の男と同棲する翠。しかし現実を直視しようとしない男に愛想がつき、自分…
ナルミは街の失せ物管理事務所で働いている。 週四日勤務。時間は八時から十六時まで。土日休み。福利厚生は充実しているし、有給休暇もとりやすい。業務内容も失せ物のデータ管理の他は来所者や電話の応対くらいで、難しいことはなかった。 彼女は会社説明会で目にした、住宅メーカーの華やかな女性営業に憧れて、第一志望をその住宅メーカーにしていたのだが、面接であえなく不合格となった。その後も受ける会社受ける会社に不合格の烙印を押され続け、学校の就職担当者が「君にはここしかないと思う」と言