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CONSENSUS BUILDING VOL2   2022/07/24

いいかねPaletteのシェアライブラリーで開催されたライブイベント、CONSENSUS BUILDING VOL2 主催の船原秀朗さんと、出演者のGOMESSさんにインタビューを行いました。

○自己紹介をお願いします。

GOMESS(以下G):GOMESSという名前でこの肉体に入って生きています。肩書きは、詩人・ラッパー・人間です。

船原さん(以下ふ) :今回いいかねPaletteで「Consensus Building vol2」の主催をさせていただきました、船原と申します。

○お二人の出会いを教えてください。

ふ:GOMESSさんを知ったのはそんなに前じゃない、多分1年経たないくらいで。もともとhiphopが好きで、MCバトルとか見てて、Youtubeで知りました。
そこから曲を聞いて、「Poetry」という曲を聞いた時にガツンと響くものがありました。YNGTっていうLive動画を見た時、その時の「Poetry」を聞いて、魂の叫びというか、グッときたんです。
「何を抱きしめればいい」という言葉で涙が出ました。
僕の子供も若干の発達障害を持っていて、生き辛さを近くで見て感じていました。
今まで人のために大きなことやたくさんのいいことをしてきた訳じゃないけど、その瞬間、GOMESSさんのLiveを見て「何か気付いてくれるんじゃないか。」「若い子をはじめとする生き悩んでいる方に届けたい。」と思って出演オファーしました。

○このイベントを開催するきっかけは?

ふ:GOMESSさんにメールして、返信がなかったから、「あぁ無理だったかな〜」と思った日の夜中2時か3時くらいにパっと目が覚めて、携帯を触っていたら、丁度GOMESSさんがinstagramの配信ライブでトークしてて。
「直接聞いてみよう」と思い、ライブに入りました。
今まで配信ライブとかしたことなくて、自分もライブで映ってるとか分かってなくて。(笑)
そこでお話できました。

G:基本的に、instagramの配信ライブは僕だけが喋っててコメント欄に人がいるだけなんですよ。気まぐれで「誰か喋ろうよ〜」って視聴者さんのリクエストからランダムに選んで喋ることは年に1回くらいしかやらないんです。
見てくれていたライブがその時で、たまたまランダムで選んだのが船原さんでした。
メールの返信できてない方だ〜、どうしよう〜とか思っていました。(笑)

ふ:そのinstagramの配信ライブで出演OKをもらって、その後小倉で開催されたフリースタイルバトルを見に行って、GOMESSさんが初優勝して。
その他にも色々とタイミングが重なったんですよね。大袈裟かもしれませんが、「運命」だと思いましたね。

○お二人の今までの活動について教えてください。

G:メディアに最初に出たのは第二回高校生ラップ選手権(2012年10月に放送)です。
音楽を始めたのは11歳からで、ラップを始めたのは13歳からです。
自分がセンスが悪いからとかじゃなく、聞いている大好きなhiphopが売れていないhiphopばっかで、音楽がラップで成功するイメージが無かったですね。
始めた頃は新しい人もだんだん出て来なくなって、落ち着いてきて。氷河期だったんですよね。
当時は、趣味というか、好きな音楽作るぞ。聞いてて楽しい音楽作るぞ。という感じでした。
今の子たちはバトル見てるからバトルやるとかサイファーやるって考えになると思うんですけど、僕らはラッパー目指して曲作るのが一般的でした。

一番最初は、ゲーム音楽のインストゥルメンタルの曲を11歳から4年くらい作っていました。「作曲家になろう」と思って。
作曲で食べていくには当てなきゃいけない。でも、当てられるのか、食べていけるのかわからない。と思って技術職の「エンジニアになろう」と思いました。
今でも自分の曲や楽曲提供するときは自分でミックスします。ラップは食べていけると思っていなかったので、好きなように18歳まで自分のペースでやっていました。
ラップは11歳の頃、UVERworldに出会って、好きだけど自分で書こうとは思わなかったですね。バンドのボーカルがラップしてるってイメージで、バンドは俺ひとりじゃできないからやろうと思っていなくって。
その後、RHYMESTERの勝算(オッズ)っていう1分くらいの曲に出会って。楽屋で誰か指パッチンやってて声だけでラップで掛け合いをして、机を叩いて声のフェードアウトで次の曲が始まるんです。
それがとにかく好きで、俺がいたらできるんだ!と思って始めましたね。自分でもできる!やってみよう!みたいな。
そこからトラックを自分で作って、サンプリング手法とかにも目をつけ始めて。トラックメイクよりはラップのほうにのめり込んで、力を入れていきました。
今日も遊びに来てくれてたんですけど、中学2年生の引きこもっている時から一緒に音楽やってる一番古い友達とか、インターネット上で知り合った人とデータのやりとりをしていました。
インターネット上でラップやっている人たちのオフ会が中学3年生の時にあったんですけど、R指定さんとかいましたね。
一番最初のラップのライブの時もR指定さんめっちゃすごかったです。
僕は何にも言えなくてむちゃくちゃ恥ずかしかったのを覚えています。(笑)
一瞬高校入った時も、すぐ「学校通えないな」と思ってリュックサックの中に教科書入れないで小さいラジカセを入れて登校するんですけど3、4時間目はサボって田んぼ道を歩いてって人がいないところで自分の作った曲をかけてラップの練習をしていました。
そこから静岡駅の地下とか広場でやるようになって、アコギ弾き語っている人とか、ダンスやってる人のところに行って「ラップやってるんですけど一緒にやりませんか」っていうのをやってとにかくストリートでのコネクションを増やしまくりました。で、学校行くのやめてって…ていう時期に高校生ラップ選手権があって。
その後のオファーとかも、事務所に入っていないのでコネクションは自分に全部直結しています。

ふ:僕は、音楽で言えば20歳からDJ活動をやっています。DJイベントは若い頃から何度もオーガナイズしたことはあるんですけど、ライブのオーガナイズは初めてで。
今回は周りのメンバーがバンドやってたんで、助けてもらいました。
DJイベントとは全然違いますね。いい勉強になりました。

○GOMESSさんはいつもどのような形態でライブをされることが多いですか?

G:一番最新ではもう1人コーラスがいます。女優の中尾 有伽さんとフィーチャリングの曲を練習していた時に僕の曲を覚えてくれてて、ラップのコーラスが出来てたんです。
そのピッチも丁度よくて。どうにかして一緒にやりたい!と思って、サポートメンバーとして女性コーラスを担当してもらうことになりました。
3人で動いていたところにキーボードが加わって、4人体制が主軸になりつつあります。
場所の規模に合わせて3人か4人かで調整しています。遠征の場合は2人が多いですね。持ってくる機材とか環境も変わるので、曲の感じも変わります。SEKAI NO OWARIさんと仲良くさせてもらってて、彼らの形態をヒントにやってる曲もあります。ドラムを入れないとか。
メンバーがもともとクラリネットを4年間専攻していたので、クラリネットを入れました。ドラム、ギター、ベースを入れないピアノを使った曲も多くあります。
キーボード、クラリネット、コーラス、僕で「1バースの中でテンポを動きまくろう」というルールを設けて、そのときの感情に任せたSesson形式の緊張感ある曲を作ったりもします。
ライブのときは何が起こるかわからないし、緊張感を持って、「孤独な戦いをやろう」っていうのはバンドの時の決め事にしてますね。
リハーサル通りに本番やるってのは向いてなくて。
なるべく奇想天外なことを起こしあって、それにワクワクできるやつらであろう。って思っています。

○今回のイベントは様々な出演者さんがいらっしゃいますが出演を依頼された理由は?

ふ:まずGOMESSさんが筆頭にあって、GOMESSさんの「命の代弁者」というキャッチコピーから、テーマを「愛」にしました。
そのテーマをもとに、福岡で活躍している「愛の伝道師」と呼ばれるMahina appleさんに出演を依頼しました。メッセージ性が強く、歌詞が好きなんです。


そして、今回のライブのSNS告知をしていく中で知り合った、高校生ラッパーのKILくん。
Youtubeで音源をアップしていたんで、聞いてみてDMをしたんですけど、大阪の子だったので厳しいかなーと思っていたんです。
でも、元々ライブを観に来る予定だったらしく、観に来るのであればやってみない?と声をかけて、ぜひやりたいと言ってくれました。
なんで音楽を始めたのか聞くと、彼自身も、発達障害があると僕に言ってきてくれて、馬鹿にしてくる周りを見返したいという思いからだそうなんです。それも歌詞に凄くこもっていて。しかも彼、今回が初ライブなんです。

G:え!そうなんですか!すごく緊張したでしょうね。でもこんなに周りの優しい初ライブ無いですよ。
僕なんてゴミ投げられてブーイングくらいましたからね。

ふ:彼の一歩になれば、きっかけになればいいなと思いますね。だって、初ライブがGOMESSさんとだなんて。ね!
あとは地元の若手、PULPUNTEですね。

G:彼ら、すごくバランス感覚がよかったですよね。使ってるビートの感じもよくて。CDもいただきました。
いい子たちで、喋った感じも「好きかもしれん」と思いましたよ。(笑)

ふ:1人はGOMESSさんが出られてた小倉のフリースタイルバトルに出てたんですよ。
まだ地元の田川でLiveをしたことがなかったので、いい機会だと思って。

○いいかねPaletteでイベントを行おうと思った理由は?

ふ:福岡市内でやれば?ってよく言われるんですが、「ここ」でやることが大切で。
今回、このライブに来てほしいと思った方にはDMしていたんです。ここは距離感が近くてゲストとお客さん同士で話ができたり、交流ができるので、1人でも2人でも「来てよかったな」と思ってもらえると思ってます。
GOMESSさんのファンって、GOMESSさんをすごく尊敬してて、話ができるなんてありえない!っていう考えの方がいらっしゃる感じがしてて。
そういった方々がGOMESSさんと話をすることで何かのきっかけになるかもしれないし、良かったかなと思いますね。

○いいかねPaletteでイベントを行った感想は?

G:満足してくれたかどうかを決めるのはお客さんなので、出来てたらいいなとは思うんですけど。
音の環境で言うと、ライブ会場(シェアライブラリー)に入ってきた瞬間、正直大丈夫かなと思いました。
丁寧に現場に入って、PAさんとも挨拶して丁寧にやりとりをしていくうちに、「あ、PAさん腕がいいな」ってすぐに分かって。
この場所で音響的にどうしようもない部分に関しては、僕と僕の相方も、おそらくPAさんも楽しめるタイプだったし、自分自身も突然何か起きるとめっちゃ盛り上がるし、どうにでもなるんですけど、やる曲とかはどうしても変えないといけなくて。
PAさんが、技術もそうですけど、心持ちとして凄く素敵な方でアシスタントさんも凄く動いてくれて、本当にこのイベントを良くしようというのが凄く伝わってきたので、リハーサル時点でいいイベントだなと感じました。
僕の中でPAさんとアシスタントさんのお二方がMVPです。

○今回のPAさん自身バンドをやっていて、もともとが表現する側で、真剣に考えてくださる方なんです。

G:やる側の気持ちが伝わる人ですよね。ファインプレーもあって。
あのアイデアがなかったら歌い辛かったと思います。本当にばっちりでした。

ふ:正直、ずーっと不安です。さっき言ったように、ライブのオーガナイズは初めてだったのと、僕の好きなものとみんなのすきなものは違う訳で、僕がどれだけいいと思っても他の人には違って聞こえる時もあるし。
僕は伝えることが得意ではないし、影響力もないので、僕にできないことをGOMESSさんやMahinaさんにやってもらえたらなって。
大袈裟かもしれないけど、僕も若い頃に音楽で命を救われたことがあるんです。音楽を聞いて立ち直れたことがあって。今、GOMESSさんを知らないだけで、苦しんでいる人がたくさんいる。
今日のイベントで、出会った時に何か変わる人が10人のうち1人でもいてくれたら、このイベントをやった意味があると思います。
会場で「良かったです」とか「ありがとうございます」とか声をかけてもらえたので、良かったんじゃないかな、成功したんじゃないかなとホッとしています。もう、記憶がないくらい。(笑)
ただ、誰にも言ってなかったんですけど、実は今日(7/24)は今東京にいる子供の誕生日で、今回のイベントは子供への誕生日プレゼントだったんです。
僕は今まで向き合ってきて、発達障害の勉強をしたり、怒ったりとか、色々うまくいかなくて。でも本当に音楽が好きで、イベントのために帰ってくる予定だったんです。今日も手伝ってくれるはずだったんですけど、コロナになってしまって、帰って来れなくて。誕生日プレゼントができなかったことが1つだけ心残りです。

G:そうなんだ。。じゃあぜひ、リベンジで!デラックス版でやりましょう!僕もメンバーぶわっと連れて来たいです。あの時よりも豪華だぞって。

○ぜひやりたいですね!今後の活動について教えてください。

G:カフェをやりたいんです。イメージをどんどん固めて、周りの手伝ってくれる大人には話をし始めています。いいかねPaletteのちっちゃい版みたいなのをやろうとしてますね。田舎に作りたいんです。まぁ、ここ(田川)までじゃないですけど。(笑)
でも、町おこしみたいなのは一緒にやりたいことの一個で、僕がいるから会いに来てくれる人が今もいると思うし、もっともっと増やしていきたいなと。
明後日から佐賀に富永ボンドさんっていうボンドアートの方のところへ行くんですけど、彼がいるから彼の場所に会いに行こう。っていう発想になる。
そこには彼がいるし、彼の家族や信頼する仲間たちにも会える。
ここ(いいかねPalette)もそうで、この人がいるから会いに行こうが大きくて。じゃないと福岡市で完結してしまいそうと言うか。
僕もそういうものを目指していて、地元の静岡のちょっと田舎に作りたいです。今回で、また福岡に来た時の楽しみがひとつ増えたので、ここは、夢の形の断片のでかい版でもありますし。

ふ:また出演オファーしたいとき、instagramのライブ配信突撃してもいいですか?

G:もう連絡先知ってるでしょ!(笑)電話ください(笑)

○次回は田川のディープスポット巡りしましょう!

G:わぁー行きたい!ぜひ!!

interviewer 松本圭祐・久保田鈴菜

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