MVから読み取るテレキャスタービーボーイ(long ver.)考察

タイトル通り、テレキャスタービーボーイ(long ver.)のMVを見ていて、中々に皮肉ってて面白いなと感じたので個人的な考察をしてみます。
ぶっちゃけ「意味わからないくらい長い」ので、考察のまとめだけが知りてえ!って人は下の目次から「まとめ」にどーぞ!

ちなみに歌詞についても多少触れますが、歌詞中心の考察は別の方がやってたのでそちらを見てみるのも面白いかも、というか面白かったです。

※画像などは使っても咎める人はいないかもしれませんが、自分で作ったものでもないので基本的に文字のみで考察を書いていきます。わからんかったら横でMV流して再生数稼ぎながら「あーこれね」ってくらいで見て。

1.はじめに

それでは考察を始める前に、良ければ本家または歌い手verの「テレキャスタービーボーイ(long ver.)」をぜひ一度見てきてください。

~以下引用~
◇テレキャスタービーボーイ(long ver.) / すりぃ feat.鏡音レン
https://www.youtube.com/watch?v=i-DZukWFR64&ab_channel=%E3%81%99%E3%82%8A%E3%81%83OFFICIAL

ついでに直近で聞いてみていいなと感じた歌い手の方のも良かったらどうぞ

【歌ってみた】テレキャスタービーボーイ(long ver.) 【タラチオ】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37741237?mylist_sort=1&playlist=eyJpZCI6InZpZGVvX3dhdGNoX3BsYXlsaXN0X3RlbXBvcmFyeV9teWxpc3QifQ&ref=pc_mypage_watchlater

いかがだったでしょうか?聞いてみて何か感じるものがありましたか?もしも感じるものがあったら是非、「自分の感じたものとどんな違いがあるか」という部分も楽しみながら見てもらえると嬉しいです。

2.背景色の意味

この作品のMVには大きく4つの背景(黒/白/黄/青)が用いられています。
今回の考察ではこれらを以下のように定義します。

背景=見ている世界

以上から、各背景を以下のように再定義します。

黒→死んだ(または殺した、殺された)世界
白→失った世界
黄→現実の世界
青→理想(空想)の世界


では次に登場人物についてみてみましょう。

2.登場人物

この作品にはいくらかキャラクターが登場しています。
キャラクターは以下の通り。
※大体のキャラは開始10数秒で大体出てくる

①黒髪ロング少女
②茶髪単発少年
③白い鳥3兄弟(×とか◎とか出してるやつ)
④赤耳ウサギ(着せ替えとかさせているやつ)
⑤黒髪男装少女
⑥茶髪女装少女

厳密には「黒耳ウサギ」もいますが、後ほど記載予定のため割愛。
各キャラクターに対する考察および定義を以下のようにしています。

①黒髪ロング少女
→現実に存在する少女。笑顔で明るく元気に振舞っているキャラクター
②茶髪単発少年
→現実に存在する少年。①同様明るく元気に振舞っているキャラクター
③白い鳥3兄弟(×とか◎とか出してるやつ)
→世の中の『常識・普通といった感覚で評価してくる奴ら』=のちに出てくる『人生論者』
④赤耳ウサギ(着せ替えとかさせているやつ)
→理想像を作り上げる自分の気持ちや思考などの具現化
⑤黒髪男装少女
→①の求める姿、理想の体現
⑥茶髪女装少女
→②の求める姿、理想の体現

3.各シーン考察

ここでは
動画時間-x:xx
→シーンの説明~

といった形で動画時間に沿って書いていきます。

①動画時間-0:00
早速ですが、このシーン。青い吹き出しで「ま」と何かを言いかけた鳥を人間が握りつぶして遮っています。
これは「3.登場人物」で書いた、「世の中の『常識・普通といった感覚で評価してくる奴ら』」も似たような理想を抱えている(抱えていた)ことを暗示しているのかと思います。しかし、「まる(◎)」と言おうとしても別の『常識・普通といった感覚で評価してくる奴ら(人生論者)』に想いを握り潰されてしまうといった負の連鎖の表現です。背景が黒というのもその表現の延長戦のものでないでしょうか。

②動画時間-0:11~0:31
キャラクター①黒髪ロング少女が早着替えののち様々な姿(②茶髪単発少年)に変え、そのたびに足元の穴に落とされるシーンです。
ここで注目するべきは「A.背景の色の切り替わり」「B.早着替えを手伝っている赤耳ウサギとその行動」「C.キャラクターの切り替わり」「D.青背景で×を出す白い鳥」「E.落ちていく穴と色」です。

A.背景の色の切り替わり
→現実(黄背景)から理想(青背景)への切り替わりを表しています。
B.早着替えを手伝っている赤耳ウサギとその行動
→少女が姿を変える際に発生している思考や想像といった試行錯誤や想いの動きを表しています。
C.キャラクターの切り替わり
→少女の理想を表現した結果です。
D.青背景で×を出す白い鳥
→個人の理想や想いに対して『否定』をする自称現実に生きる人々。
E.落ちていく穴と色
→穴に落ちて絶望、穴の色は黒=想いを殺されたという表現
(色はさすがにこじつけ感がすごいですが笑)

といったように見て取ることもできるのではないかと思います。
また、歌詞を見てみたとき ​

大人になるほどDeDeDe
はみ出し者ですがらんどう
人生論者が語った
少女は鳥になって

きれい事だけでPaPaPa
ぼろぼろの靴を結んで
デジタル信者が祟った
少年は風になって

「はみ出し者」「人生論者が語った」などの言葉からも近い表現が読み取れるかと思います。

②動画時間-0:32~0:36
男装の解けた①黒髪ロング少女が穴に落ちた先で上を見上げたら鳥(人生論者)が総じて◎を出しているシーンです。
ここで注目したいのは◎を出されたにもかかわらず、笑っているわけではなく何かに気づいた少女の表情と以下の歌詞です。

ゆらりくらり大往生
お疲れ様ですご臨終

◎という本来いいはずの評価を出されたにも関わらず、歌詞は「お疲れ様です。ご臨終」というマイナスともとれる表現がされています。
これらから、少女が『生きていくには理想を追い求める(または表に出す)ことはダメなのだと「悟った」』ということだともとれるのではないでしょうか。

③動画時間-0:37~0:47
赤耳ウサギが大文字の言葉によって画面外に弾き飛ばされ、そのままの姿の少女と白い鳥が仲良く踊っているシーン。
ここで注目すべきは、「A.赤耳ウサギが画面外に弾き飛ばされる」「B.歌詞にある(嘘で固めたウォーアイニー)、(カニバリズム踊れば)」です。

A.赤耳ウサギが画面外に弾き飛ばされる
→赤耳ウサギは理想などの具現化です。それらが黄色の背景である現実にてはじき出された=受け入れられることはなかった ということを暗示しているのだと思います。
B.歌詞-嘘で固めたウォーアイニー‐、-カニバリズム踊れば-
「嘘で固めたウォーアイニー」=嘘で固めた愛しているという表現
「カニバリズム踊れば」=自分で自分を殺して自身の奥底へ本性を飲み込み楽しそうに見えるように生きる=自分自身を食らう
または
人生論者が少女の理想という部分を食らう=どちらも人であり表面上は楽しそうに見えるように生きる
※生きる≒踊るといったニュアンス表現だと解釈

つまり、表面上(MV上)では楽しそうにしているが心の中(歌詞)では悲鳴を上げ、そのような現実を皮肉っているシーンととれるのではないかと思います。

④動画時間-0:48~0:53
青色背景(想像の世界)でスーツを着た男装をした少女がグレネードを投げて煙に飲まれるシーン。
注目すべきは、「A. グレネード」「B.歌詞:1つ2つ殺めた手で何を描いているんだろう」です。
A. グレネード
→ウサギや自分を含め爆発に巻き込まれ、煙で場面転換します。
自分を含め人生論者の語る「グレネード」に巻き込まれていることを表現しているのかと思います。
B.歌詞:1つ2つ殺めた手で何を描いているんだろう
→自分も人生論者に屈し、その立場でさらに同様のことをしてしまっている。また自分自身の理想についても、いくつも自分自身の手で殺してしまい本当の自分がどこにあるのかが分からなくなっている心理描写をしていると思われます。

⑤動画時間-0:54~0:58
現実(黄)で楽しそうに踊りながら歌詞で「僕に愛情を、誰か教えてくれないか」となっているシーン。
現実にあらがえないながらも、歌詞からそんな現実に対して納得がいっていないといった表現をしているのだと思います。

⑥動画時間-1:09~1:56
前半の少女に代わり少年が主役となって曲が進みます。基本的にはおおよそ少女の時同様の流れなので大幅に割愛します。
それが動画時間-1:46~1:52の部分。重要なのは最後のほうで、少年の理想が噴出し上になりますが大文字によって画面外にはじき出されます。
ここで青=理想といった表現をしています。

⑦動画時間-2:07~2:17
MV初の白背景が続くシーンです。細々とした文字で歌詞が書き出されます。白は失ったことを示す背景色だと前半で書きました。
また歌詞は

こんな世界じゃもう
息ができなくて
さよなら告げた現実に
許してはくれないか
弱い僕たちを
また何処かで会いましょう

となっています。基本的には歌詞に書いてある通りですが、注意するべき点はこれが理想を掲げていた人たちの想いを指している点です。
詳しくは先のシーンで話します。

⑧動画時間-2:18
一瞬暗転し、真っ暗な画面の映るシーンです。前半で説明した通り、黒の背景は「殺された、死んだ」を表現しています。

⑨動画時間-2:19~2:40
男女に増えた以外は③の内容とほぼ変わらないのですが、ここも見逃したくない点が、『赤耳ウサギの耳が黒くなっている』ことです。
序盤で赤耳ウサギは個々の理想や想いと表現しました。
つまり⑤,⑥のシーンで完全に想いが死んだ結果を表しており、結果として現実(黄)の背景シーンであるにも関わらず画面外にははじき出されません。それどころか、白い鳥と手を取り合って仲良く踊っている始末です。

この表現は2つの意味を持っています。
1つ目は白い鳥×黒耳ウサギ。
この組み合わせはわかりやすく、人生論者と死んだ(殺した)想いが通い合ったという皮肉だと思います。
2つ目は黒耳ウサギ×黒耳ウサギ
これは、死んだ想いを持った者同士、つまりMVでいう少年と少女が表面上で仲良くして心が通っているといった皮肉だと思われます。

⑩動画時間-2:41~2:44
パルラルラ。知らん。
多分もう限界超えたとかそういうことなんじゃないかな(適当)

4.まとめ

総合すると『何も知らないくせに人生語ってくる者たちを皮肉りながらも本心は違うという思いのたけ』『出る杭は打たれる社会に対する不満』といったことを叫びながら、聞く人々に『ありのままの自分でいい』『自由に生きていい』といったメッセージを伝えているように感じます。

5.最後に

いかがだったでしょうか。今回、テレキャスタービーボーイ(long ver.)のMVを観て聴いてしてみて、個人的に思うところがあったのでMVから考察して書いてみました。
合ってるかは知らないけど、とりあえず自分が満足したしいいかなって。
最初に書いた通り歌詞を中心に考察している方もいらっしゃいますので、是非そちらの考察も読んでみてください。多分調べればすぐ出てくると思います。この考察とはまた違った表現をされていて、とても面白いです。

こんな長い考察を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
機会があれば他の記事でお会いしましょう。bye!



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