期待値

2015年に特別指定で2試合出場、翌年に正式加入。松本山雅FC期待の大卒ルーキーだったのが志知孝明。
その2015年に期限付き移籍で松本に加入し、期待に違わぬ活躍をみせたのが、アンダー世代からその名を知らしめていたヴェルディ育ちの逸材前田直輝。

志知が松本で出場機会をなかなか得られなかった2016年、前田は多数のオファーのなか横浜Fマリノスへ移籍。順調にステップを踏んでいく。


この2人が2018年、再び松本でチームメイトとなる。立場は対称的。志知はなかなか試合に出られず、前田は前田大然やセルジーニョらとともに攻撃の軸としてJ1昇格争いを繰り広げるチームを牽引。が、夏に名古屋へ電撃移籍。瞬時にフィットした名古屋でも重要なピースとして活躍。
志知は翌2019年に水戸へ完全移籍。一気に開花、2020年にはJ1横浜FCへ。

知名度などからプロ入り当初の期待値に大きな差があった両者。値がだいたい合っていたと言われても仕方のない実績。私自身が前田直輝は若手スター候補として知っていたが、志知孝明は名前すら知らなかった。
歳もひとつしか違わない2人の相対性が個人的になかなか興味深く、アビスパの開幕スタメンを勝ち取ったLSBの志知が、出場すればマッチアップするであろう前田直輝とどう対峙するのか、勝手に注目していた。



・・・名古屋戦の89分、もうすぐアディショナルタイムというアビスパの攻撃。CKから左右に動いたボール、混戦からマテウスがクリア。
落下点に入った志知のダイレクトパスは若干弱く、かっ攫ったのは後半途中出場の前田直輝。外に膨らみながらも体勢を立て直しカウンター。置き去りにされた志知。

!?


置き去られていない志知。
追いかける志知。その差が急激に縮まる。
センターサークルを過ぎたあたりまでの僅か40mほどで、数秒前10m近いギャップを作っていた出場時間9分の前田直輝に、出場時間90分の志知孝明は追いついてしまっていた。
勢い余りそのまま後ろから倒してしまいカードをもらったのは余計。が、その走力を存分に披露してみせた。積み上げてきた"実績"ではまだまだ遠いスター選手も、飽くなき意志で走り続ける先には追いつき、追い越していける。
そう感じるには充分なプレーだった。
フル出場した志知。アビスパサポーターに今後への大きな期待を抱かせるにも充分だったと確信している。



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と、推しの活躍にニンマリしつつ、やっぱり負けは悔しいのです。名古屋が6速全開で入ってきて、アジャストする前にしてやられた。名古屋のシフトダウンのタイミングでアビスパにもチャンスっぽいのはあったけど5速まで。手玉に取られたな。選手層でぶん殴れる強みで全開の相馬がバテたら齋藤学が出てくるとかマジ勘弁。ほんの数年前は同じJ2だったのにね、クラブの底力か。
まあ、boobyそこまで悲観はしてません。うちもJ1だ。速さも、強さも、順応できる。できない選手は出れないだけで、そこを補えるくらいの補強をした。17億?どこ掘ったんだってくらいの今までとは違う力の入れようよ。雁の巣に来もせず(そもそも地方には来ない)適当な予想を垂れ流す評論家には言わせておけばいい。
志知は前田を追いかけ、追いつき、カードは余計で、カバーリングに攻撃に、シュートも撃ちながら最後まで走りきりました。まるでアビスパという、発展途上で伸びシロたっぷりな最後まで闘い抜くこのチームを体現するようなプレーだったとboobyは思います。
そんな志知へのサポーター評が爆上がりらしい。彼に今後への期待を抱いたのなら、チームに対しても同じ事。適度に相手をリスペクトしつつ、過度に警戒することなく、目の前の一戦一戦を闘って、軽くみてた連中の鼻をあかしてやろうや♪








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