ことばの冒険

高校2年生から持ち始めた電子辞書は、それまでの私の学習習慣を大きく変化させました。それまで、紙の英和辞典と紙の古語辞典を毎日持ち運んでいた私。高校から「辞書はなるべく紙媒体のものを」という指示があったために購入した紙の辞書ですが、なかなかの重さがあって登下校が辛い(高校生のくせに生意気な…という感じではありますが)ことと、調べたいことばにたどり着くまでに時間がかかって予習復習が追いつかないということから、電子辞書に乗り換えました。

さまざまな種類の辞書が1つになった電子辞書は、それはそれは便利でした。予習復習にかかる時間も短縮されました。

しかし、電子辞書を使用することになったからこそ再認識できた、紙の辞書の良さもありました。

私は小学生の頃、所謂「辞書引き学習」というものをしていました。当時やっていた小学館の通信教育から、辞書引き学習用の付箋が送られてきたことがきっかけで、ことばを調べるたびに、そのことばそのものとその意味、そして、自身で考えた例文を書いて辞典に貼り付けていました。どんどんと膨らむ辞典を見て、「私だけの辞典になった!」と嬉しく感じていたことを覚えています。

この習慣によって、辞書をより身近なものに捉えることができるようになっていたと思います。

そして何より、1つのことばを調べたときに、そのページにあるほかのことばの意味も知ることができたことがとても嬉しかったです。目を動かすたび、ページをめくるたび、新たな発見ができる。それはまるで、ことばの森を冒険しているかのようでした。

そのような「冒険」は、電子辞書にはあまりありません。便利であることがすべてではないのだと感じさせられます。高校の先生方が紙の辞書を推薦された理由も、きっとこれではないかと考えています。

さて、今私は春休み中です。この春休み中には、教職教養や音楽理論の勉強をしたり、本を読んだりしたいと考えています。高校生の頃よりたくさんの時間がある今だからこそ、もう一度、「ことばの冒険」をしてみたいと思います。

勉強中や読書中に出会ったことばは、電子辞書ではなく紙の辞書を用いて調べる。調べたら、そこから世界を広げてみる。

「ことばの冒険」によって、たくさんのことばに出会えたらいいなと思います。

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