→呆けて→

吐いた息が白くけぶる
温度は痛々しくその子を包む

通りかかった景気のいい歯医者
つぎは宇宙に支店を作るらしい
「へえ、景気がいいね」
吐かれる息は、やはり白い

線路を跨ぐ
工事音、アラート音が渇いた空気に伝染していく
冷え切った線路は単音しか発しない
影響されゆく色あせたコンビニエンスストア
ゆれる旗の文字は、決まって3文字

こんな街にも賑やかな声が聞こえる
発信源は、入れない遊具ひろば

似つかわしくない轟音が響く
似つかわしくないね、いつまで経っても
ずっとずっと上の空を飛ぶ巨大な機械は
たぶん、この街に降りることはない

果て、まで来た。
小さな小さな果て。

折り返す。
また次の果てに向かって

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