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この前寄席でウケたことを分析。

このnoteではよく寄席の話をしている。最近寄席に出させてもらえることが少しずつ増えて来たことと、寄席に出るたびに色々と考えさせられることが多いからだ。
そもそも芸歴としてはこの春から12年目になるのだが、つい最近までそんなに劇場の寄席に出させてもらえることがなかった。
盆と正月になって劇場に出れるようになったのもここ一年くらいの話だし、その前のトリオや、さらにその前のコンビで劇場にいた時も、翔ライブに出ることはあったけど漫才劇場の寄席に出ることはほとんどなかった。
あるとしたらお正月に一回あるくらいで、そこで大すべりするのが定番となっていた。
そして最近ようやく寄席にちょこちょこ出させてもらえることが出来て、何故今まで寄席で大すべりしていたかが少しずつわかってきた。
翔ライブのような寄席ではない劇場のライブはいわゆるお笑いファンが観にくる。お笑いファンはお笑いを見慣れているので少々ネタが分かりにくくても着いてきてくれたり、笑ってくれたりする。あとは自分たちの事を認識してくれている場合が多いのでウケやすい。あとはネタを見慣れているのでスピード感にも対応してくれる。あと特に翔ライブは若い女性のお客さんが多く、とにかく元気でよく笑う人が多い。
それと比較して漫才劇場の寄席は全く違う。土日の寄席公演はNGKが満席で入れなかった人が流れてくるパターンが多い。あとはシンプルにテレビに出ているスターを観に来る人、観光客の方がとても多い。お笑いやネタを普段全く見ない人が多い、自分たちの事を知っている人なんてごく僅かである。年齢層も比較的高い。
なのでそもそもウケにくいし、少しでも分かりにくかったらついてきてくれない。分かりやすく面白い事を丁寧にやる必要があるのだ。
それを踏まえて、タイトルにある通りこの前の寄席でかなりウケた回があった。僕らはウケたりスベったりしながら少しずつこういった事を学んでいる所なのだが、この前はその中でもかなり手応えが良かった。
その要因を自分的に分析すると、まずネタがそもそも良かった。当たり前だけど良いネタじゃないとウケない。どう良いかと言うと、やっぱり分かりやすく面白い、特にわかりやすいをテーマに最近は作っているので、その努力が身を結んできた。
そして僕ら2人が寄席というものに慣れてきて、落ち着いてできるようになってきた。大きな緊張や力みがなく、落ち着いてやってスベッたらそれはそれで仕方ないくらいの気持ちで出来ている。その結果良いパフォーマンスにつがっていると思う。
そしてこれが今回の最大の要因、ネタの最初のボケのない部分をビビらずにゆっくり間を使って出来るようになった事。やっぱりボケのない部分は間が怖くなってテンポ良くやりがちだが、そこをしっかりやらないと会話にリアリティが生まれない。ネタの最初の15秒くらいを焦らずにこやかに落ち着いてやる事によって、観ている人に安心感を与えることが出来る。そのあとにしっかりと分かりやすくて面白いボケをテンポ良く出していく事によって、その安心感を継続させて、笑いやすい空間を連続して作っていく、そういう感覚。
さて今回は自画自賛回になりましたが、どう考えても1年前よりは漫才が上手くなってると自分でも思います。その前の1年でもその前の1年でも同じ事を思っているのでしっかりと日々成長している実感があります。
元々が下手なので伸び代があるだけかも分かりませんが、このペースでどんどん成長していけるように日々頑張っていくまでです。こんな事言って2日後の寄席でめちゃくちゃスベッてるかも分かりませんが、それでも考えは変えずにゆっくり喋ってゆっくりスベりたいと思います。

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