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猿も力尽きる

〔解説〕

 よく知られたことわざに「猿も木から落ちる」がある。一般的には「河童の川流れ」や「弘法も筆の誤り」などと同じく、「ベテランでもときには失敗することがある」という意味で用いられる。

 本題の「猿も力尽きる」は、身軽な猿であろうと、生身の体であるから力が尽きることがある。力が尽きれば木の幹や枝につかまっていられなくなり、ついには落下してしまう。だから無理をしてはならないという教訓。

 この「落ちてしまった」という結果から生まれたことわざが、若干意味が異なる「猿も木から落ちる」である。

〔さらに解説〕

 「猿も力尽きる」の根本は「誰にでも限界があるものだ」という考え方であり、誤って落ちるのと、力が尽きて落ちるのでは、同じ落ちるのでも意味が大きく異なる。

 自分の実力以上の学校に入学しようとしたり、企業に就職しようとしたりするなど、無理をしてはいけない。それは志望ではなく野望や無謀であり、そもそも力が尽きる以前に、力不足で試験に「落ちる」ことになる。
 また、幸運の女神のうっかりミスで運良くはいれたとしても、やはり力不足によって途中でついていけなくなり、結局力が尽きて落ちこぼれたり落第したりすることになる。

 自分の能力以上のことをすると力がおよばず、結果的に痛い目にあうことになるので注意しなければならない。背伸びもほどほどに。

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