水草水槽を1年以上長期維持するのに適した底床とは?
◆はじめに
お世話になってます、ぼのぼのです。
このページでは、水草水槽に用いられる低床毎の特徴を踏まえて、私なりの考えをお話させていただきます。
◆多用されるソイルと、それ以外の選択肢
水草水槽をはじめる時、また水槽を新たに立ち上げる際、多くの方が低床に「ソイル」を選択されると思います。
一方で、水草に強いショップやベテランアクアリストの水草水槽に、ソイル以外の底床が敷かれているのを、ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
では、なぜソイル以外の底床でも、水草が育てられるにも関わらず、多くの水草水槽の底床にはソイルが用いられているのでしょう…?
底床に対する多様な視点は、水草水槽を管理する上でとても大事な要素であるため、長文になりますが下記に詳しく記載させていただきます。
↓ご興味ある方は、続けてご覧下さい。
◆ソイルを用いれば手軽かつ確実に、水草水槽を楽しめる。しかし…
ソイルは水質調整の機能を持ち、またソイル自体が保持する栄養により、水草の育成&水槽の立ち上がりを、短期間強力にサポートしてくれます。
しかし、下記理由により水草が生長しなくなるため、半年〜1年前後でソイルの部分的な入れ替えや、水槽のリセット作業が必要とされています。
ソイルによる水質調整機能が失われ、水槽水が徐々に水草育成に適さない水質に傾くため
ソイルの栄養が無くなり、水草が生長するために必要な肥料分を、ソイルが供給出来なくなるため
経年劣化によりソイルが崩れ、泥化することで、底床内に嫌気層が発生し、有害物質が水槽水に流出するため
上記理由から、水草水槽の水景維持が半年〜1年程度かつ、リセット毎にかかる購入費用が問題にならない方にとって、「ソイル」は「良い底床」だと言えます。
※地域によっては廃ソイルを「家庭ゴミ」として、処分出来ない場合もありますので、事前に調べて低床を選んでみて下さい。
また、定期的に買い替えが発生するという点から、メーカーや小売店にとっても、「いい商品」ということになるでしょう。
一方で、植え替えや水質変化に弱い下記水草を、水槽に導入される方にとっては、リセット作業を排除することが可能で、半永久的に使うことが出来る「ソイル以外の底床」が、「良い底床」と言えるのではないでしょうか。
↓長期維持が基本となる水草種
エキノドルス全般
クリプトコリネ全般
アポノゲトン全般
◆半年〜1年毎にソイル交換を行わなければならない、、、というリスク
ソイルの交換や水槽のリセット、、、言うのは簡単ですが、実際に行い、元の良好な水槽環境まで戻しきるのは、かなり大変です。
例えば、60cm水槽1つをリセットする場合、私であればどんなに早く終わらせても、半日は絶対に掛ります。
また、リセットを行う間、生体や水草は別水槽に移動せざるを得ませんので、新たな機材購入が必要になります。
加えて、リセットを完了しても、水槽環境が安定するためには更に一定の時間を要すため、人間、生体、水草、濾過バクテリアにかかるストレスは、相当なものです。
※それこそ、アクア熱の大部分が奪われるほどに…
↑これが水槽1つをリセットする時の話ですから、複数水槽を管理している方、アクアをどんどん好きになって、これから水槽を増やすそうとしている方々には、どれほど負担になることか。。。
上記理由により、アクアリウムを負担なく楽しく続けるためには、水槽を1年以上長期維持していくことが必須なのではないか、、、と私は考えています。
※アクアリストあるあるですが、基本的に管理水槽はどんどん増えていきますし、年齢が上がれば水槽管理に使える時間はどんどん少なくなっていくからです。
◆長期維持に向く底床とは?
前段が長くなりましたが、アクアを長く楽しむために、長期維持の重要性を認識していただければ嬉しいです。
では、ここからは簡潔に行きます。
まず、長期維持に用いる低床は↓の製品です。
・「シンセー社:津軽プレミアム」
この製品は長期維持が狙える他の製品郡(砂や砂利)と比べて、下記の強みがあるため、私は全ての管理水槽(現在15個)の低床に「津軽プレミアム」を敷いています。
僅かに水より重い比重で、角の取れた粒が1-2mm程度の砂であるため、根張りを阻害しないこと
大磯砂や田砂等と比較して、pHや硬度に対する影響が小さいこと
出荷前にメーカー側で温水洗浄済みのため、購入後に酸処理を行う必要が無く、そのまま敷くことが出来、セット直後の濁りも少ないため、僅かに発生する濁りも半日程度で落ち着くこと
1-3の強みを持ちながら安定供給されており、かつ他の製品と比べても安価であること
川砂、砂利共通の特徴として、経年劣化による泥化が発生しないため、半永久的に使うことが出来ること。
◆津軽&固形肥料のセッティング方法
「津軽」は「ソイル」と異なり、それ自体は栄養を持ちません。
そのため、固形肥料の上に津軽を敷いてセットします。水槽立ち上げの元肥と追肥はそれぞれ、下記製品がオススメです。
また、挿し戻しにてトリミングを行った際、元肥が露出しないよう、下記製品を元肥の上に敷き、津軽とセパレートして下さい。
◆低床を敷く厚さについて
低床(元肥+津軽の厚さ)は、最薄箇所でも7cm以上になるように敷いて下さい。
私の経験則になり恐縮ですが、6cm以下の低床では、生育が芳しくない水草種が存在するためです。
※逆に言えば、7cm以上敷けば、ほぼ全ての水草が育成可能になります。
◆低床を厚くすると止水域が出来て、嫌気層から有害物質が流出するのでは?
下記理由により、根を張る水草を多く植栽する水草水槽では、低床の厚さによる有害物質発生を、考慮する必要がありません。
水草内の循環により、厚く敷いた土壌であっても根から酸素が供給されるため
仮に有害物質(アンモニア等)が発生した場合であっても、水草が根から速やかに吸収するため
◆まとめ
アクアリウムを永く楽しむためには、水槽管理の頻度&時間を少なく出来る、長期維持が有効
多大な労力がかかるリセットを避けるためには、ソイル以外の低床(津軽)が有効
低床は、元肥をネットでセパレートし、その上に津軽を被せ、厚さが7cm以上になるようセットする
◆おわりに
今回は、ぼのぼのが考える水草水槽との付き合い方と、長期維持に適した低床についてお話させていただきました。
皆さんが試行錯誤し生み出した、独自の水槽管理手法が、ご自身の中にあることは承知しておりますので、ページ内の一部でもご参考になれば幸いです。
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